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回遊
そのままミリオンバンブーの方へ走った。もう、その姿は巨大な鳥になっている。オリーブグリーンの燃える鳥。やつの本来の姿だ。
林の中に飛び込んだボクは、炎を掻き分けヨシカズくんを探した。彼は能力をひた隠して静かに過ごしていた、心優しい青年だ。
巻き込むわけにはいかない。
「おい、お前、卑怯だぞ! 一人で戦えよ!」
見つけた! その時、炎の中にヨシカズくんの魂が見えた。
オリーブグリーンの中、蝶と同じ、異能特有の金色に輝いている。
「返せ! この馬鹿鳥!」
ほんの少しだけ、変態のスピードが緩んだ。蠢く炎の動きが遅くなったというか。
「なんて事をいうんだ。同じ鳥だろう」
呆れたように、ビリオンバードが溜息をついた。
「うるさい! お前のドジのせいでこうなってんだ! お前なんかどっか行っちゃえ!」
「また、子どもっぽいことを……。さあ、不死蝶に向かって飛ぶぞ。お前もついて来い。そして、見届けるんだ。異能の最期を」
「嫌だ!!!」
もう本当に駄々っ子になった気分だ。でも、もうどうでもいい。
ボクも、この姿ではだめだ――。
そう思った時には、鳥になっていた。




