・“イチゴ”と、カーズィ・キルシュ。・
そんな訳で、イチゴ・シャリンバイは“シラン”に“王宮”へと呼び出された。
「っ、カーズィさん! こんなに早く来て下さるなんてーーーー」と。
イチゴ王太子は言ったのだけれど。××××××××××××××××××××。
「よう、イチゴ。又会えると思って無かったよ。会えて良かった。此の前“ありがと”な。」
カーズィ・キルシュは、そう言った。
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「が、今日の“用事”は“俺”じゃ無いんだ。ーーーー」と。
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「ん、よっと。“ただいま”か? 此の“場合”?」
「あら“早かった”。おかえりなさい。」
「なんだ“早かった”な。おかえりカーズィ。」
「よう。“言われた通り”、置いて来たぜ?」
“カーズィ・キルシュ”が、そう言った。××××××××××
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× ー × ー
「“イチゴ”さま………………。“スプス村”の、“カルミア・カルム”です。イチゴ様に“話”があって来ました…………………………、いいですか?」
カルミアがそう言った。此処はイチゴがシランに呼び出された場所。シランの“住む”、ハナ国“王宮敷地内”に設けられた、“別棟”だった。シランは“特別騎士”として、姫“ベニバナ・シャリンバイ”の護衛を務めて在た。今は違うーーーー。ベニバナが“和希”に惚れてしまい、“異世界”に嫁いだ。故にシランの“任務”は終わって在た。ベニバナと和希は先日、此方で“結婚式”とも云うべき“儀式”に臨んで在た。
本当は、準備を整え“和希”を迎え儀式を執り行う“筈”だった。だが、“和希”が“姫”を送って来たので、彼等の“姉達”が和希を“逃さなかった”のだ。
ベニバナ・シャリンバイは此の“国”の王室の“三女”で在る。つまり姉が二人“在る”のだ。
長女“マルバ”・シャリンバイ。
次女“ヒメ”・シャリンバイ。
『美しい“名”の姉妹だな。ーーーー』カーズィ・キルシュはそう思った。身姿等は、詳しくは聞いていない。ベニバナとイチゴを見る限り、姿も美しいであろうと予想出来た。恐らくだが。
既に嫁いで在た彼女等だが、末妹の“結婚”の話に口を出さずにはいられなかったらしい。それで“ベニバナ”は、先日連れ帰られた訳だった。彼女“等”が、詳しく話を聞く為に。
勿論“ひと揉め”あったとかで。和希は聞かれても“沈黙”を貫いたらしい。“陽藍”以外には。
ハナ国の“王”と“王妃”から、形式だけでも“式”を挙げてから、“ベニバナ”を連れ帰る様、提案された。実は和希は“陽藍”からも、“提案”されて在た。“式”について。
陽藍の提案で、彼の所有する“結婚”の儀式の為に設けられた“城”に、ベニバナの“家族”等を“招待”して“儀式”をする“提案”をーーーーだ。だから和希は王達の話を聞いて直ぐに、陽藍へと“連絡”したそうだ。“だったら”と陽藍から返って来た返事は、
「両方で挙げたら良いだろ?」ーーーーだった。和希は“金掛かりますーーーー”
そう答えたそうだが。さておき。
その“やり取り”の“副産物”で、今回“彼等”は、“此処”に在た。
そう、“シラン邸”に。シランはカーズィの横で、どうでも良さそうに“それ”を“見守って”居たので在った。口出せる“立場”では無いのだ。イチゴは彼を“友人”とは呼ぶが、つまりシランは“王宮”の“居候”だった。ーーーー訳ありで。彼は“家族”が、いないのだ。
事情でイチゴ達と知り合ったシランだったのだが、王宮と全くの無関係という“生き方”でも無かった彼は、王達の提案で、王宮に“場所”を与えられ、ーーーー暮らし始めたのだ。住むうちにお転婆“姫”ベニバナの存在に、気付き、イチゴへ“提案”した。
“見張り付けた方がいいぞ?”と。それが切っ掛けでイチゴ本人から頼まれたのだ。“引き受けてくれるか?”と。
つまりそれでシランは暫くベニバナの“見張り”兼“従者”をしていた。名目は“護衛”だが。
四六時中“姫さま”の“子守り”をしている“内”に、“グラスペディア”に睨まれる様に為った訳だった。
シラン本人は、気にしなかったが。勿論“ベニバナも”ーーだが。因みにその“グラスペディア”の“その後”が気に成り、カーズィは此の時シランへ聞いてみた。シランは“苦笑”しかーーーーしなかった。
…………………………………………………。“そうか”と、返しておいた。………………………………………………………。“未だ”反省中なので在ろう。ーーーーーー恐らく。……………………………………………………………。と。
ひと通りカルミアの“話”を、至って真面目に、真摯に聞いて在たイチゴだったが、考え込んで在た。そして言った。“少し待って貰えるかな?”と。
面食らったカルミアへ苦笑した彼は、シランに視線を移した。シランも気付いたが、シランが何か言うよりも先に、イチゴはカーズィへ声を掛けた。××××××××
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「カーズィさん、“雪”って知っていますか?」
外へ出たイチゴは、カーズィへそう言った。カーズィは余りに唐突で。思わず間抜けた声を発しそうに成った。
「……………………知っているけど?」
不思議だったがそう返した。シランとカルミア達は中で待って在た。
× × ×
ふわりとイチゴは笑顔になった。カーズィがどきりとする様な。そして言った。
「ペルウィアナは“雪”を見てみたくて、育った村を、旅立ちました。彼女ね、生まれて初めてだったそうです。」と。
“何が?”とカーズィ・キルシュは静かに聞いて、イチゴはそれに答えた。
「あの子ね、村から“出た”事が、無かったんです。」と。哀しそうに。× × ×
「つまり?」と、カーズィ・キルシュは問い直した。××××××
「ペルウィアナは“世間知らず”です。それを“カルミア”君“達”は、心配しています。けれど、ーーーー」
「けれど?」
「…………………………………………。僕がついています。勿論此れからも。彼女へも了承を得ました。……………………………………。参ったな。どうして“此のタイミング”なのだろう………………………。っ」
イチゴは口惜しそうだった。そして、再びカーズィを見て、気を取り直したかの様に又ふわりと魅力的な笑顔に戻った。
「先日なのですが、“姉上”に久々会ったうえに、“儀式”を見てペルウィアナ感動してしまって。……………………。“憧れた”みたいで。………………………つまりですね。やっと本格的に、僕との“日取り”等を、意識し始めてくれた訳でして。………………………“上”の“姉上”達の、影響も、勿論あるのですけれど、ね。今迄も母が“ドレス”等を彼女へ見せて“誘惑”してたのですが、……………何というか。
母より姉達との方が、幾らかでも“歳”が近い訳では無いですか。………………それで。
“ベニバナ”の儀式の時のドレスは“姉上達”が選んで用意したのですが、その時“ペルウィアナ”も。姉上達と一緒に、ドレス選びをしまして。まあ、姉達の“策略”ですけどね。……………………
つまり。姉上達の“目論見”に、ペルウィアナが“乗せられてしまった”訳でして。
“カルミア”君“達”の“事”も、ペルウィアナの中では既に“結論”は出ているんです。
ただ“彼女”は、伝言等では無く、彼等“自身”から、“言って欲しかった”。ーーーー。それだけなんです。それよりーーーー」
「それより?」
此処でイチゴは、気不味そうに、苦笑した。 × × ×
「まさか」と、俺は言った。“戻って来た”『名も無き星』で、“華月 陽藍”に、だ。
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「“シラン”がねぇ。」と。
陽藍の表情は、確かに“わかり”難かった。
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“ところで?”と俺は言った。陽藍は相槌を打って俺を見た。
「ジニアまで“置いて来た”けど、本当に良かったのか?」と。にやりと奴は笑んだ。実に妖しく。そして言った。
「“ペナルティ”だから、な。」と。俺はその意味をその時未だ知らなかった。
後から知った、嫌気付いたのは、嫌ーーーー“シラン”に教えて貰ったのは。
「“シラン”が、いうには。ですね。問題は“カルミア君”より“ジニア”君なんです、よ。参った、な。“自覚無い感情”って“恐い”じゃ無いですか。彼“魔力量”多い、し。
っ、暴走しなければ良いのだけれど。………………………“ショック”で。………………………
って、な。“イチゴ”が“言ってた”ぞ? “大丈夫”なのか?」
陽藍は何故だか呆れた顔を見せた。珍しく。
「カーズィ、おまえ………………………“台詞”を“インストール”して来るんじゃ、無いよ。………………………………。“イチゴ”と話してる気分だったぞ?今俺はーーーーたくっ」
“似過ぎだろ”と。ーーーーーーそうかね?似てたかね? “イチゴ”が言うには。“シラン”は。以前“ペルウィアナ”を、好きになった。だから“わかる”様だ。
ジニア・ツインの、ペルウィアナへの“無自覚”な“淡い恋心”どころか、「既に“家族”みたいな、もっと重い“過剰な愛情”」に。ーーーーーー
カルミア・カルムが“恋心”なら、ジニア・ツインはシラー・ペルウィアナを“愛して”いるのだと。“少年”の“彼”は、未だ気付いていないが。
「彼奴、此方来てからもーーペルウィアナの話ばっかりしてたからな。ーーーー」
陽藍はそう言った。“気付いてたんかいっ!”と、声に出せずに思わず“突っ込ん”だ。あ〜“酷い”師匠だぜ。なあ?“ジニア”?
“さあて、じゃあ「失恋パーティー」の準備でもしとくかね。”ーーーー「ジニアの“好物”でな。」ーーーーと。
と、そう言った。やっぱりかーーーーなあ? ジニア?“おまえの言う通り”だな。此の師匠は。
“イチゴ”の“力量”に、期待するしか無かった。此の“日”の“俺”は。ーーーー虚しかった。(だから“酒”が、美味かった。ーーーー)
そんな“晩”だった。
「“複雑”なのは、“僕よりも『シラン』の方ですよーーーー『カーズィ』さん”ーーーーか。」
俺は『空』に、そう言って在た。“聴こえ”は、しないがなーーーーと。独りで。酒だけ旨かった。




