第178話 レベル10ぶり2回目
午前の狩りを終えて、俺たちは端末くんの前に戻ってきた。
四階層くらいの広さだと、そろそろ中継地点とかにもうひと端末欲しいなと思ったりもするのだが、ないものねだりか。
ゲームだったとしたら、広めの階層になったらセーブポイントを複数用意するのが優しさだと思うんだ。
『そのコンセプトに関しては否定しませんが、私に言われたところでという話ではあります』
「ですよね」
と、強化前の軽い雑談をこなした俺たちであった。
端末くん相手に愚痴っても仕方ないが、そもそも端末くんが愚痴の相手をしてくれる時点で結構な進歩ではなかろうか。
「さて、本題だな。四階層で最後の強化を行うぜ」
『かしこまりました。事前の取り決め通りのEPでよろしいですね?』
「頼む」
と、軽い挨拶のあとはいよいよ強化タイムだ。
一昨日の時点で最低限の強化は行ってしまっているのだが、今日はいよいよ当初の目標のところまでレベルを上げる。
今日はゴーレム合計22体で驚異の3ドロップにより、獲得EPは31200。
俺とクミン、そしてパーティ資産として分けてあるEPはそれぞれこんな感じだ。(端数切り捨て)
俺:11600
クミン:21000
パーティ:10400
ドロップアイテムの加算分のおかげと、狩りの効率上昇があったのでパーティ資産に少し偏りすぎかもしれない。
だが、CP回復薬はあってありすぎるということはないので、一旦置いておこう。
重要なのは、俺とクミンが目標のレベルに到達できるかどうか。
一応、おとといにCP確保のためにちょっとレベルを上げてしまったので、必要なEPは減っている。
まぁ、多分きっとそれぞれでEPは足りていることだろう。
『召魔忍者をレベル12から15にするのに必要なEPは12000です。迷彩アリをレベル19から25にするのに必要なEPは20000です』
「…………クミン」
『パーティ資産から少し出しましょうね』
俺だけ足りてなかった。
……ちゃうねん。検証が思いの外CPを食うから、だから仕方ないねん。
とりあえず、クミンの許しを受けて補填がもらえることになったので、俺たちは予定していたレベルに到達できた。
まず、俺のステータスはこんな感じだ。
(便宜上、レベル10からレベル15までどのくらい上がったかを表記)
──────
割り振りポイント:25(割り振り済み)
ボーナスポイント:15(割り振り済み)
力:32→35→35
魔:40→45→65
体:23→25→25
速:52→55→55
運:28→30→35
──────
真ん中がボーナスポイントの自動割り振り(推定)で、右側が俺が自分で振ったポイント(手動分)になる。
多分だけど、ボーナスポイントは満額もらった気がする。
まぁ、ここでの戦闘はともかくとして、クソダンジョンでの戦闘分も評価に入ったんだろうなと。
満遍なく上がっているのも、あの戦いを満遍なく見られていたからだと想定できる。
そして、レベルアップにおける割り振りポイントなのだが、召魔忍者はこのポイントが1レベル分『3』から『5』に増加していた。
クソみたいに高いレベルアップ費用を払っているだけのことはある。
(じゃあレベルブーストの時もそっち適用してくれよと、ちょっと思った)
方向性としては、鍾馗のおかげでめちゃくちゃ補正が入って伸びている速は一旦据え置きして、メイン火力に最も繋がる魔を大幅に補強した。
鍾馗を外したら一気にバランスが崩れるかもしれないが、外す予定が全くない。
最大CPの補正にも直結するので、現状では魔が一番大事だと感じている。
今回でCPには多少余裕ができただろう。
これからしばらく、パッシブスキルは複合スキルに統合できるもののみにしていく予定なので、今後は他のステータスにもバランスよく割り振っていく予定。
というわけで、全体的なステータスはこんな感じ。
──────
上杉 志摩
召魔忍者
レベル15
所持EP:11066(上杉志摩:0)
HP 195/235
CP 102/196(使用中214/410)
力:35
魔:65
体:25
速:55
運:35
【所持スキル】
[パッシブスキル]
悪臭
【セットスキル】
[パッシブスキル]
《闇夜と死の徒》 《混沌の魔君》
ストレージ(小) オートマッピング
[アクティブスキル]
強打 目星 測量 火炎魔術(中級) 土石魔術(中級)
暗黒魔術(中級) 衝風魔術(中級) 付与魔術【磁力】(中級)
簡易鑑定 アライメント鑑定 テイム サモン
口寄せの術 武装召喚
スキルリンク ステータスリンク 背水
【奥義】
【十歩必殺】
【テイムモンスター:レイズデッド】
【称号】
『屍鬼を喰らいし者』
『闇夜と死の徒』
『混沌と孤独の同胞』
『魔道の探求者:破』
『暗澹たる死よ来たれ』
『軍勢の試練を越えし者たち(偽典)』
『軍に勝る個』
『慈悲なき者』
『混沌の魔君』
【テイムモンスター】
『クミン』(迷彩アリ)
【登録武具】
護刀・鍾馗+3
──────
実はパッシブスキルをがっつり外してしまえば■■のサモンだって狙えるCPになっていたりする。
まぁ、現実的にはそこを外すと俺の戦闘スタイルに大きすぎる影響を与えることが予想されるので、それを外すなんてとんでもない、なんだが。
あと5くらいレベルが上がったら、無理をすれば再会できるかもしれないな。
あと、単純比較するものではないが、ステータスお化けのゴーレムと比べると見劣りするところがあると感じる。
ただ、ゴーレムは索敵能力が低かったり、スキルをほとんど使ってこなかったりするので、そのあたりのアドバンテージでトントンくらいだろうか。
(そもそも、一対一で戦う想定のモンスターじゃないし)
さて、俺に関してはこのくらい。
アイアンゴーレムに挑むステータスは、これで決まり……いや。
場合によっては、もう少し最大CPが削れることもあるか。
というわけで、今注目なのは俺とは違ってしっかりレベル25に上がる分のCPを確保していたクミンである。
彼女のステータスについては、こうだった。
(クミンの成長に関しても、便宜上レベル13から一気にレベル25に上がったものとして表記)
──────
割り振りポイント:36(割り振り済み)
ボーナスポイント:25(割り振り済み)
力23→26→30
魔24→30→45
体23→25→30
速33→43→50
運21→25→30
──────
魔を伸ばしたいというのは、土石魔術と暗黒魔術の使い勝手を向上したいというクミンたっての要望であった。
完成系は、全体的にマイルドにした忍者って感じだ。
俺のステータスは装備補正(特に鍾馗)がバリバリ入っているので、それらを抜くとクミンの方が全体的に上になるだろう。
流石に召魔忍者がぶっ壊れ補正といえど、レベル15と25で素のステータスが並ぶことはない。
ただ、こうなるとクミンにも何か装備品が欲しいところだ。
蟻種固有の怪力や甲殻といったパッシブスキルが装備の代わりみたいなところはあるが、可能ならクミンでも装備できる何かが欲しい。
まぁ、今は置いておこう。
重要なのは、この後だ。
ステータスの割り振りを終えた俺たちに、端末くんがいつもより事務的な口調で告げたのだ。
『テイムモンスター:クミンの種族進化が可能です。進化先を選んでください』
レベル25で次の進化という読みが当たった。
正直可能性は五分五分だと思っていたが、この情報は大いに価値がある。
もしかしたら、人間のジョブに関しても25で何か変化があるかもしれない。
ジョブが進化するのか、レベル上限に達して上級ジョブが解放されるのか、あるいはサブジョブが選択できるようになるのか。
真相は定かではないが、いずれにせよ俺もレベル25に期待せずにはいられなかった。
いや、今は俺のことはいい。
クミンのことを考えなければ。
端末くんが表示するクミンの進化先は以下の通りだった。
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【種族進化】
所持EP:11066(クミン:1000)
現在の種族:迷彩アリ
選択可能進化先:
アサシンアント:2000EP
ミミックアント:3000EP
忍びアリ:4000EP
ダブルアント:8000EP
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召魔忍者より費用が高い進化先がある件について。




