・×再×会×・
「ユリシアねーちゃん、“大丈夫”だよ。“カーズィさん”、“無事”だから。心配しないで。ね?」
ファリス・リコルドはユリシア・レインスィートにそう言った。“居場所なら分かるよ”と。
× × ×
「は? 『居場所』わかるってどういう?!」
なのに『応えた』のは、ミーディ・ラバンディンであって、言ったファリスは少々“苛ッ”としたのであった。“言わな”かったが。
「………………ファリス?」
ユリシアは、遠慮がちにーーーーそう言った。
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「“カーズィ”、取り敢えず“俺”の“頼み”聞いて?」
華月 陽藍は“弟子にした男”へ、そう言った。“調合師の腕の魅せ処”ーーと。
其の“調合師”は、“苦虫、噛み潰し”た。
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「は?“異世界”行っちゃった?!って事?“又”?!?」
ファリスの“説明”に、叫んだのはやはり“ミーディ・ラバンディン”の方だった。
× × ×
「は?!」 「………………マジかあ。………………あの“ひと”は………………」
「なあ?“ファリス”。聞くが“自力”で“行ける”ものなのか?」
「え?というか“本・当”に、“無事”なの? 大丈夫なの?それ。………………………」
心配していた“事情を知る者”達へ再び説明をしたファリスへ、“リィンツィオ”、“リッツ”、そして“ディランズ”、それから“マミアーノ”が次々とそう言ったのであった。
事情が事情なだけに、“薫草亭”へ集まってもらっていた。マージーは居ない。宿屋の女主人へ“少し外す”と言って来た。マージーの治療は、大分“経って”から施した為に、余り無理はさせたくなかった。カーズィも“そう”言っていた。“ユリシアに『毒吐いてた』頃は、文字通り『大分』やばかった『筈』だぞ。”と。ーーーー。
だから“油断”するなーーーー。完全に『気分』が晴れる迄は、『安静』にさせとけと、カーズィの“見立て”だった。
『毒』や『酒』が廻るのは、要は『代謝』が速まるからだ。故に『毒』が抜け切る迄は、大人しく『寝て』在るのが、“望ましい”訳で。
本人にも既にそう“言って”あった。“ーーーーすまん迷惑をーーーーかけた。ーーーー”と、マージー・レッドランは小さな声で“言った”ので在った。“申し訳なさそう”に。ーーーーーーだった。
カーズィが“それ”に何と応えたかは、誰も知らないーーーー。当人、『以外』は。
或の日、自分の体調等さておいて、“帰って”来たカーズィは先ず、“マージーはどうした?”と聞いて来た。言われた通り“寝かせた”と告げると、カーズィ・キルシュは“マージー”の元へ、先ず向かった。熱でふらつきながらも。
呆気にとられた“ユリシア”は、“私がいきますから!”と彼に言ったのだが、振り返ったカーズィは、彼女へ優しく“笑った”だけだった。熱い指がユリシアの其の“頬”をそっと撫でたのだけを、ディランズはーーーー“目撃”て、ーーーー。熱くなった。
そして。ひとりで彼は“行った”。ディランズは思わず其の“後”を、追った。一瞬、“ノミニオ”が信じられない“瞳”で、自分を見ていた。けれどディランズは振り返らなかった。
振り返れなかったのだ。理由は、理解らないままにも。
マージーの“部屋”へ入って行った“カーズィ”を、ディランズは“見て”いるしか、出来なかった。
そして、
部屋から“出て来た”カーズィに、何も“言えなかった”のだ。
“悪いけど、後頼むなーーーー”そう言ったカーズィに、“ああーーーー”任せろとだけ、返したのだった。ディランズの言葉に、カーズィは優しく“微笑んだ”。そして、“戻って”行った。
“ディランズ”は、“マージー”が好きだった。
カーズィは、気付いていた。
“異世界・白神の星”へ行く“前”、カーズィはディランズに聞いてみたのだ。
ーーーーー、“そうなのか?”と。言われたディランズは躊躇った。だが、頷いてみせた。“カーズィ”を“信用して”そう答えた。
カーズィ・キルシュは、“そうか。”ーーーーとだけ、言った。後は“何”も応えなかった。
“和希”が“マージー”を救けた“時”だ。
その“後”の『マージー』を心配して声を掛けたのは、“ディランズ”だけだったのだ。カーズィは、其の“意味”をーーーー、考えていた。そしてその考えを肯定した。
或の“状況”で、『一番』に心配するのは、『愛しい相手』ではないのか?と。
カーズィ自身が、“そうした”『様』に。ーーーーーーーーーーー。
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ーーーーーー“勘の鋭い男だ”ーーーー。ディランズは或の時そう思った。
“うわさに聴いてた”『以上』だと。
ディランズ・プチグレインは、『カーズィ・キルシュ』が『羨ましかった』のだ。
“自分みたいな荷物持ちとは違う『別の世界に住む』男だ”ーーーーと。彼は思った。そうーーーーー、
実物も“見ず”にだ。
或の日初めて対面した『“本物”』の『カーズィ・キルシュ』は、“噂”とは違う男だった。
噂よりずっと、彼は『“冒険者”』ーーーーだった。
最強だの最高だのと言われる“迄”には、“努力”したのだろうーーーー或の日ディランズは、素直に“そう”思ったのだ。
“あのひとは『自分の仕事』に“誇り”を持っている。”ーーーー
“ああーーーーだから『格好良く』みえるのか”ーーーーーーと。ディランズ・プチグレインは、『或の日』の“カーズィ・キルシュ”を思い出す様に、彼の“凄さ”を噛み締めて在た。
“もう、神にすら近いのか”ーーーーと。“自力で『他の星』まで、『飛ぶ』”ーーーーーー等。
勘の“鋭い”ミーディ・ラバンディンと“ノミニオ・プランツ”は、そんな“ディランズ”の“様子”を横で見ていて、やや訝しんでいた。“大丈夫なのか?”と。言葉にはーーせずに。
× × ×
「まあ『或の』陽藍様の『ところ』だ。何も『心配』要らないさ。な? 『りーちゃん』。『大丈夫』だからな?」
薫草亭“マスター”『ドーリス・リコルド』はそう言った。言われた『ユリシア』は、何も言えずにリコルドを見たーーーーだけだった。勿論“やや”、元気がーーーーなかった。
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逆に『りーちゃん』に動揺が隠せずに『騒ぎ』出したのは、リィンツィオを始めとした“パーティー”『カルジュ』だった。
『りっ、りっ!“りーちゃん?!?!?”?!!!!』と、『パニック』していた。
“ははは”と笑ったのは“息子”のファリスだが、父リコルドは“無反応”だった。“りーちゃん”に“そーだ、りーちゃん。ドリンク作るから飲みな。旨いぞ。”等と、“励ます”のに必死で、リィンツィオ達の“リアクション”は“聴いて”居なかったからだ。
ユリシア・レインスィートは、ファリスには“姉”なら、やはり“ドーリス”には『娘』だったのだ。『リシアちゃん』の“双子”の“妹”みたいなものだーーーー。ドーリス・リコルドは彼女を“そう”思っていた。
以前『ユリシア』の中に『在た』、『佐木 友理奈』は、ドーリス・リコルドに『リシアちゃん』と呼ばれ、気に入られ、“可愛がられ”て在た。
『アスタ・バーシル』と『紺』の手によって『ユリシア』に入れられた『友理奈』。彼女を“救ける”為に、“華月 陸”が“此の星”へ“来た”『後』に、ファリスは初めて『華月 陽藍』と、出会った。
陽藍は『ファリス』を訪ねて来たのだ。『娘が世話に成ったね。ありがとう。』と、“礼”を言いに来た“陽藍”と、初めて話した。そして、友理奈の“その後”を知ったのだ。
“初恋”の彼女の、“その後”を。
友理奈は“身篭って”、その“相手”と“結婚した”と。“幸せだから、祝福してやって欲しいーーな。喜ぶよ。”
勿論ファリスは“おめでとう”そう伝えて欲しいと、そう言った。それで陽藍は“笑った”のだ。“子供”の“様”に。そして、“提案”された。“取引しないか?”と。
そして、“陽藍”は、“ドーリス”と会った。この時初めて“ファリス”を介して。
ドーリスと“契約”した“華月 陽藍”は、そうして“ドーリス”の“上司”と『成った』のだ。
彼はそして“ファリス”にとっては『上司』でもあり、『師匠』にも成ったのは、此の“時”だ。
陽藍の“提案”とは、『“家畜”』ーーだった。『品種改良』につきあってくれるか?ーーーーという“もの”だった。
『“俺の星”に“災害”が“起きた”場合に、提供して貰う“備蓄”を育てて欲しいんだよね。』ーーーーと。
『此の星』と“陽藍の星”の“種”を、掛け合わせ始めた。“お互い”の為に。
『成功したら、“此の星”の災害時に、』
「“支援”する“物資”の“備蓄”に『成る』だろ?」ーーーー“華月 陽藍”はその日“ファリス”に、そう言った。
“ギブ・アンド・テイク、フィフティ・フィフティ”の“関係で行こうぜ? ファリス?”
“宜しくな?”ーーーーーー彼はそう言ったのだ。“手伝ってくれるなら、君が知りたい事『全部』俺が教えてあげれるよ?どう?”と。
ファリスは“よろしくです。『ヨウセイさま』”そう応えた。努力したファリスは、今や“陽藍の世界の言葉”も、使える。
“ファリス”は、“見覚えのある”『例の黒い板』を、陽藍から預かっているのだ。“ドーリス”も又、“同じ”だった。だから、いつでも“メッセージ”が送れた。
最も“操作慣れ”していない“父・ドーリス”は、ファリス“頼り”だったが。“スタンプ”なら、“得意”だった。何故“スタンプ”と“言う”か迄は、理解っていなかったが。
ファリスに“ま、いいんじゃない?”と言われて、“そのまま”だった。“伝わるから”『いっか。』と。
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「…………………………………。『カーズィ』様でいらっしゃいますよね?『何故』、『此方』に? 『他の星の方』だと……………………………………」
「嫌『此方』の台詞だろ。ーーーーーー何で『姫さん』が、居るの? ーーーーーーと、確か“カズキ”だっけ? ま、“アンタ”は“自分の星”ーーーー
だろうけどな。」
「うん。『突っ込み』箇所が多過ぎて、どうしようかなーーーー。“成る程”は“成る程”なんだけど。ーーーー。」
「“和希”さま? “カーズィ”様を、どうして“御存知”なのですか?ーーーー」
「嫌、先ず“何で”『和希君』が、『ベニバナ』ちゃんを『姫抱っこ』して連れて来たのかについて、『俺達』は是非『突っ込み』たいけどな?
なあーーーーーー『和希君』さ。『此処』、厨房だぜ?」
“あ〜「知ってます。」”と言った“橋本 和希”と言う名の男が見た“光景”を伝えるなら、“カーズィ・キルシュ”は、厨房で、ちゃっかり『ケーキ』を『制作』していた『ところ』で『在った』ーーーー訳『だった』。
勿論『橋本 和希』と言う“男”は思った。
どうせ“陽藍”絡みで“在ろうな”と。意外な男と、“再会”しながら。“理由”なら何と無く“予想”出来ていた。
カーズィが追って“来た”『種』を破壊したのが、“和希”だからだ。
正解に“言う”ならば、“消滅”させて“しまった”のだが。“邪魔だった”ので。ーーーーーー。




