なぜ社内恋愛はしてはいけないのか
前回まゆみはなぜ恋愛はイケメンとか美女だけなのかを考えた今回は社内恋愛について考える
お昼が終わり、いつも通りパソコンとにらめっこ。
「あー……ここ、やっぱりわからない……」
私はパソコンが本当に苦手だ。もういっそのこと、パソコン教室にでも通おうか悩み始めていた。
そんな時、隣で作業していた竹内くんが声をかけてくれた。
「先輩、そこはこうして……こうすると直りますよ」
竹内くんは私のパソコンをササッと操作し、手際よく教えてくれた。
「サンキュー、竹内くん! パソコン得意なの?」
質問すると、竹内くんは少し恥ずかしそうに目を細めた。
「昔は僕もめちゃくちゃ苦手だったんです。でも、高校の時の先輩が編集ソフトとか色々親切に教えてくれて……それで今に至る感じですね」
「へー! いい先輩だったんだね」
「はい!」
嬉しそうに返事をする竹内くんを見て、私も気持ちを切り替える。
「さ、仕事仕事!」
それからは黙々と作業をこなし、気づけば外は夕焼け色に染まっていた。定時の時間だ。
「あー、やっと終わったーっ!」
椅子に深く腰掛け、両手を上げて背伸びをする。
「あの……先輩」
隣から竹内くんが小さく話しかけてきた。
「仕事終わりにすみません……実は、休憩室で少しお話ししたいことがあって」
「ん? 悩みかなにか? 了解、片付けたらすぐ行くね」
「すみません、お願いします!」
竹内くんは深々と頭を下げると、先に休憩室へと向かった。
(なんだろ……タヌキ社長に疲れちゃったのかな。まあ、新入社員だしあり得るか)
そんなことを考えながら、カバンを整えて休憩室へ向かう。
うちの会社の休憩室は、お茶とお菓子が置いてあって喫煙もOKなシンプルなスペースだ。
長椅子にぽつんと座っていた竹内くんが、私に気づいて立ち上がる。
「竹内くん、お待たせー」
「すみません先輩、疲れてるのに……」
「いいのいいの。それで、話って?」
竹内くんは一転して真剣な表情になり、意を決したように切り出した。
「先輩……社内恋愛って、やっぱりダメなんですかね?」
「社内恋愛? どうした急に」
竹内くんは、前にいた会社での出来事をぽつりぽつりと話し始めた。
「前の会社、社内恋愛が厳禁だったんです。発覚したら即クビ、みたいな……」
「へえ、なんでまた? 会社の風紀が乱れるからとか?」
「そうです……。で、僕、その会社に好きな人がいたんです。相手も僕のことを好きでいてくれて。でも社長にバレてブチギレられて、僕だけクビになりました」
「えっ、それはひどいな……。ちなみに、今でもその子のこと好きなの?」
竹内くんは寂しそうに視線を落とした。
「……いえ。風の噂で、彼女は別のイケメンと付き合って結婚したって聞きました。僕よりずっと年収もいい人らしくて……」
(なるほどね……)
女の言う「好き」には、本物の愛もあれば、もっといい男が現れるまでのつなぎの言葉もあるんだな……と心の中で思う。
ショックを隠せない竹内くんの背中を、私はポンと強く叩いた。
「竹内くん、あんたはまだ若いんだから! そんな過去に引きずられてたら勿体ないぞ。私も人のこと強くは言えないけどさ、過ぎたことを引きずっても良いことなんて一つもないのは分かる。だから——次の新しい社内恋愛、探していきな! 今度は絶対バレないようにね(笑)」
竹内くんはハッとした顔をして、胸を張った。
「……はい! 先輩、遅くまでありがとうございました。お先に失礼します!」
竹内くんはしっかりとカバンを抱え、前を向いて帰っていった。
「さて……私も帰りますか」
私の名前は、まゆみ。
誰もいなくなったオフィスを出て一人暮らしの家へと向かう私の足取りは、なぜか嬉しそうに軽やかなスキップを踏んでいた。
こんちゃー渡り鳥です久しぶりに書きましたいやー文章考えるのは大変ですねまた気が向いたら書きたいと思いますうふふ 追記申し訳ございませんラストのとこで主人公は休憩室にいるはずなのに何故か机の上の物を片付けたと書いてあります修正いたしました申し訳ございません




