第46話 帰還後の影響力
私が賞金首を討伐した件は、国内で大きな話題になった。
不敗神話を誇るレグゥを殺したのは、それだけ衝撃的な出来事なのだ。
上級貴族は、私がこの無理難題を達成できずに死ぬ展開を望んでいたらしく、平然と帰還したら悔しそうな顔をしていた。
しかし、表立って反抗してくる者はいない。
決闘に続けて今回の一件でも武力を示したのだ。
私に真っ向勝負を挑むのは厳しいと理解したことだろう。
竜騎士の盗賊団を滅ぼしたことで、私は民からの名声を得た。
巷では「美と力を兼ね備えた英雄貴族」という評価も流れているらしい。
さすがに褒めすぎではないかと思うが、別に迷惑ではないので放置している。
別に支持を集める目的はなかったものの、そうやって賞賛されると気分が良い。
なんだか本当に英雄になれる気がしてくるのだ。
名実ともにエルスワーズ家の代表みたいな状態だし、そろそろ新たな成り上がりを目指すべきかもしれない。
現状に不満はないが、退屈するのは嫌いだ。
仲間も増えて選択の幅も広がった。
今後のためにも色々と挑戦してみるのも悪くない。
そう考えた私は、持ち帰った竜の飼育を始めることにした。
まずレグゥ討伐で得た報酬を使い、王都南西の広大な牧場を購入した。
その牧場はゴブリンの大群に占拠されており、格安で売りに出されていたのだ。
情報を聞きつけたノルフの提案で、私がさっそく買い取ったのである。
牧場に到着すると、そこはゴブリンだらけの魔境と化していた。
独自生態が構築されており、手作りの策や壁でちょっとした砦が建築されている。
いずれもゴブリンが防衛設備として用意したのだろう。
これは確かに格安で売るしかない。
ゴブリンを一掃するのも金がかかるので、前の地主は対策せずに放棄を選んだわけだ。
こんな土地を買ってしまったら、普通は後悔するところだろう。
しかし私は違う。
むしろ求めていた条件にぴったりの理想の土地だった。
私は連れてきた数十匹の竜に突撃を命じた。
空から強襲した竜は、火炎を撒き散らしながら砦を粉砕し、ゴブリンを焼き殺していく。
突然の事態にゴブリンは逃げ惑うことしかできなかった。
いや、勇敢な個体は反撃を試みていたが、竜の暴力の前ではあまりにも貧弱だ。
すべてのゴブリンが平等に虐殺される結果となり、牧場を制圧するのに大した時間はかからなかった。
その後、焼けたゴブリンの死骸は竜の餌にした。
こうして私は人生初の土地を入手したのであった。




