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異能の最期
「銀色に燃えてる――きれいだ。太陽なんかより、ずっと……」
やっと大人しくなったヨシカズくんの、恍惚とした声がした。
「そうだろ? あれが異能の本当の姿だ」
ボクは今、夜空にミリオンバンブーを覆うほどの集団で舞う、不死蝶に向かって飛んでいる。
「あれが、異能……。じゃあ俺も――」
「そう、キミも銀金の美しさを持っている」
きっぱりと言い切った。
「トモくんさん……彼らをどうするんですか?」
もう覚悟は決まっていた。
「ボクが異能の王になる」
「は??」
そりゃ意味不明だよな。
「ボクはあの不死鳥の群れを取り込んで、異能をすべて引き受ける。キミはただ、そこで見ていて」
どんどん遠くなる島に、やっくんの姿を探した。
いる――。ボクの大好きなやっくんが、悲しい顔でボクを見ている。
人間じゃなくて良かった。彼らの視力じゃ、やっくんをここから見つけることなんてできなかった。
ああ、最後にボクのわがままを聞いてくれるなら――ううん、ボクの願いを聞いてくれるなら。
微笑んで。
やっくん、お願い。
その時、やっくんが笑った――。
無邪気で、無垢で、この世のすべての優しさを込めた笑みを、醜いボクに向けた。




