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冒険者ギルドを出て食料と手土産を買いフラケートの家を訪れた一行。
リンカとソラとリリスがリビングでくつろいでいる間にリクとフラケートはキッチンで夕食を作っていた。
フラケートの両親はお客さんなのだからと一度は首を横に振ったが、フラケートがリクの料理は美味しいからと説得してやっと頷いてくれた。
「リクさん、お料理は好きなんですか?」
「あぁ」
リクは玉ネギを切りながら答える。
「最近はリリスも料理中は抱きついてこなくなった」
「あら、リリスちゃんは甘えんぼさんだったんですね」
「ケガしないかと心配だったがな」
「フフッ、そうですね」
フラケートは笑みを浮かべながらニンジンをみじん切りにした。
それらを牛乳に浸けてあったパン粉とニワトリの卵とひき肉とまとめてこね混ぜる。
「リリスはよくこれをやりたがった」
「やらせてあげたんですか?」
「あぁ、この感触は苦手でな」
会話しながらも二人は混ぜられたものを二口サイズ程度に丸めていく。
それを熱してあったフライパンに並べ両面からしっかりと火を通す。
十分火が通ったところでトマトソースとウスターソースを投入。
味がしみ込んだところでミニトマトとキャベツの乗った皿に並べる。
それから用意してあったサラダとコーンスープも併せて食卓に並べて本日の料理は終わりとなる。
「ハンバーグ!」
リリスが匂いに反応して飛び上がる。
そう、今日の夕食はリリスの大好きなハンバーグだ。
リリスはいの一番に食卓に着く。
それでも、リリスはちゃんとみんなの事を待てるのだと手を膝に置いて待つ。
そんな様子に皆がほほ笑んでいた。
「いただきます」
皆で手を合わせて食材に感謝するといざ実食になる。
リリスはフォークとナイフを掴むと器用にハンバーグを切って口に頬張った。
途端にニターと笑顔を浮かべる。
とても美味しかったようだ。
「あら、ほんとに美味しいわ」
「あぁ、旨いな。リク君、フーを嫁にどうだ、そうすれば毎日君のご飯が食べられる」
「もう、パパやめてよ」
「あらあなた、それはどういうとこかしら?」
少々ママさんの顔が怖いが、パパさんはフラケートに怒られながらもガハハと笑っていた。
日ごろから陽気な人なのだろう。
「なぁ、兄貴、あの依頼は何なんだ?」
そんな中、ソラは思いついたことをリクに質問した。
「住居の確保だ。不動産系統の店には断られるであろうことが容易に予想できるからな」
「だからって冒険者ギルドは不動産屋じゃねえだろ?」
「報酬が住居になっている依頼を纏めてもらっていた」
「なるほどな」
ソラは頷くとハンバーグを一口に口に放り込んだ。
「リク―、依頼手伝ったら私も、……住ませてもらえたりしない?」
控えめながらも図々しいお願いではあるがリクもソラも予想していた発言だった。
「リンカさんなら言うと思った」
「構わないが、女性には少々難しい依頼だぞ?」
「え、重い物運んだりかな?ま、それでも任せてよ」
後々リンカはこの依頼を安請負したことを後悔するのだが。
「では、明日はフラケートにリリス任せて三人で――」
「ま、待ってください。私も行きます」
「フラケートは無理してくる必要は無いと思うが?」
「私も皆さんと一緒に生活してみたいですしそれに、あ、いえ、何でもないです。とにかく明日は付いて行きます!」
「フラケート、ずいぶんと変わったな」
「ひ、否定はしません」
フラケートは頬を赤くしそっぽを向いた。
「明日はリリスも連れて行くか」
「リリスちゃんなら私に任せてくれてもいいのよ?」
「いえ、そこまでお世話になるわけにはいきませんし、貴方が狙われるかもしれない」
リクの言葉にフラケートのママさんはリリスの頭を撫でるが、リクはそれを断った。
この人たちは事情を知った上でふたりを家に泊めてくれているが、いつ何が起こるかわからない今の状況下で戦う力の無いこの人たちにリリスを預けることは出来ない。
この人たちのためにも、リリスの為にもだ。
フラケートにもあまり戦う力は無いが。
「明日、朝全員が起き次第出発する」
「了解」
「わかった」
「了解です」
「はい!」
リクの言葉に全員が頷いた。
そして、次の日の朝。
いつも通り一番遅くまで寝ているソラをリリスが起こし、フラケートのママさんが作ってくれた朝食を食べリンカが合流すると一行は王都の北西へと向かった。
王都の北西の外れの方。城壁近くにその建物はある。
高い外壁と茂った木々で中は見えず、唯一正門から見える建物には猛獣を外に出さないようにとしているかのようにツタが絡まり、陽は差しているはずなのに薄暗かった。
数十年前は貴族でも住んでいたのであろう程の大きさの廃洋館だ。
「ねぇ、ここって……」
「知っているのか?」
「亡霊が出るって噂の」
「そうだ、その噂の場所だ」
「やっぱ私は行かない」
「ついてくれば毎日飯を作ってやるぞ」
「うぐっ……」
すでに逃げかけていたリンカはリクの言葉に足を止める。
そんな様子を見て、兄貴も意地が悪いな、とソラは小さくため息を吐いていた。
「やっぱ行く」
「では行くぞ」
頷くとリクが正門に向かって歩き出し、その後ろに一行が付いて行く形で歩き出すこととなった。
先を行くリクが鉄柵のような門に触れるとその手にツタが絡む。
それをリクは無理やり引きちぎると、門を蹴り飛ばした。
嫌な音が鳴り響き門は吹き飛んでいった。
「リクさんって冷静に見えて実は何も考えてなかったりします?」
フラケートがつぶやくもリクは答えずに、すでに領主の居ない領地に足を踏み入れた。
そのすぐ後にフラケートも続く。
ソラもいわゆるお化けの類は苦手なのだが、先ほどからリンカにしがみ付かれていて怖いなんて感情はどこかに吹き飛んでしまっていた。
それこそ門の様に。
ソラは腕に引っ付くリンカを引っ張って領地に入る。
その瞬間、背筋に嫌なものが走った気がした。
「ひぃっ」
リンカがソラの陰に隠れて立ち止まる。
しかし、リクとフラケートはお構いなしで進んで行ってしまう。
「リンカさん、はぐれる方がフラグ的に危ないんで急ぎましょう」
「もう、無理」
それでも歩こうとしないリンカをソラは半ば引きずるようにしてリクたちを追いかけた。
「兄貴、リンカさん何とかしてくれ」
「役得だろうに」
屋敷に入る玄関口の前でソラとリンカを待っていたリクにソラは苦情を上げるが一蹴されてしまった。
「や、否定はしないがプラスマイナスで考えれば連れまわすのが大変でギリマイナスってとこだ」
「そうか、任せたぞ」
「はぁ、で、今は何やってんだ?」
「見ればわかる」
そう言われ、ソラが玄関ドアの方に目を向けるとそれは木の幹ほどもあるツタで阻まれておりそのままでは入れないようになっていた。
もはや、ツタと呼んでいいのかすらわからない。
しかし、リクはおもむろにそのツタを掴むと無理やりに引きはがし始めた。
フラさんの言う通り兄貴は何も考えてないんだろうな、と何となく思ったそれであった。
ブチブチと音を立てながらツタは引きはがされ後ろに捨てられると朽ち果てるかのように消えていく。
音を聞きながらもソラは何気なく周りを眺める。
下草は伸び放題で落ち葉なんかもほったらかしで道であったのだろう場所もほとんど見えなくなってしまっている。
午前中にもかかわらず薄暗く、ここだけが違う空間のように思える。
そんなことを思いながら何となく上を向いて、ソラは自分でも形容しがたい気持ちを感じた。
「リンカさん、上は向かないで聞いてほしい」
ソラはそれがもうフラグなのだと気づかずにリンカに話しかける。
ソラも相当動揺していたのだろう。
もちろんリンカは、はてなマークを浮かべて上を見上げる。
「え……い、いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁ」
リンカはあまりの恐怖にか一瞬思考が止まるもすぐにこちらに戻ってきてムンクもビックリな叫び声をあげた。
そう、もう察することも出来よう、亡霊である。
しかし、問題なのはその数。
二、三体どころではない。
某シリウスを閉じ込める牢獄かと見まごう程の量、その数ざっと50以上。
そのすべてがリンカの叫び声に反応して一斉に押し寄せた。
「チッ、来い」
まだツタの残る玄関ドアをリクが力を込めて無理やり開けるとフラケートとソラ達を通しそれを慌てて閉めた。
「助かったぜ兄貴」
「お前からリンカに、お前のせいだと言っておけ」
「あ、あぁ、わかった」
その元凶であるリンカはソラに抱きついて失神していた。
ソラは玄関ホールにあるソファのほこりを掃いリンカを座らせると呼吸を落ち着かせて周りを見回した。
もう全体的にほこりだらけでくすんでしまっているが、階段や玄関マットも、かつては煌々と輝いていたであろうシャンデリアも形だけは綺麗に残っている。
「兄貴、依頼内容は?」
「……この屋敷を全て見て回ることだ」
「誰の依頼だ?」
「わからない、記述が無かった」
「冒険者の依頼は依頼者の名前がいるんじゃないのかよ?偽名とかじゃなくて無かったのか?」
「そうだ、あのギルド嬢のナーサリーも言及はしてこなかった」
「怪しくねえか?」
「だから来た」
「リクさんって時々よくわからない行動をしますよね」
「それが私だ」
そんな会話をして待つこと十分ほどだろうか、ようやくリンカが目を覚まし探索を開始することになった。
中は薄暗いが、なぜか周りを見るのに苦労するようなことは無い。
ソラは歩くのには苦労しているが、一行は薄暗くどこか不気味な洋館を歩く。
最初に入った部屋はキッチンだった。
「リクさん、これ業務用の冷蔵庫ですよ。まだ使えるんですかね?」
すぐにフラケートが駆け寄って行った。
リクはその後に続きキッチンに入っていきソラはリンカを連れてそのまま食堂まで抜けていった。
「使ってみないことにはわからないな」
「いっぱい入れられますね、楽しみですね」
フラケートは笑みを浮かべる。
リクもそれに頷いた。
「兄貴、こっちは食堂だ。やっぱり貴族だな、やたら広い」
ソラの言葉にリクとフラケートはキッチンを抜け食堂へと入った。
「三、四十人いても余裕で食べられるだろうな」
「そんな量のご飯、作るのが大変ですけどね」
「こんなところに連れてこられたんだからリクには毎日いっぱい作らせるからね!」
涙目になりながらリンカは訴える。
リクは食堂の机のほこりを掃った。
「五人じゃあ、広すぎるぐらいだ」
「なんだ兄貴、パーティーメンバーでも増やすフラグか?」
「それもいいかもしれないな」
「ソラとリクさんは私たちじゃ足りないですか?」
「そんなことはないよ、フラさん」
「そうだな、不満も無ければ容姿も申し分無い」
「ありがとうございます」
それから一行は食堂を出て風呂場を覗いた。
「銭湯かよ」
脱衣所を見ただけでソラがつぶやくほどの大きさ。
案の定、浴室の方も桁違いの広さを誇っていた。
ここもやはりほこりだらけで掃除が必要だろう。
「この広さでお風呂入ったら気持ちよさそう。ちょっと付いてきてよかったかもって思えちゃった」
そろそろ薄暗いのにも慣れたのかリンカが浴室を見回して感嘆の溜息を吐いた。
それにしても外の亡霊らしき者たちが中では出ないのは不思議だ。
出てこないに越したことは無いが。
「次に行く」
それから、一行は一つ一つ全ての部屋を見て回った。
全体的にやけに広く、どの部屋もほこりまみれなのだけは変わらなかった。
図書室が一番ほこりだらけだった。
リクが気になった本を読み始めてしまい、結局みんなが適当な本を一冊手に取り読みふけってしまった。
書物の持つ魔力は凄まじかった。
ふたりには魔力は見えないが。
そして、一行はついに最後の一部屋を残すのみとなった。
「これで最後だ」
「よし、行くぜ」
「行きましょう」
「えー、やだー、絶対なんか出るじゃん」
若干一名、違うことを考えている者がいるが構わずにリクは最後の部屋のドアノブを捻り中へと入る。
中では一人の女性が一行の事を待っていた。
足は無く、ゆらゆらと浮かんで一向に手招きをする黒いドレスの女性。
肌が露出する部分はほとんど無く、顔さえも黒いベールで隠している。
女性は、全員が入るとイスを魔法で動かしジェスチャーでそこに座ることをすすめた。
「いらっしゃい、私はフユーレ。またの名を、マザー・オブ・シャドー。たいそうな名前よね」
顔は見えないのに笑っているのがわかる様な優しい声でフユーレは喋る。
「母親って雰囲気だぜ」
「ありがとう」
フユーレはソラの頭を撫でた。
「さて、屋敷はどうだった?」
「綺麗で住みやすそうだった」
今度はリクが答える。
「みんなであの大きな食堂でご飯が食べたいと思いました」
「私もそれ思った」
フラケートとリンカも言う。
それにフユーレは無言で頷いていた。
「ここは昔、私の屋敷だったの」
「昔と言うと?」
「数百年も前の話よ」
「それにしては建物が綺麗ですね」
「私が生きている頃に魔法を掛けたの」
フユーレのゆったりとした声は皆を安心させる。
あんなに亡霊を怖がっていたリンカでさえリラックスしてフユーレの会話を聞いている程だ。
「外の亡霊やツタなんかもフユーレさんの魔法?」
「えぇ、屋敷の所有者が居なくなると自動で」
「数百年前に永続魔法が出来上がっていたと言うんですか?」
「あら、勉強熱心ね。これでも私、大魔女なんて呼ばれていたのよ」
「大魔女様、ですか?」
「あら、私は有名人?」
「はい、今の魔法の基礎を作り上げた方と聞いています」
フラケートは目を輝かせて頷く。
そんなフラケートもフユーレは変わらず優しい手つきで頭を撫でた。
「あら、あなたの方だったのね」
「何がですか?」
「いいえ、すぐにわかるわ。フラちゃん」
そう言うと、フユーレは少し高く浮かび上がり手を数回振った。
数秒後、開けられていた窓から外にいたはずの亡霊たちが一斉に中へと入って来た。
ただ、何をするでもなく一行の周りを飛んでいるだけ。
「綺麗」
不意にリンカからそんな言葉が出る。
青や赤、紫に緑、色々な色の火の玉のようなものが円形を描いて飛ぶ姿は綺麗だった。
「さて、屋敷の所有権を譲らないとね」
「そういうことか、それで――」
「いいえ、貴方じゃ駄目よ、リクちゃん」
「何故?」
「マザー・オブ・シャドーは貴方じゃなくてフラちゃんを選んだからよ」
「マザー・オブ・シャドーは貴女では?」
「初代マザー・オブ・シャドーは私」
フユーレは浮かぶ亡霊たちを撫でる。
「次の継承者がフラちゃんなの。魔物が寄ってくるのもこの能力のせい。ごめんなさいね」
「え、じゃあ、」
「そう、お仲間さんが戦いに倒れてしまったのもあなたのせいではないわ。主にわたしのせいね」
そう言って、フユーレは申し訳なさそうに頭を下げた。
「そうだったんですね。いえ、もう大丈夫です」
「……わかったわ。屋敷の所有権の継承に移りましょう。急がなくてもいいけど、この亡霊ちゃんたちと触れ合うだけだから」
フユーレはフラケートに亡霊の一体を手渡す。
フラケートがそれを受け取るとその亡霊は一度強く明滅し、フラケートの体内に消えていった。
その途端に他の亡霊たちもそれに続いてフラケートに触れその中に入り込んでいった。
少しして全部がフラケートの中に納まると、フユーレがフラケートの頭を撫でた。
「お疲れ様、もう終わりよ」
フユーレがそう言うと同時くらいに昼の日の光が窓から差し込んできた。
「そうですね、では、マザー。これからあなたはどうなるのですか?」
リクがフユーレに質問する。
それにフユーレは茶目っ気たっぷりにこう答えた。
「もうマザー・オブ・シャドーじゃないわ。ただの浮遊霊のフユーレよ」
もうウインクの幻覚まで見えるまである。
「なんか今日一で背筋が冷たくなった気がする」
「言ってやるな」
かくして、屋敷を継承した一行。
聞けば、マザー・オブ・シャドーの能力者はこの屋敷に来る運命になっているらしい。
自分の住居を手に入れるために依頼を探していたふたりとしてはまたフラケートの世話になるのはどうかとも思ったが、じゃあパーティーの皆で住んじゃいましょう、というフラケートの言葉に借り一つで頷いた。
住む場所が無ければ困るのはこちらなのだからありがたい話なのだが。
フユーレはこの屋敷の地縛霊みたいなものでここから離れられないし、離れる気もないしということでずっと屋敷の継承者と屋敷を守って来たらしい。
それと、庭に生えていたツタはいつの間にか消えていた。
これもマザー・オブ・シャドーの能力者が屋敷を継承したからということらしい。
結局、屋敷は継承してもまだまだ住める状態ではないためにリクは他を帰らせ二日掛けてフユーレと二人係で魔石やら魔道具やらを駆使して掃除して、整備して、整頓して。
三日目の朝にようやっとみんなが集まり集団生活が始まった。
自部屋の取り合いは主にソラとリンカを中心に白熱した。
二人とも食堂と風呂場に一番近い部屋を希望したために、一部屋が広いのだからもういっそ相部屋にしてしまえばいいのでは、という意見が出てリンカはそれでもいいと言ったもののソラが拒否したために勝負で決めることとなった。
ただ、圧倒的にソラが戦闘力が高いため完全な運勝負にしようということになり、一から百で好きな数を選んでおきその場にいなかったフユーレに事情を説明してフユーレの言った数に近かった方が勝ちという内容になった。
結果、リンカが勝利しリンカとフラケートの相部屋に、その隣がリクとソラとリリスの部屋となった。
リリスがもう少し大きくなったら部屋を与えることになるのだろうが、あいにく部屋はほこりが被るほどある。
しかし、後にフユーレに耳打ちされた事実にリクは深いため息を吐いた。
「この屋敷ってマザー・オブ・シャドーの固有結界みたいなものだからこの中に居る人のことはほとんどわかっちゃうのよ。ソラちゃんには申し訳ないけどフーちゃんに味方しちゃった」
「あ、それと、私リリスちゃんの角見えなくしたりできるんだけどいる?」
「貴方とはもう少し早く会っておきたかった」
フユーレはこんなに黒いドレスを着ながら心の中は真っ白でいたずら好きな女性である。
これから一緒に生活していくのだから慣れなければな。
そして、そのちょうど一週間後の早朝。
ふたりの元に伝足を使って急ぎの手紙が二通届いた。




