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ダンジョンサバイバルinゾンビワールド  作者: score


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159/163

第159話 ステータスチェック(レギオン後)



『ダンジョン18764番へようこそ。上杉志摩様。おかえりなさいませ』


「ただいま」


 ダンジョンのゲートをくぐると、いつもの天の声が俺に挨拶をしてくる。

 いや、正確には別に俺に向けているわけじゃなくて、ダンジョンのシステムが全員に向けて定型文を返しているだけだとは思うけど。


 というわけで、俺はこの見慣れた陰鬱な迷宮へと戻ってきた。

 どこか寒々しい雰囲気をまとった閉塞感が、人間のための領域ではないのだというのを改めて感じさせる。


「端末くん。ただいま。何か変わりはあるかな?」


 ダンジョンへの感想もそこそこに、俺は早速入口脇の端末へと声をかけた。

 とはいえ、ここに戻ってきたのは四日ぶりくらい。俺の想定では宝箱はまだ復活していない頃合いだろう。


『おかえりなさいませ上杉様。上杉様宛のお知らせはございません』


「了解」


『ただ、現在のパッシブスキルの編成について、即座に修正することを提案します』


「うん」


 そう言って、端末くんはステータスを表示した。

 確認自体は南小の端末でも行なっていたのだが、半減中に下手に弄る必要もないかとそれまでは捨て置いていた。

 まぁ、称号効果とか鍾馗の成長とかで、結構ステータスが上がっている筈なので、その辺を見るのは楽しみだったりする。


 というわけで、とりあえずのスキルセットは今から弄ることになる。


 ──────

 上杉 志摩

 召魔忍者

 レベル10

 所持EP:0


 HP 20/178

 CP 3/53(使用中221/274)


 力:28→32

 魔:36→40

 体:19→23

 速:35→52

 運:26→28


【所持スキル】

 [パッシブスキル]

 悪臭 


【セットスキル】

 [パッシブスキル]

 《闇夜と死の徒》 神出鬼没 ストレージ(極小)→ストレージ(小) 石工

 思考加速 並列思考 並列起動


 [アクティブスキル]

 強打 目星 測量 火炎魔術(中級) 土石魔術(中級)

 暗黒魔術(中級)

 簡易鑑定 アライメント鑑定 テイム サモン

 口寄せの術 武装召喚

 スキルリンク ステータスリンク 背水


【奥義】

 【十歩必殺】

 【テイムモンスター:レイズデッド】

 

【称号】

 『屍鬼を喰らいし者』

 『闇夜と死の徒』

 『混沌と孤独の同胞』

 『魔道の探求者:序』→『魔道の探求者:破』

 『暗澹たる死よ来たれ』

 『軍勢の試練を越えし者たち(偽典)』

 『軍に勝る個』

 『慈悲なき者』



【テイムモンスター】

 『クミン』(迷彩アリ)


【登録武具】

 護刀・鍾馗+3

 ──────


 わぁ、めちゃくちゃ基礎ステータス上がってる。

 と思うところもあるが、その前に。


 一旦。

 一旦、パッシブ外そう。

 やばいよ、これ、持ってるスキルに比べて最大CPが貧弱すぎるでしょ。


 いやわかってる。

 レベルブースト時の潤沢なCPで楽しくパッシブ付けてたから、それが終わったらこうなることは予想できていた。

 だけど目に見える形にされると思わず『やべぇ』と声に出てしまう。


 スケルトン狩りからはCP回復薬で収支がプラスになると言っても、限度がある。

 中級魔術も満足に使えない最大CPではできることにも限界があるのだ。


 そう思っていたところで、一点、おや、と思うところがある。

 称号欄でも、一つ変化があることだ。


「端末くん、この称号について」


『かしこまりました』


 もはや俺が何かを伝えるまでもなく、意図を読み取ってくれる端末くん。

 俺の専属秘書か何かかな?

 そして、そんな端末くんが表示してくれた称号の内容はこうだった。


 ──────

 『魔道の探求者:破』


 魔の女神から興味を向けられている証。

 貴方が望むのなら、魔術は常にあなたの進むべき道を切り拓くだろう。

 一歩を踏み出したものにのみ、果てを想像する資格は与えられるものだ。


 ステータス補正:魔術スキル使用時にCP変換効率大上昇。あらゆる魔術の位階を一段階引き上げる。ストレージの強化+。

 条件付き補正:火炎魔術、土石魔術、暗黒魔術の位階を更に一段階引き上げる(要:レベル25)

 この称号を持つものは魔術師に属するものに一目置かれるようになる。

 ──────


 書いてあることは、なんかとてもいい感じなのは分かった。

 ようやく俺も、魔術の使い手として魔の女神様(優しいかた)に少し認められたという感じだ。

 問題は、現時点でその与えられた恩恵に俺のレベルが追いついていないことだな。


 仕方ねえよ。だって俺レベル10だもん。

 魔術について色々知った気になったのは本当だけど、レベルブースト終わったらもうあんな風に使えねえもん。


「とりあえず、神様からこの条件満たしたらもっと魔術使えるようになるよ、と道を示してもらった感じでいいのかな」


『そういう認識で問題ないかと』


「レベル25か」


 多分だけど、召魔忍者を上げるより、適当に魔術師に転職してレベル上げた方が早く条件は満たせるだろうな。

 だが、今の俺には悠長にレベル上げをしている時間も惜しい。

 スケルトンで最低限を稼いだら、さっさとゴーレムチャレンジに入りたいのだ。


 まぁ、レベル25になったときのご褒美ができたと思って気長に捉えておこう。


「とりあえず、スキルはこんな感じ」


 今は、一旦でいいのでパッシブスキルを整理する。

 スケルトン狩りを考えると、とりあえず開けておくのはこんな感じ。


 ──────

 CP 3/133(使用中141/274)


【所持スキル】

 [パッシブスキル]

 悪臭 神出鬼没 並列起動


【セットスキル】

 [パッシブスキル]

 《闇夜と死の徒》 ストレージ(小) 石工

 思考加速 並列思考

 ──────


 三本腕戦とかクソダンジョンでは死ぬほどお世話になった神出鬼没だけど、ぶっちゃけスケルトン戦では過剰スペックなんだ。

 そしてこのCPの状況で並列起動なんて入れていても魔術すら満足に使えないんだ。

 だからこの二つは一旦ベンチ入り。レベルがあと5くらい上がったら改めて現場復帰を考えている。

 思考加速と並列思考は、ちょっと迷ったけどめちゃくちゃ便利だから残留した。

 まじで、戦闘中に思考能力が強化されるのと、同時に二つのことが考えられるのは本当に便利なんだよ。

 正直に言えば、戦闘中に随時カウントスキルを起動できるだけで有用だ。


 というわけで俺のステータスについてはこんなところ。

 クミンのステータスは、レベルが1下がっている分があるが、その辺は称号効果でチャラ、どころかむしろプラスといった感じだ。


 ──────

 クミン

 迷彩アリ

 レベル14→13


 HP126/234→225

 CP109/199→189


 力22→23

 魔22→24

 体22→23

 速33

 運20→21


【セットスキル】

 [パッシブスキル]

 甲殻(蟻種) 嗅覚(蟻種) 怪力(蟻種)

 壁歩き(蟻種)

《迷彩アリの心得》


 [アクティブスキル]

 掘削 加工 牽引 土石魔術(初級)

 かばう 身代わり→(ロスト)


【称号】

 『影の立役者』

 『軍勢の試練を越えし者たち(偽典)』


【テイム条件】

 1.コストCP18

 2.ウサギ肉1個/1日

 ──────


『ああっ! 一番高かった身代わりが消えてます!?』


「これに懲りたら反省しろってことだな」


『…………』


 どの口で言うのか、と言いたげなアリさんアイズで見つめられた。

 俺はそっぽを向いた。


 まぁ、高かったと言っても所詮は400EPである。

 いや、結構でかいな……。

 まぁ、うん。4桁台の神出鬼没とかに比べればカスダメだよカスダメ。


「そして、自分についている称号は気にならないのか?」


『そういえば、何か増えていますね。ウチみたいなモンスターにも称号ってつくんですね』


「まぁ、モンスターに二つ名持ちとかは定番だしな」


 クミンは、400EPを失ったことには嘆いたが、称号を貰えたことについては割と無関心そうだった。

 そんな彼女に代わって一応俺が中身を確認しておく。


 ──────

 『影の立役者』


 貴女のその献身が幾万の命を救っただろう。

 たとえ、その献身がただ一人のためのものであったとしても。

 それに殉じ、命さえも散らした貴女こそ、影の立役者である。


 ステータス補正:スキル『食いしばり』を取得可能になる。かばう系統スキルの性能上昇。特殊進化先の追加。

 ──────


「これ絶対強いやつだからもっと喜んでクミン」


 現金なアリさんに、俺は必死に有用性を説いた。

 ステータス補正こそないが『食いしばり』スキルなんて、約束された有能スキルである。


 ──────

 食いしばり:100EP


 戦闘中に一度だけ、どのような致命的なダメージを受けてもHP全損で耐える。

 コストCP:20

 ──────


「ほら強い」


 コストがちょっと重いとしても、これさえ付けておけば実質命に一つストックが出来たようなものだ。

 俺がテイムモンスター蘇生スキルを覚えたように、クミンもまた、あの爆発から生き残るためのスキルを与えられたということだ。


『つまり、身代わりをもう一度取得しなおしても問題なさそうってことですね』


「……いやまぁ、そういうことになりそうなんだけどさ」


 心情的には反対したいが、それで一回助けられた身の上なので、なんとも言えない俺である。

 まぁ、費用の問題で今すぐに取るとは言えないが、クミンに取得してもらうのは決定事項で考えておこう。

 それに気になる一文もあるしな。


「ついでに特殊進化先が追加、って書いてあるけど心当たりはある?」


『わかりません。ウチは下っ端でしたし、今の迷彩アリも知らない種族でしたし』


「まぁ、そうだよな」


 情報がないのはいつものことだ。

 まぁ、とりあえず現時点で確認できることは確認した。

 EPを何も持っていないし、回復アイテムもないので他にできることはない。

 ひとまず、これで見直しは終わったということでいいかな。



「それじゃ端末くん。一旦ここでお別れだ。先の階層でまた会おう」


『かしこまりました。試練を越えたとはいえ、今の上杉様はレベル10のままです。道中、くれぐれもお気をつけて』



 端末くんに別れを告げ、俺たちは一路、三階層を目指す。

 そこで、鍾馗の回復と、最低限欲しいスキルを手に入れたら、狙うはゴーレムハントである。


『ところで、上杉さんはゴーレムに対して考えがあると言ってましたけど、どうするつもりなんですか?』


 ゴブリン階層の道すがら、クミンに尋ねられる。

 成功するかどうかは分からないが、説明しないまま挑戦するわけにもいかないので、俺は今考えていることを述べてみる。


 とりあえず、次に習得するスキルは。




「まず、衝風魔術を取る。話はそれからだ」



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