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・消えた“カーズィ・キルシュ.”・

 ファリスは“家”にいた。食事処“薫草亭”で、“ユリシア”と“カーズィ”を待っていた。



 ×   ×   ×



 「ーーーーっ、ファリス!やばいっ!」


 “ミーディ・ラバンディン”が飛び込んで来た。何と聞く間も無く、言った。



 「“カーズィ”さんがいなくなった!」と。



 ユリシアが青褪めた“まま”、硬直した。魔法でも“掛けられた”様に。



 ❂____❂____❂




 「ミーディさん。落ち着いてよ。で、“説明”して。出来る?」



 ファリスは意外に冷静だった。





 ミーディ・ラバンディンは、一呼吸置いてから、何とか話し出したのだった。




 『カーズィ・キルシュ』は、『洞窟ダンジョン』へと入って行った。勿論“ひとりで”だ。その“後”の話だ。先ず、ファリスは此処(薫草亭)へと帰って来た。ファリスが居ても、“出来る事”等“無い”からだ。ならばどうするか。“帰っ”て、“ユリシア”を『まもれ』ば、良い。




 はじめから『カーズィ』に頼まれて(丶丶丶丶)いたのだから。「何か“あったら”頼むな。」と。だからファリスは言い付け通り、帰宅した。ユリシアの元へと。



 出来た“”だった。



 「ーーーーーっ、それでーーーーー、カーズィさんはーーーーー」



 ユリシアがやっとの思いで絞り出した声で、そう言った。顔色ならば、真っ青だった。



 ミーディも未だ不安そうな顔色であったが、話した。



 「だからーーさ。一度はちゃんと“出て来た”んだよ、カーズィさん。なのにさ、ーーーー」




 「“消えちゃった”と?」



 ファリス・リコルドは、案外“冷静そう”に、そう返したのだった。「……………、ファリス?」



 ユリシアは、不安で真っ青な顔色のまま、そう彼の“名”を呼んだのだ。「ファリス……………」




 “ねえ?何か知ってるの?”と、ユリシア・レインスィートは、そう聞いてみた。不安なままで。





 ❂   ❂   ❂





 「ーーーーーーーーっ、!」




 “おっと”とそう言いながら、“カーズィ・キルシュ”は、“其の地”へと、“立った”。“知らない土地”だった。



 “気配”は“するな。”ーーーーそう思った。




 ×    ×    ×



 「其処で何してるんだ。“立入禁止”だぞ。」




 「!!」



 キルシュは、ゆっくりと振り返った(丶丶丶丶丶)。其処には。






 “男”がひとり、立っていた。ーーーーーーーーっ、『気配』も『無し』に。





 『甘い香り』だけがーーーーした。




 ×    ×    ×




 「“気配”消すなーーよ。“びびる”だろ。」


 カーズィ・キルシュは、そう言った。相手は応えた。



 「消して無えよ。“誰”だ?おまえ。“コスプレイヤー”ってじゃあ『無い』んだろ?『坊ーや』。」



 “コスプレイヤー”の意味が理解らないカーズィ・キルシュは答えた。“確信”があった。“確認”だった。



 「そっちは“陽藍・・”の『関係者・・・』か?物言いが『そっくり』だな。ーーーー『奴』に。ああ、『名前』ね。『コスプレイヤー』てのは知らんけどな。俺は『カーズィ・キルシュ』って『名前』なんだけどな。『通じて』るか? それ(・・)でさ。」




 “音”が、鳴り出した。“男”は“見覚えのある板”を、持ち出したのだった。そして、




 「ーーはい。ああーー、はい。ーーーー。『でしょう』ね。はいはい。『了解』ですよ。」



 “板”を耳へ当てて、“そう”言った。そして、



 「取り敢えずついて来いよ。」そう言った。




 やたらと“色気”を漂わせた、長身の、少し間違うと“華奢”な男だった。が、本当に華奢な訳では無い。靭やかな“猛獣”だった。“首輪”をつけた。色気有る瞳で一瞥されたがカーズィは問い掛けた。




 「あんたの“飼い主(丶丶・)”は『陽藍・・』で『いい』のか?『不正解』なら、行かない(・・・・)ぜ? “薫り(丶丶)”も『甘ったるい(・・・・・)』しな。ーーーー『誘惑・・されちまう(丶丶丶丶丶)し。    で?『答え』は?ーーーーーー」




 “男”は“呆れ”て、言った。“意味わからない奴だなーーー”ーと。





 「ついて“来なく”ても“いい”ぜ。“本日の警備係・・・”に“排除”されちまいな。“さっきの”みたいに。」



 “猛獣”は、そう言った。顔色も変えずに。カーズィは応えた。“さっきの?”と。




 「“その”侵入者・・・だよ。俺が“追ってる(・・・・)”のは。“何処”行った?!」



 カーズィ・キルシュは真剣に、そう聞いた。だが、



 「だから“その説明”をするから、先ず“ついて来い”よ。“今日”忙しい(丶丶丶)から暢気・・に『こんな場所トコ』で話してると、俺だって『殺される(やられる)』んだよ。来ないなら置いてく。勝手に『彷徨え』。じゃーな。」




 男はすたすたと歩き出した。直感で彼を“陽藍の関係者”と判断したカーズィは、その後を追い掛けた。“取り敢えずついてく。他に宛てが無い。ーーーー”そう言ってだ。




 “例のあれ”の“破片・・”と“遭遇・・”したカーズィ・キルシュは、単独で再び“異なる世界”に“降り立って”しまったらしい。しかも“或の”様、つまり自分の“師匠・・”の『』に。






 『ははは』と力無く笑った“カーズィ・キルシュ”だった。不思議なのは『追跡』して来た『匂い』が、『消えてしまった』のだ。“隠れた”にしては“可笑しい”程に。ーーーー





 “まさか”ーーーーな。流石に“彼”は、そう思った。“消える訳はーーーー”と。








 見付けたのだ。ダンジョンの“奥”影に。“生き延びた原種の或の花”ーーーー“ムーン・シャドウ”の『蕾』を。奇跡だと思った。“鑑定”までしたーーーー奇跡の“生き残り”だった。






 溢れた“種”が“無事”で、『土』に隠れて(丶丶丶)たすかった(・・・・・)のだ。




 其れが“今回陽藍が持って来たもの達(丶丶丶・・丶丶・)”に紛れて、“魔力・・”を注がれ、促されて、ーーーー。無事に育ち、“或の場所”に“在った”ーーーーのだった。




 だが『例のあれ』の『影響』が残っていた(丶丶丶・・)のだ。『破片』の様に。




 植物を育てる為に注がれた『魔力』を、横取りして『成長』した様だ。『例のあれ(丶丶丶丶)』は。じわじわと。




 それに、カーズィが気付いて“調べに”入ったのだが、花を“駄目”にせぬ様にと気配りし過ぎて、ーーーー結果『逃げられ』た。『洞窟』の外へと。




 外に未だ“ノミニオ”が、数人“残って”いたのだった。それでカーズィは流石に焦った。





 “彼等”に被害を出さない(丶丶丶・・・・)方法は、あの時“彼”には“ひとつ”しか無かった(丶丶丶丶)








 「『“結界”』で()野郎・・包んで(丶・・)、ーーーー」






 「え゛それであの“調合師・・・”にいちゃん、“此処”来ちゃった(丶丶丶丶丶)の?」




 “華月 陽藍”が、一緒に居た“息子”の紺へと説明すると、息子の紺の方は、そう父へと返したのだった。陽藍と紺は、カーズィが“降り立った”場所からは、やや離れた“場所”に居た時の事で在ったのだ。




 勿論“紺”は“気付い”て、父へと“何か来た”と告げた。父はそれに“来たな”とだけ答えて、此のふたりは“此の場所”からは、ーーーー。動かなかった。先に起きた“騒動”の、後処理中〜だった(丶丶丶)のだ。



 “携帯電話”で、“部下”『瑞穂みずほ 翔平しょうへい』へと、“指示・・”だけ“出し”た。翔平は『でしょうね(・・・・・)』ーーーーと、答えて(・・・)いた。






 ❂   ❂   ❂



 「ーーーーは?! “結界”で閉じ込めて“自分毎・・・”『宇宙空間』まで、放り出した(丶丶丶丶丶)ーーーーっ、だと!? 何してんだ!其れ! 死んじまう“やつ”だろが!」



 “瑞穂 翔平”は、そう叫んだ。“カーズィ・キルシュ”へと。キルシュは応えた。“嫌?”ーーーーと。





 「“結界”は“空間・・”だから『可能・・』だよ。『空間内』を『空気』で満たせば“いい”訳だろ? 楽勝だろ。ま、『彼奴だけ』放り出す(・・・・)方は、結果『失敗した』だけどな(・・・・)?」と。





 しかし参ったなーーーーと彼は又ひとり言った。





 「折角“依存されただけ(丶丶)は“回収”する(・・)つもりーーが。まさかーーーー消滅・・』させられちまったーーーーとは。」と。







 「ま、『巧く且つ迅速・・に、』剥がせなかったーーーー『』の落ち度(丶丶丶)か。っ、たくっ。本気マジで参った。出直し(・・・)だな。ーーーー」 







 そう言った“ところ”で、“知っている声”が、して“来た”訳だ。




 「ところが“調合師ブレンドメーカー”君。“そうでも”なさそう『なんだ』よね。」と。




 「やっ、“よく”来れたね。“迷子”に“なる”んだよ、“普通”ーー“鼻”が“僕並み”なの?」




 「おっ、“居た”。ん?何『そうでも』“ない”って。後“鼻”なら、“人間・・並”だ。あ、“邪魔してる”ぜ。因みに“途中”で“逸れ”はしたが、“バーシル”が“案内・・”してくれたぜ?





 ま、“無茶しやがって!呼べよ!”って、怒られたけどな。彼奴は“無事”か“分かる”か?」





 “カーズィ・キルシュ”は、そう問い掛けて、横に居た“翔平”に呆れられたのだった。“こいつーーーー、無茶苦茶だなーーーー”と。






 カーズィ・キルシュは確かに“消え”た。“或の星から”はーーーーだが。消えた“彼”は、“此処”に在る。





 「此処が“マサル”の故郷・・ね。『成る程』ね。」




 “来れて良かったよ”と。



 

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