・植物・地図・
ノミニオ・プランツは一昨日、戻って来た“カーズィ・キルシュ”を出迎えた“ひとり”だ。
此の時彼ノミニオ・プランツは、“異世界へいった仲間”より寧ろ、『カーズィ・キルシュ』を待ち望んで在たーーーーのだった。横には仲間の“ディランズ”と“リンツィオ”がいたので在った。目的はやはり“出迎え”で在ったが、彼等の“待ち望んで”いたモノは、多分ノミニオとは違った筈だ。多分ふたりは、“仲間の無事”を待ち望んでいた筈だ。
帰って来た“仲間”へ真っ先に“駆け寄った”ふたり。“やはり”とノミニオは思った。顔色悪い“マミア”を、仲間の“リッツ”から受け取った“ふたり”が、マミアが具合の悪い理由を話されていた。“自業自得だ”とノミニオは思った。“自分だって異世界へ”
“行きたかった”のだと。
“マミアの奴より、俺のがきっと”ーーーーーーーー。“カーズィさん”の役に立ったよーーーーーーーーと。
ノミニオはカーズィ達が居ない間に、此の星中を駆けずり回っていた。“準備”の為だった。
“地上”の“駄目になった植物達”の代わりと生るべく、華月 陽藍から届けられた『植物』達を、『配置決められた場所』に、届け、又植えたのだった。『優』を連れて。
異世界人『優』は、『植物』に詳しかった。扱い慣れていた。
陽藍がノミニオに言った。『優は木材の“プロ”だから』と。
「良く勉強してたから、役立つ筈だよ。」と。
届けた“樹木等の植物達”を、どう植えるのか『マサル』が的確な“指示”を出し、実行されたので在った。後に為って優本人が言った。自分はーーーーーーと。
“建築家”ーーーーだったのだ。木材の建築建物に拘った優は、材木もだが、『植物』そのものに詳しかった。“庭”も合わせて“彼”の建築だった。洋服に合わせる鞄や小物、トータルコーディネートの様なものだった。“庭まで合わせたデザイン建築”を提供、提案する建築デザイナーとして優は有名だった。
もう“過去”の事だが。
彼はもう“帰れなく”なってしまった。此の星に“魂”が“安定”してしまったのだ。“彼の意志”によって。ノミニオは其の話も聞いた。“陽藍”から。“優”と一緒に。
カーズィ達を迎えに行く前の、自分の“仕事”を終えた“青”が、やはり自分達の“役割り”を果たしたノミニオと優の処へ来て“言った”のだ。
“まさるーーーーお父さんから”「話が在るよ。」と。
暗い顔だった。異世界“神”、“アスタ・バーシル”が少し離れた其の場所から不安そうな顔で、それを見て居たのだった。彼は“青”を心配していた。がーーーーーー、
“陸”だった。何故か又“子供達”を連れた“陸”が、アスタ・バーシルへ何か言った。
それは少し離れた場所からの、ノミニオの元へは聴こえない声だった。ただーーーー
“バーシル”の表情が和らいだのを、ノミニオは見た。“可愛い子供達のお陰だろうか?”ノミニオは漠然とそう思った。ーーーーーーーーーー。そうでは無かったが、ノミニオが真相を聴かされる事は残念なのか無かった。ーーーーーーーーーー。ただ、陸の言葉でバーシルの“不安”は無くなったのだった。その後の子供達は、お手伝いなのか“遊び”なのか理解らぬが、ちょこまかと“その辺”に居たのだった。植物を持ったり、置いたりしながら。
ノミニオも忙しかったので、良くは見ては居なかった。常にふたり一緒だったので、多分大丈夫なのだろうーーーーと感じた。陸の“子供”だからーーーーと。“賢い”のだろうーーと。
普通の“子供”では無い様なので、無駄な心配なのであろうと余り気にしない事にした。
ノミニオは手にした“地図”を握り締めた。“陽藍”から、沢山の“種”や“樹木”等と共に、“渡された”物だった。植える“植物”達の、『配置』地図だった。
龍や異世界から来た『アレフゥロード・ガイサース』氏や、陽藍が娘と呼ぶ“佐木 友理奈”により“浄化”された洞窟ーーーー『ダンジョン』の再利用計画『書』だった。
一度“此の星”から居なくなった“陽藍”は、“大量の物資”と其の『計画書』を持って戻って来たーーーーーーのだった。
そう、彼の『仲間』と共に。ノミニオは陽藍が羨ましかったーーーーその、『笑顔』が。
ノミニオ・プランツはもう一度“決意”した。“報酬”について。願いを伝えた。
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『あなたの“弟子”にしてくれーーーーーー』ーーーーーーーーーーと。言われた陽藍は少々面食らった。が、その後で笑った。“其処迄思い詰めるなよ”と。
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「ーーーーへ? ………………………………。いいの?」
ノミニオは自分でも思う程の“ちょっと間抜けた声と言い方”で、そう言ったので在った。一大決心して玉砕覚悟で陽藍に“弟子に!”と懇願してみたら、“良いよ。”と言うのだ。
拍子抜けしたのだ。
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しかし、陽藍は言った。“仲間”の顔を見ながら。“弟子”と呼ぶ程の“教え”なんて「無いしな?」と。
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「はい?」
「嫌、だからーーさ、」
ノミニオの言葉に答えたのは、陽藍ではなく彼の友人、其の日一緒に来ていた“美津原 美津之”と名乗った男だった。もうひとりは“大森 直人”と名乗った。何方も雰囲気ある好い男だった。美津原という此の男は、小顔で細身な引き締まった身体の、シャープな印象の男で在った。
一度見たら“忘れない”タイプの印象と顔立ちで在った。その彼が言う。
「俺“達”の“理屈”は“シンプル”なんだ。御前等と“違って”な。」と。意味の理解らないノミニオに、もうひとりの男が続けた。
「“俺”でも使えるからな。」と。
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“大森 直人”と名乗った男は、華月 陽藍よりやや背の高い男だった。案外細いがしっかりとした骨格を感じた。“鍛えているーーーー”と。“暴れ出さない凶暴な獣”を、ノミニオ・プランツは連想したのだった。“動”が“静”を演じている様な、そんな印象を得る男だった。
爽やかな風貌なのにーーーーと、ノミニオは不思議で仕方が無かった。謂うならば“尚人”とは、“最強の獣”がきちんとした“服”を着て、野生では無く“御洒落な街”にて素直な笑顔で“佇んで在る”ーーーーーー様な、そんな“存在”なのだ。
ノミニオの“勘”は、間違いでも無い。但し、大森 “尚人”とは理性を失くし暴れる様な“存在”で“無い”だけだ。彼はとても“真面目”な“常識人”なのだ。
尚人と美津之は頷き合っていたが、ノミニオにはさっぱり理解らなかった。“陽藍”に『詳しく』“説明”される“迄”は。
そうして“彼”は、“弟子”の称号を得たのだ。此れは後に“マミア”に相当“羨まれる”事と為ったのだが、其れは今は又別の話だ。兎にも角にもノミニオに付いた“称号”は、“3つ”だったのだ。『師』の『名前』が、三つ“其処”に並んだのだから。
“異世界『と或る星』最高峰【神】の弟子・〘ノミニオ・プランツ〙”
“異世界『と或る星』最高順次神の一番弟子〘ノミニオ・プランツ〙”
“異世界『と或る星』構築構成神〘mitumo〙の教えを受けし〖者〗”
ーーーーーーーーーー。と、在った。ノミニオは正直“夢”かと思ったのだった。ーーーーーー
其れは。“互い”に認めた其の“証”だった。因みにだが、当初の“約束”の“加護”ならば、“約束だから”と『陸』が授けてくれたので在った。喜んだのを見て“青”が“じゃあ僕も”とそう言ったが、“青”が軽くトラウマだったノミニオは、後退った。
苦笑した陽藍達が、“そうだ”と言い、なんと“バーシル”を呼んだ。“青の代わりにバーシルから授けて貰え”と。“俺達のは飾り”だからな?と。
アスタ・バーシルは、陽藍との“約束”を果たし、臨時であったが今は神へ『戻った』のだ。此の星が“復旧”する迄の間、“此の星の神”と生る。ヒート・ヴァームスは其の名で理解る様に、“熱”の“女神”だった。故に今の此の星の状況とは相性が悪かった。それで陽藍達は“バーシル”を呼んだのだった。“今だけで良いから手を貸してくれ”と。
“見返り”は“渡す”からと。
此の星の管理を手伝う事に成ったアスタ・バーシルは、ノミニオへ加護を授けた。其れを見ていた“ヒート・ヴァームス”も、ついでよと“来た”、“クラシック・ネグローニ”迄も、“称号”を授けたのだった。
ノミニオは。
“熱”、
そして“水”、
さらに“調合”の『力』を授けられたので在った。
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そして今、そんな“ノミニオ”とは裏腹に、“魔力無き男”は、『ネットワーク・プログラムシステム』の前に居た。『地図』入力の『為』に。
“詳細”を打ち込んで居た。“集めて来た素材”を、“神が創りし水”へ放ったカーズィ・キルシュは、その“全て”の“素材”を、入力中だった。“プログラム・システム”へ。
それで“此の星”の、〖植物・地図〗は、『完成』するのだ。
神が創った地下の或の特殊な水の“球”は、地上の“植物達”の“水源”だった。或の“水”が“無事”な限り、例え此の先『枯れて』も、いつかは『復活』する様に『植物システム』を創られた『水』だった。
ひとつひとつが『混ざる』事無く、又『交ざる』事も無い様に、特殊な『魔力』を構築して『練り上げた』のだ。
其の“作業”を、“マサル”はーーーー。断った。
“そんな事『出来る位なら』”ーーーーーーーー。逃げ出さなかったのだと。其れが“彼”の“答え”だった。“もう放って置いてくれ”。
「なんなら“記憶”もいらない。」
そう言った彼に、華月 青が分かったとそう言った。過去にも『消した』のだ。もう一度同じ事をする“だけ”だった。
“青は『辛かった』それだけだよ”。華月 陸は、ノミニオに聴こえない場所で、
アスタ・バーシルへとそう言い、けれどと言った。
「青は“馬鹿”だから“弱音”吐かないんだよ。」と。
“馬鹿だから、君みたいな大逸れた「悪巧み」は実行しないよーーーーー”と。
「頭の“中”で終わらせるんだよ、彼奴は。悪巧みをね。」
“面倒くさがりの天邪鬼だから、シュミレーション実行したら、「愉しみが今後無くなるだろ?」”
「“企み”を“愉しんで”んだから、やらないんだよ。」と。
アスタ・バーシルには初め意味が理解出来なかった。けれど、陸は言った。
“青の〖悪巧み〗は〖全て〗の【破壊】だ”と。
全てとは全てだ。宇宙〖空間〗全てを破壊しなければ、華月 青の【悪巧み】は終わらない。故にやらない。彼は理解している。〖全て〗には【自分達】も
「入ってるからねーーーーーーーー。」と。
「優しい『青』には、出来ないんだよ。だって。現に『君』………………………………………………」
“生きてる”だろ? 華月 陸は、そう言った。青は、制裁として痛め付けはするが、無駄に《生命》は【苅らない】のだ。だから彼は、【死神】の【ボス】に成れたのだ。陸と違って。
「『終わった』ぜ。」
作業に没頭する中で、カーズィ・キルシュはそう言った。打ち込んだ膨大なデータの“前”で。ーーーーーーーーーー
急拵えの数にして“千”程の地上の植物よりも、圧倒的に多かった。“………………っ、倍は在る”誰かが………………………………確かにそう言ったが、確かに間違いでは無かった。約…………………、
数にして“二千五百”程。カーズィ・キルシュは静かに言った。“理想”には足りなかったと。
「役立たずの『カーズィ・キルシュ』だな。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーと。周りは“笑え”なかった。
“こいつは『阿呆』か”と。十分だった。“彼等”には。




