第八部 第二章 温泉
結局、元の山に戻った。
幸いあれから地形は変わっていなかった。
誰か何らかの意思の元で地形を変形させているのだろうが、間違いなくやってる方もイラついているんじゃ無いかと思う。
なにしろ全然、俺達が前に進めていないからだが……。
俺達が山まで戻ったのに非常食さんは帰ってこない。
何が何だか訳が分からん。
「本当に兄貴に似てるなぁ」
和弘おじさんが非常食さんの性格を見て笑った。
「非常時に仲間だと最悪の奴ですね」
俺が笑った。
「達也の親父さんも自由だもんな」
雄二も同意する。
「とりあえず、竹筒の水筒をいくつか組み合わせて、それにお湯をそそいで一斉に下側に穴開けてシャワーみたいにするしか無いよね」
俺が木とか見て雄二に話す。
「本当は風呂とか入りたいんだけどな」
雄二も愚痴る。
「まあ、それは当たり前だな」
「ああ、もう少し戻るなら温泉ありますよ」
お弟子のエルフさん達が俺達に教えてくれた。
なんとまさかの温泉ですと?
「行きたいな」
「俺も」
俺と雄二がつぶらな瞳で和弘おじさんに訴える。
「まあ、そんなに遠くないし、行くかい? 」
和弘おじさんが笑った。
俺と雄二が力強く頷いた。
「温泉良いよね」
由宇も嬉しそうだ。
幸い、俺達は川で泳げるかもってんで、水着を持って来ていた。
ちょっと、せっかくの温泉回でそれは無いのではと思われるかもしれんが、別に家族みたいな由宇見ても何も思わないし、当然、由宇が裸で無くてもガッカリしない。
「じゃあ、行こうか? 」
和弘おじさんが決めてくれた。
皆で頷いた。
俺も、臭い匂いが取れないし、シャワーで取れるとは思ってなかったし、ありがたい。
自然に負担の少ない石鹸もあるから、これなら綺麗に出来る。
身体に匂いがあるって事は、まだあの憲兵の節足動物の成分が身体についていると言う事だし、早くそれを落としたいのも間違いないからだ。
鼻からニオイ物質が入ると、ニオイ物質は鼻腔最上部の嗅上皮に入り込む事で感知される。
つまり、うんこの匂いなんかも物質としては鼻に入り込んでるから、匂う訳で……。
昔、この話をして由宇に二日ほど汚い話をするなと会話して貰えなくなったのを思い出した。
まあ、解体とかやるくせに細かい事をって言う人もいるらしいが、あれはあれでアルコール消毒とかかなりちゃんとしてやっているからなぁ。
逆に、そう言う衛生にこだわる性格だからこそやれるのかもしんない。
とりあえず、温泉万歳である。




