・【神】の『剣』の、“行”方。・
「おいっ!カルミアッ!しっかりしろっ!」
俺は必死にそう叫んだ。
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「あ〜はいはいちょっと落ち着いてね。そして邪魔だね。」
“和希”が、そう言った。××××××××××××
「見て分かると思うけどさ。“龍”君に任せときゃ、大概大丈夫。後危ないから下がって。巻き込まれたい?」
橋本 和希はそう言った。見ると既に彼の妻は後ろへ下がって在た。
“華月 龍”は、カルミアの“身体”を、運んで、やって来たのだ。
先程。
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「和希。俺はカルミア“持って来た”だけだからな?」
しかし龍は、そう言った。
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「龍君……………本気? ……………そうだね。はい分かりました。」
龍は和希のその言葉に、満足そうに頷いた。ふらつく“カルミア”の魂を、橋本 和希は無造作に鷲掴みした。××××××××
「! っ、ちょっ」
カーズィ・キルシュは、叫び掛けたーーーーだが。橋本 和希は笑いもせずに、兄弟子カルミアを肉体へと放り投げ、嫌、放り込んだ。×××××××
「ーーーー、は?」
カーズィは流石にそう発した。カルミア・カルムはそれだけで、元に戻っていたのだから。
まるで何も起きなかった様にだ。××××××××××華月 龍が、満足そうに橋本 和希へと言った。「ん、お疲れ和希。」と。ーーーーーーカルミアはすやすやと寝出した。×××××起きた彼は思う筈だ。変な夢だったと。××××つまり“彼等”には“それ位の事”なのだ。“想定”内でも外でも“解決”出来れば“ささやか”な事なのだ。
「お父さん終わったよー。どうする?カルミアは俺が連れ帰る?」
と、龍が言った視線の先に在たのは、“お父さん”と呼ばれたその“存在”。『華月 陽藍』だったが、キルシュは思った。“気配がーーーー無かっただろーーーー?”と。然し彼は其処に確かに“在”たのだ。そう“初め”からだ。
“在”たが“何”も“しな”かった『だけ』だ。ただ、見て在た。『彼等』を。眺めて見学していた。ーーーー横に在たのは“ブラックベリー”と“アゲラタム”だった。××××××××イチゴとシランも、“ソレ”は知らなかった。だが、それよりも。
“蒼白”だったのは、“白神”だった。×××××××××ד神”なのに『気付けなかった』のだから。××××××××××××。
“神”は落ち込んだのだ。
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「陽藍様………………いついらしたのですか?」
白神は真顔だった。いつもの笑みも無く。暗い程の。
「俺なら初めからいたんだけどな。なあ?アレフゥロード王? そうだろ?」
陽藍はいつも通りだった。××××××
“そうですか”と小さく白神が言い、アスタ・バーシルを名乗るブルーリムが白神へと声を掛けた。“大丈夫か?”と。白い神は先輩神へと返した。“何がですか?”と。
「顔色悪いぞ……おまえ」彼はそう言った。
白神ならば「当たり前じゃないですか。」そう応えた。“災害が起きた後なんですから”と。勿論嘘だった。ただの“不満”だった。××××××××××××××××
「ま、それはそれとしてだ。バーシル、カーズィを連れ帰れよ。」
陽藍はそう言ったのだ。
「はい?」
そう最初に言ったのは、白神だった。
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「陽藍様……それは余りにも……………」
白神は渋い表情だった。だが、
「黙って聞いてれば先刻から。なんなの白神。きみ、子供なの。」
呆れるわあ〜と言ったのは、沈黙していたティティだった。
“ふんっ”と。××××××××
「ティティナウド、流石にそれは…………もう少し優し………いや穏やかに言ってやってくれないか…………………………………………………」
ブルーリムが、冷汗をかいたのだった。
と、陽藍は笑い出した。××××××××××
「……………………、お父さん…………………。其処で笑っちゃうのはさ。ちょっと。………………。」
龍が苦笑いする番だった。××××××××
「あ〜此れ和希のせいだな。」
「嫌何でよ龍君。俺なんてテスト手抜き迄したのに酷い言われよう。生徒可哀想。」
「……和希。おまえの生徒可哀想なの俺の責任に転嫁しないで。ほらカルミア。起きろ。」
「……………………………ぅぐぅ。すぴぃ。すぷぅ。」
「………………………………………、変ないびきだな、こいつ。…………………」
“カーズィ・キルシュ”が、そう言った。××××××××××××
「う〜ん。じゃ、カーズィ君帰っちゃう前に、“コレ”、片付けちまいますか。はあ、面倒だな〜。」
和希が言った。“コレ”とは。“神剣”の事だった。
「和希。それは?」
「え? 此れ〜? 俗に云う“神剣”だけど?」
「「「「「!!?」」」」」×「「「「「???___っ??!?」」」」」。と、其の場の冒険者達の数多が、同じ様な反応を示す中でも。
誰もキルシュと和希のやり取りに声が出せなかった。平然とする、数名を除いて。
「ちょっ?、 神剣?!」
「噂の?!」
「はあ?なんでそんなモンが?!」
「いやオレ、ソレほしーわっ!」
「「「「「!!!」」」」」ーーーーーーそんな感じだった。つまり。白神。彼の“感情”がやや“浮上”したので在った。××××××××××単純にもだ。彼は“そんな”タイプだった。ーーーー悪しからずーーーー。
悪気は無いのだ。
そして。
キルシュの“視線”に気付きながらも和希は剣を掲げた。“にやり”と。
「? 和希くん? 何しようとしてます?」
白神は尋ねた。返事は無かったのだが。
「大した事しないよ。単にエネルギーをエネルギーにするだけ?」不意に和希はそう答えた。
キルシュは見惚れた。“和希”の“其の行い”にだ。“錬金術師”と、して。×××××××××××
“剣”は白神のエネルギーで造られて在た。“エネルギー”を物質化した代物だった。因みにだが、“ダンジョン”も白神のエネルギーなので、何方も云わば“白神そのもの”なのだ。
つまりどうゆう事か。“エネルギー”は『白神に還れる』という事だった。然しーーーー
白神『自身』は、其れが出来ないのだが。××××××××××
『ミックス・ジュース』は元には戻せない。ーーーー理屈は“それ”で『在』る。
けれど和希には“出来た”それだけだった。
「あ〜では始めます。下がって〜。」和希はそんな“掛け声”だった。つまり緩かった。××××××
“見た目”が。冒険者達の“眼”は、白かった。何処までも。和希には刺さらなかったが。
剣の形を織り成したモノだったが、ーーーー周囲が歪んだ。うねりを見せたソレは一瞬どろりとしたが、直ぐに何だか判らなく成った。次第に丸く生る。球体とも言いたいが球体では無い。形状の無いモノだった。
周囲の冒険者達は、驚愕に似た視線を和希へと刺した。“なんてことをするんだっ”と。“姫に手を出しただけではなくーーーーこの男はっ”と。
“和希”は“そう”思われて在た。
気にも留めないのは、当人“のみ”だが。強いて言えば逆で在るとは、当事者達以外は、誰と知らず。
さておきだった。
カーズィは息を呑んだ。そして愉しんだ。“光景”を。
和希の作り出した嫌正確には“変化させた”エネルギーは、圧縮された“塊”だった。軽い調子で作り出した其れを、和希は又無造作に放り投げた。“ダンジョン”へ向かって。××××××××××
余りにも軽い調子だったので、避難して来た冒険者は、和希を凄いとは思わなかった。××××××××××
青く為ったのは、白神だ。嫌正しく“白”かった。“顔色”がだ。言う迄も無く。××××××××××
「……………………………“剣”が…………………………。」
そう呟いた白き神は、今度こそ膝から崩れた。××××××××××
“神剣”は橋本 和希により、“ダンジョン・エネルギー”へと無事(?)還されたのだった。再び形に“成る”日を、待ちわびて。うん。××××××××××××
因みに白神は膝くずれたまま言った。“和希サン”と。
「もしかして…………………その速度で、作るのも出来ます?」と。
飄飄とした彼は答えた。「え?うん。」と。白い神様は暫くの時を地面を見つめて過ごしたのだった。ーーーーーーーーーーー
余談だがどうにも出来なかった冒険者達なら、神剣かもしれない剣が“失われた”事に、動けないままだった。ーーーーーーーーーーーーしかし、その中のひとりが言い出した。其の男は“姫様”のファンだった。
「待て」ーーーーーーそう言った男は、和希を睨んだ。射す程に。××××
「何? 俺に用事?」
和希はやはり飄飄と言った。男の癇に障る。
「あれは“神剣”だったんだろう………………おまえは何をした?いやそれよりも…………………っ」
「それよりも? 何?」
因みにカルミアならぐっすり眠りこけて在た。“龍”の腕の中で。××××××
「何?」
そう和希はもう一度聞いた。解り切った言葉を。因みに“男”は、カーズィ・キルシュを“兄貴”と呼びたい或の男だった。かなりな手練だ。
和希は“つまらなそう”な、態度だった。××××途端に“男”は熱くなった。怒りが湧き上がる。その勢いで言葉を発した。
「っ、! 姫様を返せっ!」と。和希は、“つまらなそう”だった。×××××××××××××××××××××××××××。
ひと呼吸置いた和希は妻へと向かい言った。「絵理撫ーーーー」と。
妻絵理撫はそれに応えた。
和希はこう言った。
「“姫様”って『誰』の事?」と、だ。
龍と陽藍は薄く笑ったので在った。××××××
「さあ?」
妻は多くは語らなかった。そして愛しい伴侶の元へ駆けた。“もう終わりましたか?”と言った彼女は、いつも通りだった。幸せそのものの、笑みだった。
因みに彼女は。本来和希だけ来れば事足りるのに、嫌だと我儘をいい彼から離れなかった。仕方無く和希が陽藍に頼んで“此処”に在る。陽藍は保険を兼ねて、ついて来たのだ。しかも、“龍”迄も、保険に使い。
カルミアが心配な龍は、あっさりと請け負った。和希の心配ならしなかった。“いつもの事”なのだ。勿論。今も龍は口も手も出さずに、“愉しんで在る”位には。××××××××気楽だった。
「イチゴさん。“姫様”とは?」
勿論すっとぼけが十八番の橋本 和希で在る。しれっとして在た。王妃アゲラタムが、可笑しそうに口元を覆った。橋本 和希は気が付いて、流石に苦い笑いを溢した。“女王様”へと。
“妻”なら構わずに和希へと抱き着いて離さなかった。××××××××
「ちょっと絵理撫さん。そんなにくっついてたらさ。カーズィ君達、送って行けないよね、俺?」
橋本 和希はそう、流石に苦言した。そんな平和な光景に、カーズィは等々ーーーーーー笑い出した。とても盛大に。
「和希、おまえ“強過ぎ”だろ。冷汗引っ込んだわーーはははっ」と。
横でアスタがやはり含み笑いをし出し、カーズィはついでにこう言った。
「で、白神はもう少し頑張れ。な、ティティナウド?」と。面食らった大魔法士ティティナウドはそうだねと言って、更に落ち込んだ白神を見て、にやりと笑ったので在った。とても悪い笑顔で。
“災害”の終結に、いつまでも不満なのは、苦言した冒険者達だった。




