第八部 第十三章 嘘から出た
えええええええ?
ムカついて叫んだら、トンデモナイもんが釣れやんの!
「ふははははははは! お館様の読みは当たった! 必ず奴めはその力故に人間の社会から忌み嫌われるだろうと! 」
のっぺりとした顔は哄笑している。
晋作でない別の奴だ。
「流石はお館様じゃ! それを読んでここまで放置なさっていたが、読み通りとは! 」
やべぇ、マジで受け取られちゃったよ。
本気でどうしょう。
横でオオカミさんがオロオロしている。
「そ、そうだったのかぁぁぁぁ」
「私達の敵だったのね」
由宇と雄二がとりあえず棒読みで話す。
どうして良いのか分からないんだろう。
俺にも分からんし。
「これで、あちらの世界への侵攻作戦がうまくいくと言うものよ」
次々とのっぺりとした顔が現れた。
嘘だろ!
とんでもない数だ。
すでに温泉は囲まれていた。
節足動物独特のギチキヂした関節部の音が凄い。
ついでに侵攻作戦だと?
どうしょう。
由宇と雄二も想像以上に話がでかくて、ノリノリだったのがしまったって感じでさらに目が泳いでいる。
この辺は幼馴染だから分かる事だが、もう少し俺も考えて発言するべきだったか。
「侵攻作戦だと! 」
オオカミさんが叫んだ。
「お館様はあらゆる人間を虫化させる秘術をついに完成なされたのだ」
最初に喜んでいたのっぺりとした顔さんがこんこんと説明する。
「あちらに行けば我らの仲間は飛躍的に増えるのだ。種としては当たり前の事であろう」
別ののっぺりとした顔が呟く。
勿論、どれも闇の中にガサガサと音だけ聞こえて、のっぺりとした顔は数メートルの大きさで中空に浮いている。
「何と言う事だ! 」
オオカミさんがショックを受けていなさるが、いやいや貴方が余計なこと言うからでしょうが。
ゆるゆるキャンプはどこ行ったよ。
思わず叫びそうになる。
どうしょう。
俺と動揺している由宇と雄二が目を合わせた。
仕方あるまい。
「とりあえず、私はお館様とかに会って話をしたい。味方するにしても聞きたい事がある」
俺がそう答えた。
「「「「「「えええええ? 」」」」」」
オオカミさんと和弘おじさんと非常食さん達が叫ぶ。
「貴様っ! 仲間を捨てて裏切る気かっ! 」
非常食さんが叫ぶ。
いやいや、戦っても勝てないだろう。
とりあえず、俺だけ向こうに行って収めようとしているのに。
「何と言う事だ! 我々の切り札が裏切ったかぁぁぁぁ! 」
オオカミさんが慟哭している。
いやいや、余計なこと言うからだし。
由宇と雄二が俺と再度アイコンタクトした。
「とりあえず、こいつらはほったらかしにしてくれ。向こうの二階堂家に話をさせたい。それで、向こうにも降伏を勧める使者としたいのだが」
どうして、こんな事をしないといけないのか分かんないのだが、そう言って由宇や雄二を守ろうとした。
でも、由宇と雄二しか気が付いてない。
「達也。君を見損なったよ」
和弘おじさんまで酷い言い方している。
涙が止まりません。
だって、のっぺりした顔が千近いのに、戦って勝てる訳無いじゃん。




