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ACROSS  作者: ☆あんパンまん☆
第二章 広がる家
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ep.65 つながるための順番


 山あいの一泊から戻った翌週、優也は仕事の休憩中に、久保田と西村へ先日の話をした。もちろんGRANZの空間が広がったことや、車内に存在しないはずの予備室が増えたことは伏せたままで、山の中で携帯電話が圏外になり、車側の通信が別の経路へ切り替わったこと、雨で道路規制が出たものの、情報を受け取りながら翌朝まで待てたことだけを話した。


 西村は缶コーヒーを片手にしばらく聞いていたが、優也が「やっと通信全部載せた意味分かった気するわ」と締めると、少し笑った。


「意味分かったんはええけど、そこから『ほな全部触ってみよ』に行ったらあかんで。通信機器って、画面にボタン出てるから押したらええってもんでもないし、使える状態と使ってええ状態が別のもんもあるからな」


「それは真琴にも言われてる。俺もさすがに、分からんまま送信とかはせえへんよ。今使ってるんは普通に契約してる回線とか、車側で自動切り替えする範囲だけやし」


「それならええ。大事なんは、機械の数より順番や。普段使うもんが生きてたらそれ使う。あかんかったら次。そこもあかんかったら、さらに別の手段を考える。非常時ほど、最初から一番特殊なもんに飛びつかんほうがええ」


 久保田が横から「お前の車、通信だけで何個載ってんねん」と呆れたように聞くと、優也は少し考えてから、「数え方による」と答えた。


「ほら、その時点でもう普通ちゃうやろ」


「せっかく特注したんやから、後から付けにくいもんは先に入れたかってん。携帯だけやったら山で切れたら終わりやし、衛星系も含めて外とつながる道は何本か欲しかったんよ」


「お前、普段は面倒くさがるくせに、そういうとこだけ急に全盛りするよな」


「自覚ある」


 三人で笑った。


 ただ、西村が言った「順番」という言葉は、優也の頭に残った。山の中で通信が生きていたことに感動していたが、考えてみれば、あのとき優也自身が何か高度な操作をしたわけではない。普段使っている経路が弱くなり、GRANZ側が別の経路へ切り替わり、そのおかげで情報を失わずに済んだ。それだけで十分役に立っていた。


 なら、自分が覚えるべきなのも、特殊な操作を片っ端から試すことではなく、何がどの順番で使えて、どこから先は資格や専門知識が必要になるのかを知ることなのかもしれない。


          ◇


 その日の仕事が終わったあと、優也は珍しくそのまま帰らず、西村と近くの喫茶店へ入った。話を聞くだけなら休憩中でもできるが、現場の合間ではどうしても時間が短い。西村も「一時間くらいなら付き合ったる」と言ってくれたため、優也はスマートフォンに入れていたGRANZの通信設備の大まかな一覧を見せた。


 当然ながら、車両そのものの細かい図面やメーカー資料を全部見せるつもりはない。優也が自分用にまとめた、携帯回線、衛星経由の通信、車内ネットワーク、将来増設できる無線設備といった大まかな分類だけだった。


「これな、まず『インターネットにつながる』と『無線で直接やり取りする』を頭ん中で別にしといたほうがええ」


 西村は画面を指しながら、専門用語を並べるのではなく、優也にも分かる言い方で説明した。


「山でスマホ圏外でも、別の携帯回線拾えるかもしれんし、衛星経由でネットにつながるなら地図も天気も連絡もできる。そこまでは、今のお前が旅行で使う範囲としてかなり実用的や。けど、無線機を使って直接誰かと通話する話になったら、機器の種類や運用の仕方で条件が変わる。せやから『積んでる=何でも使える』と思わんことやな」


「そこは分かってきた。俺が今勉強してる資格も、そのへん理解するためって感じでええんかな」


「資格取ったら急に通信の達人になるわけちゃうけど、最低限の仕組みとルールは頭に入る。お前みたいに実物の設備が先にあるなら、勉強の意味は感じやすいやろ」


 優也は頷いた。以前は問題集の文字を追っていても、「これいつ使うんやろ」と思うことが多かった。しかし、実際に山で携帯が圏外になり、それでも車内の地図や道路情報が生きていた経験をしてからは、通信経路を分けて考える意味が少し分かるようになっている。


「俺さ、最初はほんま『圏外嫌やから全部載せとこ』くらいやってん。災害救助車作ろうとか、そんな大げさな考え全然なかった」


「それでええんちゃうか。後から役に立つなら結果オーライやし、最初から何でも非常時前提で考えたら疲れるで。普段の旅行で便利で、もしものときにも使える。そのくらいが一番長く使うやろ」


「そう言われると気楽やな」


「ただし、使い方は覚えろ。高い機械積んで『これ何のランプ?』は一番あかん」


「それは耳痛いわ」


 優也は笑いながらも、素直にメモを取った。


          ◇


 週末、優也は真琴と屋内車庫へ入り、通信設備を「触る」のではなく「整理する」ことから始めた。前回の山旅までは、メーカー側で設定された状態をそのまま使っており、普段はどの経路につながっているかを深く意識していなかったが、今回は画面を見ながら、通常時に何が優先され、どの経路が失われたときに別の経路へ移るのかを確認していく。


「こうして見ると、思ってたより自動なんですね」


 真琴が表示を見ながら言った。


「俺もそう思った。もっと自分で『次これ』って切り替えるもんやと思ってたけど、普段使いの範囲はほぼ自動でええみたい。前の山も、俺が何もせんでも勝手に別の経路へ行ってたし」


「そのほうが運転中は安全ですね。通信が切れるたびに優也さんが画面を触るほうが危ないです」


「確かにな。運転してる最中は、通信より前見ろって話やし」


 優也は設定を変えず、画面の表示だけを確認した。どの回線が使われているか、通信が弱くなったときに何が起きるか、外部接続が完全に失われた場合に何ができなくなるのか。いざというときに覚えていられるよう、細かい技術資料ではなく、自分が行動するときの順番として簡単にまとめていった。


「一番最初は、普通の接続が生きてるか確認。次に車側の別経路。そこまでで情報取れるなら、無理に他触らん。完全に切れても、まず安全な場所へ停める。通信の確認はそのあと」


「いいと思います。運転中に『圏外になった』だけで慌てないことも大事ですね」


「前の俺やったら、スマホ見て『あ、圏外』ってちょっと気にしてたけど、今は車側見たらええって分かったしな」


「それに、通信できないこと自体が直ちに危険とは限りません。安全に停まれていて、食料も水もあるなら、待つ選択もできます」


「前の雨でそれ分かったわ。つながる装備も大事やけど、つながらんでも焦らんで済む車やってことも大きいな」


 真琴はその言葉に頷いた。


          ◇


 二人はその日、通信設備だけで終わらせず、GRANZの中で「外とつながる手段」と「つながらなくても困りにくくするもの」を分けて考えてみた。


 通信経路が複数あることは前者で、電源、水、食料、寝る場所、予備室などは後者になる。優也は最初、「通信の話してるのに急に水とか寝床まで入るん?」と思ったが、前回の山旅を振り返れば、道路規制が出ても焦らず朝まで待てたのは、通信で情報を得られたからだけではない。車内に留まっていても生活できたからこそ、無理に移動せずに済んだ。


「結局、通信だけ強くても、車の中で待たれへんかったら『情報は分かった、でも帰らなあかん』ってなるもんな」


「はい。逆に、生活設備だけあっても外の状況が分からなければ不安です。両方あるから余裕ができるんだと思います」


「なんか、GRANZの装備って別々に選んだつもりやったけど、使い始めるとつながってくるな」


「最初から全部そこまで考えてました?」


「全然。水多めがええ、電源多めがええ、通信も切れたくない、寝る場所も快適にしたいって、欲しいもん全部載せただけ」


「やっぱり全盛りじゃないですか」


「結果的にな」


 優也は笑った。


 その「結果的に」が、今は少し面白かった。最初は趣味と心配性の延長で増やした装備が、実際に使い始めると互いに意味を持ち始めている。そこへ空間拡張まで加わり、荷物を逃がせる予備室もできた。何か一つが万能なのではなく、小さな余裕が重なってGRANZ全体の安心感を作っているように思えた。


          ◇


 昼を過ぎたころ、西村からメッセージが届いた。


『昨日話したやつ、覚えるなら機械の名前より「何が死んだら次どうするか」でまとめとけ。あと運転中は触るな』


 最後の一文を見て、優也は思わず笑った。


「真琴と同じこと言われた」


「見せてください」


 画面を見た真琴も笑う。


「二人から同じことを言われるなら、相当重要なんじゃないですか?」


「俺、そんな運転中触りそうに見える?」


「面白い表示が出たら見たくなる人には見えます」


「否定しにくいわ」


 優也は自分用のメモの一番上へ、『運転中は操作しない』と追加した。


 次に、『安全な場所へ停車』『通常経路を確認』『代替経路を確認』『必要な情報だけ取る』『分からない機器は触らない』と並べる。専門家が見れば大ざっぱすぎる内容かもしれないが、優也が実際に使うときは、このくらい単純なほうがいい。


「これ、運転席の近くに貼っとく?」


 真琴が聞くと、優也は少し考えた。


「常に見えるとこに紙貼るのは格好悪いから、車内のマニュアルに一枚入れとく。あとスマホにも保存しとくわ」


「格好を気にするところなんですね」


「そこは大事やろ。二億の車に手書きメモぺたぺた貼るの嫌や」


「内容より見た目なんですね」


「内容も大事やって」


 二人で笑いながら、簡単な手順書をまとめた。


          ◇


 午後、真琴が予備室へ荷物を移している間に、優也は通信区画の前へ立ち、しばらく機器を眺めた。昔なら「高そう」「格好いい」「全部付いてる」で満足していたかもしれない。しかし今は、それぞれがどんな役割を持ち、自分はどこまで理解しておくべきなのかを考えるようになっている。


 その変化を、自分でも悪くないと思った。


「何見てるんです?」


 後ろから真琴に声を掛けられ、優也は振り返った。


「いや、前はここ見ても『いっぱい付いてるな』で終わってたなと思って。今は、使う順番くらいは考えられるようになったやろ?」


「かなり進歩したと思います。少なくとも、全部同時に試そうとはしなくなりましたし」


「評価基準低ない?」


「最初が最初でしたから」


「ひどいなあ」


 言いながら、優也自身も笑っていた。


          ◇


 その週の後半、仕事中にも通信の話が少し現実味を持つ場面があった。工事現場では、誘導員同士が合図を合わせるために無線を使うことがあるが、優也は今まで「聞こえたら返す」「決められた言葉で伝える」くらいの感覚で使っていた。ところが、勉強を始めてからは、なぜ余計な言葉を減らすのか、聞き間違いを避けるために復唱する意味、相手へ届いている前提で勝手に進めない理由などが、以前よりはっきり見えるようになっていた。


 休憩中、西村が「最近ちょっと返し方マシになったな」と言うと、優也は笑った。


「前まで悪かったみたいに言うなや」


「悪いというより、普通やった。今は一回で必要なこと返すようになった。無線は長く喋ったら上手いんちゃうからな」


「それ、勉強して分かったわ。必要なことだけ確実に、って感じやな」


「そうそう。非常時でも普段でも、相手に届かな意味ないし、届いたか分からんまま進めたらもっと危ない。機械より先にそこ覚えたほうがええ」


 西村の言葉は、GRANZの設備について考えていたことともつながっていた。


 通信手段を増やすこと自体が目的ではない。


 必要な情報や言葉を、必要な相手へ届けるために手段がある。


 それが携帯回線でも、衛星経由でも、無線でも、本質は変わらないのかもしれない。


          ◇


 週末の夜、優也は自宅で問題集を開いた。以前なら数ページ進むと眠くなり、意味の分からない言葉が続けばそのまま閉じていたが、今は少しずつ現実の場面へ置き換えて考えられるようになっている。


 全部覚えようとはしないし、一日で理解しようともしない。西村に言われたように、分からないところへ印を付け、次に聞けばいい。資格試験へ向けた勉強ではあるが、それ以上に、自分がGRANZへ積んだ装備を「ただ付いている物」のままにしないための時間になっていた。


 途中で真琴からメッセージが届いた。


『今日は何問やりました?』


 優也は問題集のページを写真に撮り、『七問。五問ノルマ超えた』と返した。


 すぐに、『えらいです。ただし明日十四問に増やさないでください。続かなくなるので』と返ってくる。


「分かってるって」


 誰もいない部屋で呟きながら、優也は笑った。


          ◇


 数日後、二人は次の小旅行へ向けて車庫で準備をしていた。今回は山奥ではなく、海側の比較的開けた場所へ行く予定で、通信設備が活躍するような場面はおそらくない。優也もそれで構わないと思っていた。


 装備は、使うために旅へ出るものではない。必要になったときに働けばいい。予備室も同じで、荷物が少なければ空いたままでいいし、誰かが泊まらなければ寝床にする必要もない。余っていることを無駄だと思わなくなったことは、GRANZとの付き合い方が少し変わった証拠でもあった。


 真琴が冷蔵庫へ飲み物を入れながら、「今回は通信、普通に携帯だけで終わるかもしれませんね」と言うと、優也は頷いた。


「それが一番ええやろ。衛星も予備も全部暇しててくれたら平和ってことやし。前は高い金出したんやから使いたいって思ってたけど、今は必要ないなら出番なくてええわ」


「ずいぶん大人になりましたね」


「四十五過ぎてから言われると微妙やな」


「年齢の話じゃないです」


「分かってるけど」


 二人は笑いながら荷物を収めた。



          ◇


 出発前の確認を終えたあと、真琴は運転席脇のモニターを見ながら、「せっかく手順をまとめたなら、一回だけ頭の中でやってみませんか」と言った。実際に回線を切ったり機器を止めたりするのではなく、表示がこうなったら次に何をするかを、優也自身の言葉で確認しておこうという話だった。


「じゃあ、走ってる最中にスマホが圏外になりました。でもナビと道路情報は普通に動いてます。どうします?」


「何もせん。まず運転。車側が別の経路でつながってるなら、そのまま走る。気になるなら安全に停められるとこまで行ってから確認」


「じゃあ、地図の更新も止まりました。車側の表示でも外部接続が落ちてます」


「その時点で、今いる道が安全に走れてるなら慌てて画面触らん。先に停める場所探す。停めてから通常の経路と代替側の状態見る。それでも分からんかったら、知らん機器まで順番に触るんやなくて、今ある情報でどうするか考える」


「急いで帰らないといけない予定がなければ?」


「待つ。これが前の雨で一番分かった。通信ないから即移動、にはせえへん」


 真琴は満足そうに頷いたが、そこで終わらず、「じゃあ、ご両親から連絡が来る予定だったら?」と続けた。


「つながる手段が残ってたら、今どこにいてどういう状態かだけ伝える。長々説明せんでも、『安全な場所に停まってる』『今日は無理に動かん』『帰る道は確認する』くらいでええやろ。前の母ちゃんへの返事みたいに」


「十分だと思います。では最後。よく分からない無線機に、それっぽい送信ボタンがあります」


「押さへん」


「即答ですね」


「そこだけは二人から散々言われたからな。資格とか運用とか分からん状態で、面白そうやから押すはもうせえへんって」


「『もう』という言い方に少し不安がありますけど、まあ合格です」


 真琴が笑い、優也も肩をすくめた。やっていることは子どもの口頭試験のようにも見えるが、自分で順番を言葉にすると、頭の中がかなり整理された。以前の優也なら、何かが切れた瞬間に「代わりの機械はどれだ」と装備の側から考えていただろう。しかし今は、まず車を安全に止めること、今ある接続が本当に必要か考えること、待てるなら待つこと、そのあとで必要な経路だけ確認するという順番になっている。


「なんかさ、通信の勉強してるのに、結局一番大事なん『慌てんこと』みたいになってへん?」


「たぶんそれでいいんだと思います。設備が多いほど、全部使おうとしない判断も必要でしょうし」


「二億の車買って、最後に覚えるんが『とりあえず落ち着け』か」


「かなり高い授業料ですね」


「言うなや」


 二人で笑ったあと、優也は通信画面を通常表示へ戻した。何一つ実際の回線を切らず、設定も変えていない。それでも、装備を理解するというのは、必ずしも全部動かして試すことではないのだと少し分かった気がした。


 その日の海側への一泊では、予想どおり通信設備の出番はほとんどなかった。携帯電話は最初から最後まで普通につながり、天気も穏やかで、道路情報を特別に確認する必要もない。優也は一度だけ車内モニターを見て、すべて普段どおり動いているのを確かめると、それ以上は触らなかった。


「今日はほんまに暇やったな、通信」


「それが一番いいって、この前自分で言ってたでしょう」


「せやった。出番なしで満点やな」


 そのまま二人は海を見ながら食事をし、温泉へ入り、予備室には買った物とバッグだけを入れて、いつもどおりの夜を過ごした。特別なことが何も起きない一泊だったが、優也にはそれがむしろ心地よかった。通信も空間拡張も、使うために旅をするのではなく、旅を続けるために必要なときだけ働けばいい。その距離感が、ようやく自分の中で落ち着き始めていた。


          ◇


 その日の最後に、優也は車内のノートへ通信関係のページを一つ作った。細かい機器名や設定値を並べるのではなく、自分が実際に動くときの考え方だけを書く。


『通信が弱い・切れたとき』

『まず運転を優先。必要なら安全な場所へ停車』

『普段の経路が生きているか確認』

『車側の代替経路を確認』

『情報が取れているなら、不要な操作を増やさない』

『分からない無線設備は触らない』

『急いで移動する必要がなければ待つ』

『連絡できるなら、必要な相手へ状況を伝える』


 書き終えてから、優也は少し眺めた。以前なら「高性能な通信設備」と一言で済ませていたものが、今は自分の行動へ置き換わっている。どれだけ高価な機械でも、使う人間が慌てて順番を飛ばせば意味がないし、逆に普段使う範囲を理解しているだけでも、山の中で圏外になった程度なら落ち着いて対処できる。


 優也は、そのページの下へもう一行だけ書き加えた。


『つながることより、つながらないときに慌てないこと』


 それは通信設備の話でありながら、GRANZ全体にも言えることだった。電気が一系統止まっても別の余裕があり、水がすぐ補給できなくても持たせられ、道路が止まれば寝て待つことができる。何か一つが失われた瞬間に全部が止まらないよう、最初から余裕を重ねてきた結果が今の車なのだと思うと、自分の「全盛り」も少しだけ格好よく見えた。


 もちろん、真琴に言えば「そこで調子に乗らないでください」と返されるだろう。そう思って笑いながらノートを閉じると、優也は照明を落とし、屋内車庫の扉を閉めた。GRANZの通信機器は、その夜も何も主張せず、必要になるまで静かに待っていた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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