“置き去り”は、“気”に『喰わ』無い。
「さっきから“ずっと”言ってるだろ…………ッ、!」
「ん?」
× × × ーーーーーーーーーーーーーーーー
「………………何だよ? “坊や”、此方に“何”か、用か? なあ? カーズィ………そういえば彼奴等、誰? “弱い”けど?」
「! なっ!」
「ちょっ、敦!」
「ッゥーーーーーーーーッ、なんだとおッ! てめえッ!」
「うわ! ちょっ、おい!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
“ルーバット・ザッシュ”は、我慢の限界だった。“此の事態”に。××××××そして駆けた。
今程此の“部屋”に、突然現れた、訳の分からない“男”のひとりに。其れは“美津原 敦之”だった。
周囲の静止は聴かなかった。嫌、聴いても止まらなかったのだ。そして、
敦之は動かずに、迎え入れた。一歩も動く事は、無かった。
恐らく、
何故“敦之”だったのか?は。
“位置”的にそう成った“だけ”で在り、偶然というよりは寧ろ必然だったのであろう。“敦之にしてみれ”ば。
呆気無かった。“止まらな”かったと、呼ぶよりは、“止まる”『時間』も、『持たなかった』
それだけだったのかも、知れない。つまりあっさり『やられた』のだ。『瞬殺』位に。
“射程距離”迄届いた“ルーバット・ザッシュ”は、敦之へ攻撃出来なかった。何故なら。ルーバットに感じれぬ速さで、敦之へ向かい出した“剣”持つ利腕を、掴まれた。先ず其れが最初だ。次に敦之はそのまま“彼”を引き寄せた。自分の“呼吸”以外の“呼吸”で『行動させられた』ルーバット・ザッシュは、思考が回路に伝達するよりも前に、敦之に『抱き寄せられた』様な、形に成る。そして、
己の身体が“敦之”にぶつかると、自分が自分のタイミングで“動いていない”事を、知る。其処で初めてだ。思考が漸く回路に到達する頃には、戸惑いや反撃や回避等とは未だ未だ縁遠き内に、又、“痛み”をそう理解するよりも“前”に、握った剣は何故か“落とす”し、鍛えた身体はあっさりと。意志・思考無きマリオネットの如く、両の“手首”を、握られて。“無様”だった。“押さえ付け”られて在た“訳”だ。“操り人形”の様に。
“操者”を失くすと途端“全て”失う位の“不自由さ”で、ルーバット・ザッシュはただ、“其の場”の『磔』だった。“敦之”と云う“枷”にて、だ。何よりルーバットは“其れ”が、納得いかなかった。けれど、無力にも枷を外す“鍵”は、持ち合わせていなかったのだ。
引く事も推す事も無くした“存在”は、“存在の迷子”だった。けれど相手は、彷徨い処すら、与えてはくれなかった。事態に思考が追い付く足掻きを見せた“頃”、愉しそうにも“抱き締め”られた。“冷たい感覚”に。熱を奪う“其れ”は“言った”のだ。“耳元”で。酷く熱を奪う其の“言葉”を。囁かれた。血の巡りが遥か遠く逃げ出した頃に、満足した“死神”に、其の“背”をニ、三度、叩かれた。油の切れた錆びた人形は、もう冷汗すら、とうに奪われ無くしたのだと、気が付いた。
“死神”離れた頃には、自分は人間だったのだと、忘れた“様”だった。動けなかったのだ。“視線”の“前”に。“動く必要”すら、忘れた様だった。“恐怖”の“美しい顔”ばかり、眺めて在た。呼吸を忘れた彼は、ぐらりと揺れた。そして倒れた。“膝を着いた”のだ。“美しい死神”の、“前”だった。
“殺される”ーーーーーーーーそう思った。
そして、
恐怖から来る“混乱”で、喚き散らした。“言葉に為らない声”だった。
「ーーーーッ、落ち着けッ! ちっ、ルーバットッ!」
「………………敦之、煩いよ? 此れ。どうにかしな。」
「あ〜やり過ぎちゃったか。はい、はい。よっと。」
「敦君、“若人”、虐めんな〜」
「“苛め”て無えーよ。人聞きの、悪い。おい、“坊や”。ほら、」
そう言った“敦之”は、ルーバット・ザッシュの“頬”を、一、二度、ぺちぺちと、叩いたのだった。“にやにや”と。×××××××××××××××ד悪魔の悪戯”の様だった。
「うっく、ひっく、っ、ぅっ、さわん…………な…………ぅく、」
「あ〜はい、はい。あのな? 先ずな? “他人様”に“刃先”向けんな。怪我したら如何する?」
「ひっく、ひっ、っ、ぐっ」
「聞いてんのか? おい? 寝ちゃった? お〜い、返事は?」
「うわ、うわあ、っ、ぐッ!!」
「……………………。はあ。“和希・君”、交代。」
「………………。何で敦之が泣かせた“お子ちゃま”のアフターフォローが、俺やねん。“焼肉”奢れ。」
「“奢”る。」
「!」
「よしっ、任された。なあ? 君、大丈夫? 名前“言える”か?」
「………………………………………………………ッ、ゥッ、あ………………、ああ……………“ザッ”、ザッシュ。だ。……………ッぐぅ、」
「あ、緊張し過ぎて、気分悪くなっちゃった? んじゃ、息吐こう〜はい、吐いて〜吸う〜と。どう?」
「………………………………………………………………………………っ、うっ! ………………。大丈夫…………、だ。」
「あ〜はい、“大丈夫”だね。よしっ、あ、俺“Kazu-ki” ー “Hasi-moto.”ね。Ok? カーズィ“君”の、知り合いです。“ザッシュ君”も、だろ?
此方ばかりで会話してたみたいで、ごめんね? カーズィ君の“婚礼”の御祝いに来てくれたんだよね?
どうもありがとう。俺達は普段“遠い処”に住んでるから、あんまり此方に“来れない”んだ。
だから、良かったら此れからもどうか、カーズィ“君”達を、宜しくね? 仲良くしてくれたら、“嬉しい”です。 ほら、あれだ。カーズィ君“独りで無茶する子”だから。“優秀”が故に。
“親”とか“居ない子”だから、“甘え方”、“頼り方”学ばなかったみたい。だから“宜しく”ね?
此の後“カーズィ”君は、“地元”戻るんだけど、君達は“どう”する? 俺達は“ダンジョン”行くけど? あ、ーーーーそうか。君等“あれ”か。 “ザクロネス”君のーーーーえっと。ああ、君が“妹”さん?
“シュガー”さん? ごめん、忘れてた! ザクロネス君から、伝言! カーズィに聞いた?」
「やばい、俺も忘れてた。ごめん、シュガー。」
「えっ! あっ、いや……………っ」
「あ〜うん、ごめんね? カーズィ“君”に、悪気は、無い。本当ごめん。あのさ…………」
「あっ、はいっ!」
「“心配かけて、悪かった”って。“毒抜き”したから、さ? もう“大丈夫”だよ。 ゆっくり休んだら、失った体力も回復する。そうだ、心配だよね? “送ろう”か? “宿”迄。 “シュガーちゃん”だけでも?」
「え?」
「…………っ、は?」
「あ、そか。駄目か。ごめん、シュガー“さん”。こんな若い女の子と二人きりに成ったら、言い逃れ出来んレベルの“完全犯罪者”に、成ってしまう………………“セクハラ言って”、ごめん。忘れて?」
「……………、は?」
「え? いやあの…………」
「………………………………………」
「危ねー。絵理撫“ちゃん”……………。ごめん今の“やばかった”わ…………。“失態”だわ。“アウト”だよね? ふう。やべー。“若い子”、コワい。」
“和希”は、茫然とする皆を他所に、妻へと言って、こう言われた。
「和希、さま? “御相手”の“御嬢様”が例え望まれましても、いけませんよ? “私”が、嫌ですから。他の方と二人きりに等、為らないで下さいませ? 御願い出来ますか?」
「あ、はい。“承知”致しました。」と、和希は平伏した。“妻”へ。“手の甲”へ、忠誠を誓って。
“敬意”を表す、“Kiss”の“振り”だ。そして、“滝”が、言った。“あ、ああやって使うんだ?”と。
カーズィは何故か、両手で顔を覆って伏せて在た。そして言った。“和希”と。
「ん? 何? カーズィ君? どした?」
「後で良い……………“其れ”の“やり方”を、“伝授”お願いします。」
「え、……………何で? “使う”機会有る??」
和希が引き気味でそう言うと、カーズィはそのまま“天を仰ぐ”様に、答えた。“ユリシアに”
「“ユリシアに”是非、“やりたい”と。」
“ユリシア”の方は、驚きで戸惑って、在たが。和希は完全引き攣りながら、答えた。“…………、やるんだ。”と。××××××××××××
× × ×
「え〜、カーズィ“君”が、“落ち”付けてくれた“処”で…………」
「“付けて”無い。“つもり”無い。………和希?」
「改めまして、」
「…………、和希?」
「ザッシュ君、もう“大丈夫”?」
「………………陸、敦之? 和希が相手してくれ無いんだが??」
「あ? いつもだけど?」
「本当…………? 敦之“サン”?」
「“本当”だけど?」
「黙って、ふたり。」
「!」
「あ、はい。ごめん陸君。」
“陸”に睨まれた敦之は、そう言った。カーズィが陸に気押されて在た、その横で。
「えっと……………」
「うん、大丈夫なら、良いんだけど、さ? 気を付けなよ? “敦之”が“短気”なら、今頃死んでたぜ? 殺気も“刃物”も、無闇に人に、向けたりしない。“力”で解決出来る事なんて、さ?
案外“少ない”んだぞ? “力が無いと解決出来ない事”も、確かに在るんだ“けど”さ?
な?
“無茶”しないの、な? “無謀”と“果敢”は違うんだぜ? “策士”過ぎるのも、些か“あれ”だけど、さ? 君の“命”って、一個しか“無い”のね? で、同じく。“他の生きて在るもの”も、“同一”なんだよ。
“刺せ”ば、“死ぬ”んだ。理解るだろ? 相手殺して“出る”『答え』なんて、ーーーー『少ない』ぞ?
君に『それ』を『求める』覚悟は、ある? あるなら、俺は何も云わないけどね。後は自分で考えて?
“人間”てさ? “考える”『事』が『出来る』生物、なんだ。行動も大事だけれど、考える『事』も、大事だよ。『時』と『場合』だ。ねえ? 『先刻』は、何方だったと、ザッシュ君は、思う?
『行動』を『どんな』“行動”に、するか、『考える』“時間”が、必要だったかな?
『誰か』の為じゃ、無い、よ? 『自分』の“為”だ。 ーーーー“俺”はね、
そう“思う”んだ。 如何だろう? ザッシュ君。 君の先刻の行動は、ーーーーーー
『正解』だったーーーーのかな? 」
「ッ、ッーーーーーーーーぐッ! 」
「あ、そーだ。」
「…………え?」
「敦の奴が、“言い方”悪くて、ごめんな? “友人”として、“謝る”よ。不快にさせて、ごめんね?ザッシュ君。ーーーー」
「あ……………………」
頭を下げた“カズキ”に、“ザッシュ”は熱く、言葉に詰まった。先程失くした“熱”だった。
頭を上げた和希が、ザッシュへ言った。ふっと、笑ったのだ。
「“怪我”しないで“良かった”よ。 “助け”らんなくて、ごめんな?」と。
“熱”は流れて、頬に伝い出した。“悪かった”と。“軽率だった”と。“か細”い声で。
「話に“置き去り”で……………っ、あと、……………“キルシュ”って、っ」と。詰まった“思い”を、吐き出して在た。“気に食わなかったんだ”と。
「“最高の”『ブレンドメーカー』に、見えなくて。…………『噂』と『違った』から……………カズキ…………ッ、さん。ごめんなさいッおれッ」
「あ、そゆ事か。」
和希はザッシュの頭を、撫でたのだった。“頑張ったな?”と。「謝れて“偉い”、な?な、ザッシュ。」
“ルーバット・ザッシュ”は、絆された。“橋本 和希”に。敦之が“苦笑い”を堪えて在たのであった。
“向こうのロートルも、御手させんのか?”と。




