〜✕ 【新章 】✕〜 ✕ 〖カーズィ・キルシュ.〗 ✕
新章スタート☆!
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ぐらりと揺れる脳ミソを納めた頭が重く感じたが、カーズィ・キルシュは何とかその身体を寝台から起こした。窓からの陽射しが乏しく、寂れた様にも感じる部屋の中で。“仕事”が在るーーーー
“起きねばならぬ”と。
熱の引いた身体が重かった。
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アウトワーク・コミュニティ。冒険者達の職業案内所。新人の指導から此れから登録したい連中への講習会から、何やら。ーーーー何でも御座れ。“冒険者”関連ならば、何でも引き受ける。此処はそんな場所だ。
けれど今は違った。仕事斡旋はしていない。出来ないからだ。仕事が無かった。無いものは出来ない。今此の場所は、“臨時”の“災害解決に向けての相談本部”を置いていた。
“災害”は未だ“終息”してはいなかった。
「ーーーーっ、カーズィさんっ!何しに来たのっ。寝ててよ!」
ノミニオ・プランツ。19歳。先行偵察師の若者が、カーズィ・キルシュの姿を見るなりそう叫んだ。周囲は“其れ”に注目したのだった。
“役立たずのカーズィ・キルシュ”が、“今頃”来たと。
周囲にはこう思われていた。此の“非常時”に、“或のカーズィ・キルシュは女を連れて遊びに出た”ーーーーつまり“逃げ出した”のだと。“戻って”来た“カーズィ・キルシュ”は、直接地下へと行き、地下から『戻った』後は、寝込んで居たのだ。“知る者”以外に、会っていないのだ。ーーーー
そして“其れ”は、カーズィの意志だった。カーズィが寝込んで『居る』間ーーーーに、連れ出された“ユリシア”と“ファリス”、其れから『知らずに』連れて行かれた“リッツやマミアーノ達”の“名誉”は“挽回”されていた。
“災害後事態の解決”をーーーー“手伝う”事で。
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『“大丈夫だ”』ーーーーと、カーズィ・キルシュは、ノミニオ・プランツにそう言った。『待たせたな』と。
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「ーーーー、カーズィさん?『顔色』無茶苦茶悪いんだけど?」
ノミニオがそう言った。“カーズィ”の名を聞いた“支部長”が真っ先に走り寄って来た。“来たのかっ”ーーーーと。
「カーズィ!やっと“来た”!“準備”出来てるぞ!」
此のカンミの町のアウト・ワーク、コミュニティ・ポートリーダー、“ラッシュ・シグサス”は、カーズィ・キルシュをそれはもうあっと言う間も無く、強引に“引っ張って”、奥へと消えた。
『“おまえの話を聞かんと”ーーーーどうしようも無い!』そう言ってだ。
キルシュの“功績”は、一部の限られた人達以外には、公表しない事になった。キルシュ自身が強く反対したからだ。
“『異世界』が在って行って来た”ーーだと?頭可笑しい奴だと思われたくないんだ、ラッシュ。ーーーー頼むよ。
“『理解る』だろ?”
代表でカーズィの眠る部屋に来たワークコミュニティ、ポート・リーダー“ラッシュ・シグサス”は、寝込んでいたカーズィ・キルシュからそう頼まれたのだ。
“言うな”と。ーーーーーーーーーー各コミュニティ、ポート・リーダー達は、渋々受け入れた。代わりに、“復活”したら、“協力”は拒ませないぞ?カーズィ……………………………………………っ、
そう“約束”させて。
商業コミュニティのポート・リーダー等はあからさまで、“カーズィ、おまえどうせ『洗濯屋』の嬢さんと『良い仲』らしいな?だったらーーーーーー”と。
手ぐすね引く様に提案して来たので在った。“どうしてユリシアの話がーーーー。洩れている。”
カーズィは寝床でそう思ったが、此の町が“好き”だったーーーー彼は、“提案”を受け入れた。
“此の町に住む”ーーーーと。何よりもとより“そのつもり”だった。拒む理由は無かった。しかし、“約束”はさせた。“問題点”だ。
「“道具屋”無しじゃあ『話に為らない』ぜ?」と。必須だった。
“宛て”は“在る”のだ。無いのは『記憶』だった。『道具屋』に“する”『男』ーーーーの。
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「ちょっと待てラッシュ。未だ“頭痛い”んだよ。ーーーー少し“待て”。」
別部屋にと入るなり、キルシュはそう言う。確かに顔色も悪い。部屋の中には既に“主要人物”達が、集結して居た。商業会館リーダー、農耕集会マスター、自警団の支部団長、治療技師達のリーダー、剤薬師サークル支部マスター、園芸団体………………他にも未だ居た。各リーダー達や代表の者が、“新しい薬草及びその他マッピング”をしているところで在った。此れが出来上がらないと、冒険者及び他の職種の者達も又、採取に出掛けられないので在った。
“ストック分”の“薬その他”は、後一週間程で、底を突く。特に今は、“食料”不足で魔獣達が気が立っている。
“ベテラン”でも、対峙が危険な状況だった。“餌”を捜していつもは居ない場所でも“目撃”されているのだ。戦えない者達は、“公共の場”に避難していた。
“集会所”や“宿屋”等だ。食事処“薫草亭”のマスター“リコルド”が呼び掛けしてくれ、早い段階から“皆”避難出来たのだ。宿屋には『食事』を提供したリコルドで在った。“材料”だけで引き受けてくれた、有り難い宿屋も、ちらほらと在った。人手不足で寝床だけ提供の宿屋も勿論在ったが、有難かった。
“お互い様だろう”ーーーーと。女主人達は、皆“カーズィ”に協力的で在った。“カーズィ”の名を出すと、どの宿屋の女主人も、あっさりと条件を飲み頼みを引き受けてくれたのであった。“カーズィよ。………………………………『色男』は得だな。………………………”
“ドーリス・リコルド”はそう思った。“彼奴羨ましいなーーーー”と。
カーズィが宿屋女主人達に“人気”なのは、彼女達の代わりにカーズィ・キルシュは依頼で『薬草や山菜や食材』を採取に行ってくれるので在った。
“此の町に居る間”は。しかも。“ついで”なのだ。だからカーズィは、彼女達からの“報酬”は、『仕事納めの一杯のスープなのだ。又は“焼き菓子”や“パン”、時には“食事”だった。
“収納”持ちのカーズィ・キルシュは、此の町の個人経営の得に“女主人達”に、人気だったのだ。“優しさ”で。
薬草や季節の新鮮食材欲しくとも、ひとり切り盛りの女主人達に、洞穴洞窟での“採取”は困難な作業だった。時間的にもだ。或る時泊まった宿の女主人へ、キルシュは“土産”と食材や薬草を渡した。“夕食に使ってくれ。昨夜の夕食旨かったから”ーーーーと。女主人は“歓喜”した。前の日の夕食は、偶々、“外の街で冒険者をしている息子の里帰りの『手土産』の『山菜』だった”のだ。美味い“粉衣の油揚げ”だった。
天ぷらで在る。此の“世界”ではそう“呼ばない”が。“衣油揚げ”だと“フライ”だ。
“フライ”は“或の”世界でも“フライ”だから“理解る”で在ろうーーが。
カーズィ・キルシュは、“此の町”で“初めて”『其れ』を“食べた”のだった。女主人に聞くと、“薫草亭”を“紹介”されたので在った。其処の“マスター”に習ったのだと。其れがリコルドの店に定期的に通う事と為った“切っ掛け”で在った。因みに此の時未だ“ショコラード”さんは、“家”に居た訳だ。知り合ってから“バターさん”の“娘”だと“知った”のだった。
“バターさんの話に良く出て来てたーーーー”と。
そして“他の街”にて“再会”して、“驚いた”訳だ。“『何』してんのーーーーー?”と。
“食事処”の女将とワーク・コミュニティで“再会”等すれば、大概“戸惑い”と“驚き”も『する』ーーーーだろうと。彼女は“依頼”を“請けている”最中だったのだから。
カーズィ・キルシュは、勿論此の時、呆れた。“流石ーー或のバターさんの娘だな”と。
ショコラード・ナーズねえさんは、“否甘党”だった。どちらかと言うと“酒が好き”。
“酒飲み・甘党”の旦那と“口論”して、ファリス“10歳”を置いて“家出”して来たのだった。時々帰ってもやはり喧嘩するとか。
“ファリス10歳に成る前”はどうしてたのだ?ーーーーーー勿論カーズィ・キルシュはそう聞いたのだ。
母“ショコラード”は苦笑いしただけだった。“我慢してたのかーーーー”キルシュは、悟った。
“十年分”の“鬱憤”かーーーーーーーーーーと。見守る事にした。
因みに。此のキルシュが“女主人達”から、依頼を請ける事となった“切っ掛け”も、“パウダー・フライ”で在る。他の同業の女主人達の“ネットワーク”で、カーズィは彼女“達”へ『土産』を運ぶ事と為ったのだ。だからこその“あの様な”報酬だった。
正規の仕事に出る“ついで”に“取って来るだけだぜ?”と。それも“指定無し”だ。“採れた物”を、“要るなら”ーーと、分けるのだ。“お裾分け”の如く。だからちゃんとした報酬を受け取らない。“ちゃんとした”依頼では『無い』のだから。其れが彼女達“みる”、『カーズィ・キルシュ』だった。
カーズィ・キルシュは“こんな”緩い人達暮らす、“此の町”が、大好きで在った。
此れはそんな“物語り”だ。“此の町”の復興ーーーー自分達暮らす“星”の“復興”の為に、
“カーズィ・キルシュ”という“魔力を使い切り失くしている”と或るしがない「調合師」が、『苦労』ーーーー、
そう、
“ひと”より“少し”『苦労』が“多め”な、そんな『話』だ。
彼の“一先ず”の“仕事”は、地図作りだった。“超特急”で。
部屋の中の人物達が皆で、キルシュへの期待を込めた眼差しで彼を見つめたのだった。今は“酷でもーーーー”と。
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