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世界保護鉄

 どんどん炎を喰いながら、ヨシカズくんの魂に向かっていく。

 真・ビリオンバードは身もだえながら、何とか空に羽ばたこうとしているが、ボクのスピードの方が断然速い。


「ヨシカズくん!! しっかりしろ!!」


 まだ意識はあるはずだ。メタルシルバーの魂に必死で呼びかける。

 少しずつ炎が人型を取り戻してきた。


「そうだ!! 頑張れ、ヨシカズくん!!」


 火を呑み込みながらなので、少々滑舌は悪いが、必死で励ます。


「……」


 良かった――。ヨシカズくんの顔が現れた。


「わああああああああああああ!!!!」


 出会ってから初めて見る恐怖の表情で、ヨシカズくんが叫んだ。


 ……わかる。ボクのビジュアルだろう。

 化け物サイズのヒクイドリが顔面すれすれに現れたら、誰だって驚く。

 それにしても、ちょっとショック。


「ボクだよ。『トモくんさん』だよ」


 やっとヨシカズくんが冷静さを取り戻した。


「……」


 すぐに返事をしてくれない。顔がこわばっている。


「ど、どうしたんですか。それが本来の姿ということですか」


 異能の彼をもってしても、ボクはそんなに恐ろしいのか。


「安心してよ、キミを喰ったりはしないよ」


 そう言ってボクはくるりと身体を回転させて見せた。


「うわああああああああああああ」


 ヨシカズくんの叫び声が再度聞こえた。ボクも再ショックだが、もう気にしないようにしよう。


 醜い凶器のような足の爪で、彼の身体を獲物を捕らえるように掴んだ。


「危ないよ、ちょっとじっとしていて!」


 完全にボクに襲われていると勘違いしているヨシカズくんが、逃れようと身体を激しくくねらせている。


「キミを安全な場所に降ろしてあげたいけど、その時間はない。このまま鉄の蝶の群れに突っ込むから、キミは邪魔をしないで!」


「鉄の蝶??」


 まだ混乱の中にいるヨシカズくんを連れ、そのままオリーブグリーンに燃えるビリオンバードの身体を突き破った。


 どうせ死にゃあしないだろ。なんだか鳥の断末魔みたいな声を上げてるけど、まあ、いいや。

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