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・『間に合わない』ーー。・

 どうやら決断しないといけないらしい。



 仕方無いなーー



 『カーズィ・キルシュ』はそう思った。そして言った。『ユリシアーー』と。



 ❂___❂___❂



 「ーーーーえ?」


 “ユリシア”は、キルシュの言葉に青褪めたが、ーーどうしようも無かった。ーーーー



 「じゃ、“そういう手筈”で。“頼んだ”ーー“マミアーノ”、“大丈夫”だな?」



 キルシュは“そう”とだけ言って、其の場を離れた。けれど、ーーーーーー





 ×   ×   ×



 「…………………………。“俺”独り(・・)の方が、“身軽”なんだが?」



 「ま〜」   「そう言うなよ。」   「ははは。」



 「あのなあ。……………………はあ。『もう』いいよ。然し、『急ぐ』ぜ?」



 “大丈夫か?”とカーズィ・キルシュは聞いた。“三人”は三者三様に頷いたのだった。辛くーー。苦くーー。ーーほほ笑みで。ーーーーーーーー





 その頃マージーは毒を吐いていた。“カーズィの野郎っ”と。側の“ミモザ”が、青褪めた。


 ❂   ❂   ❂




 「ユリシア“ねえちゃん”?大丈夫?」


 ファリスがそう言った。ユリシアは応えた。“うんーー”『大丈夫』ーーーーだと。



 ペルウィアナが、先導していたのだった。




 ×   ー   ×



 「聞くが、“此の近く”で“ハーブ”が豊富な場所ってあるか?“人工”でも“天然物”でも何方でも構わないーーあるか?」


 カーズィ・キルシュはそう言った。


 「あるにはあるーーが。」


 シランが答えた。


 「ーーが?」


 「“人工”で“構わない”んだな?」


 「ああーー問題無い。」しかしーーとシランが言う。“何だ?”ーーキルシュは聞き返した。



 “例の花は?”と。シランは返した。カーズィ・キルシュは応えた。




 ❂   ❂   ❂



 「何が“諦めた”だっ。ーーーーっ!ーーーーっ、あの“馬鹿男っ”ーーーーっ、! 」


 マージーは“悪態”ついた。“ユリシア”の前で。“ユリシア”の“顔”が“沈んだ”のをーーーー、“ウィアナ”は見た。ファリスはそれに、“肝”を冷やして“居た”のだった。



 マージーが“カーズィ”を“好き”なのは、ファリスが見ても“一目瞭然”であった。ファリスの父、“ドーリス”・リコルドもそれには気付いていた程だ。気付かないのは、“店の常連”位で在ろう。それ位マージーは、分り易かった。マージーの“照れ隠し”は。カーズィ本人も気付いているだろうーーと、ファリスは思っていた。


 マージーがファリスの家で働いている理由すら“カーズィ”だろうーーーーと。



 問題は、“ユリシア”だ。ファリスはそう思った。多分“ユリシア”も、気付いて(・・・・)在るーーーーと。



 マージーの“気持ち”に。ファリスはユリシアが好きだった。“本当の姉”の様に。“ユリシア”に、幸せに成って貰いたいファリスは、ユリシアがカーズィを“諦める”事態が、ーーーー





 恐かった。だから付いて来た。“マージー”が“行く”ーーーーと聴いて。“ユリシア”を“護る”為に。“華月 陸”と、“華月 陽藍”の“頼み”で無くとも。恐らく自分の意志のみでも、ーーそうしただろう。ユリシアは此れ“以上”、不幸に“なる”べきでは無いーーーーと。



 少し“強引”な“マージー”が、“苦手”ーーだった。父に“無理”に“頼み込ん”で、“短期間で良い(丶丶)からーー”と、働き始めたマージーの事ーーーーーーが。



 ファリスは“少し”、“苦手・・”だった。



 “カーズィ”にも、“可愛げ無い”態度になるーー彼女の事が。ファリスは、キルシュを“尊敬”していた。彼は一時“冒険者”稼業に憧れていたのだ。


 カーズィはファリスに、“色々”教えてくれた“人”だ。“厳しさ”も“旨味”も。


 冒険者に“憧れた”のも“カーズィ”のお陰なら、冒険者を“諦められた”のも、カーズィの“お陰”ーーだった。


 もう少しだけファリスの“あの町”が、賑やかならーー



 キルシュは“あの町”を“拠点”にしてくれるだろうか? 少年ファリスはその様な事を、思っていたのだった。



 台無しにしたのは、マージー・レッドランだった。時々“町”にやって来ていた彼女は、いつだったかファリスの家で、カーズィと鉢合わせたのだ。ふたりの様子から、マージーとは昔、カーズィが“悪名”を立てる“羽目”になった“原因”だと気が付いた。なのにーー




 “酔った振り(丶丶)”の“マージー・レッドラン”は、まさかの“カーズィ・キルシュ”への告白・・をしたのだ。“惚れているーー好きだ”と。





 “昔の事があるからーーーー”「言えない」ーーー想いだと。“悪いと思っている”ーーーー




 “あの時は本当ーー”悪かった。“事実”の確認を怠った。ーー“失態”だったーーーー



 “キルシュが居なかったら今冒険者(アウトワーカー)”やってないーーーーと。




 マージーは新人時代、“知り合いの伝手”で、キルシュの“オリジナル・カクテル”を飲んだらしいーー。そして感動した。“いつか当人”に会いたいーーと。努力したらしい。健気にも。



 だが、“案内所”からの“依頼”で、カーズィには“恋人”が居た事を知る。“イロミ”の街の“踊り子”だ。自分とは違う、“細い”色気満載の“美人”が好きなのかとーー彼女、マージーは落ち込み、そして気付くと“依頼”を請けていた。勿論、“カーズィ”に会いたかったので在ろうーーーーーー。




 見付けた“カーズィ・キルシュ”に、悪態ついた。八つ当たりというよりは“思惑”が在った。



 “覚えて”もらえる。“嫌がらせ”にも為る。何より、“カーズィ”を弱らせたかった。



 “仕事が無くなり弱ったカーズィ”を、絆したかった。弱り切ったカーズィに優しく助け舟を出し、“誤解”を“解く”力に“なる”ーーと申し出て、自分の“ポイント”を上げたかったのだ。“彼女”は。ーーーーーーーー。此処でも“恋は『盲目』”ーーーーだった。




 然しカーズィとは、“そう”甘く無かった(・・丶丶丶丶)のだ。人生と一緒で。




 “打算的・・・”ーーーー未だ“少年”なファリスは、そう思った。“嫌いだーーーー”と。




 そしてファリスは“ユリナ”に出会った。“ユリシア”の“中”に“存在”した『友理奈』ーーに。



 ファリスは『友理奈』に、『救われ』たーーのだ。あの、『純粋さ』に。本気で好きだった。



 叶わないーー“想い”だったーーが。残念に思ったが、先日“会った”友理奈ーー『ユリねーちゃん』は、幸せそうだった。ファリスはほっとしたのだ。



 好きだった彼女が“幸せ”ならば、ーーーーー。それで良いと。“直夏”は良い人だった。“だから此れで良いーー”と。



 “マージー”の“直夏”を見る“眼”にーー、正直“怒り”を覚えた。“節操無いなーー”と。



 “カーズィさんを、好きな癖にーー”と。“それは其れかよーー”と。




 今回だって“自分達の住む星の危機”だとーー『理解って』在るのだろうか?と。




 マージーは、正直言って、“薬草”にも“食物・・”にも、“植物”にも、“薬”にも、今回“必要な知識”についてーーーーーー“殆ど何も持って居ない”ーーーーのだ。



 冒険者アウトワーカーなのにだ。“護衛”がメインだからだと彼女は言ったーーが、それでもだ。“ソロ”の冒険者の割りには“知らなさ”過ぎた。それが“ファリス”が“みた”、




 “ウェイトレス”の“マージー・レッドラン”だった。彼女は“料理修行”と父に申し込んで来たが、ドーリスに言わせても息子ファリスと略“同意見”だった。



 教えてみたが、思う程“覚え”無かったーーらしい。“期限が来たら辞めて貰うから、構わない”ーーーーそう言った父が、当たり障り無い“料理”だけ教えて、後は“給仕”の仕事ばかりさせていた。だからファリスも其れ以上何も追及・・しなかった。




 それよりも。




 ある日、“初めて”カーズィ(丶丶丶丶)を“見た”ユリシア(・・・・)が、ファリスに言ったのだ。




 “ねえ?ファリス。ーー今のひと、『誰』?”と。




 “? 何で? ユリシアねーちゃん。今のひとがどうかしたの?”ファリスはユリシアにそう聞いた。答えは“意外”だった。“良い香り”ーーがしたと。




 “甘い花のにおい”だと。“夏”の“ある日”だった。後から知ったがカーズィはその日、と或る“伝手”から、“花”を入手していた。勿論其の“花”は、今はもう彼の手元には無い。




 “其れ”があれば“此処”まで来ていなかったかも知れないーーとは、は言わない。



 “台無し”なのだ。



 ファリスが“ペルウィアナ”について黙々と目的に向かっていたーーその刻に、肝心のカーズィ・キルシュは“山の中”だった。ひとりでは無かったが。





 ❂  ❂  ❂



 「もうそろそろか? “シラン”ーー」


 キルシュはそう言った。は聞いたーー



 「何で“わかる”んだ?」と。キルシュは答えた。



 「“何で”って。リッツ。“もっと緊張感・・・”出せよ? “気配”が言ってるーー“此の先”に“其れ”が“在る”ってさ。しかもーー」




 「“おまけ”つきですね。カーズィさん。」


 「だな。ーーどうすんだ、カーズィ。俺が“地の利”活かして“切り込む”か?」



 「本当ホントにさー。“シラン”はさー。“顔”と“中身”が別人・・だな。」



 “何でだよーー”と、シランが言った。“おまけ”と言った“イチゴ”さん(丶丶)は、苦笑いしてた。




 “”に言わせりゃ(丶丶丶丶丶)カーズィさん(・・・・丶丶)、アンタこそ『見た目と中身』が伴っていないんだが(丶丶丶・・・)?   なあ?



 『何がいるのーー』と、リッツ(丶丶丶)はその声を絞り出した。




 “虫も殺せない優男”の様な『顔』をした(・・)カーズィ・キルシュという名の男は、答えた。




 「そこそこの“人数”? 結構な“集団”だな?」と。





 「まあーー“強そう”なの、“居ねえ”けどな。いいよシランーー俺“殺る”から。ーー」と。





 “どうせ盗賊。討伐・・対象だろ?”と。にっと笑った。中々“楽しそう”に。“急ぎだからな”ーーーーと。




 “早くしないと間に合わないーー『分担・・』しようぜ?”カーズィ・キルシュはそう提案したのだ。




 『俺はちょっと“行って”、“その山”の向こうに“視え”る“薬草・・”取ってくるからーーユリシア。ーーーーペルウィアナに頼んで、“他の物”の“採取”を頼む(・・)。』








 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






 “何”が“視える”って? 嘘だろ?




 “香り”も“そう”言ってるなーーと、彼は確かに“そう”言った。“時間に間に合わなけりゃ置いてけ(丶丶丶丶)



 だから“独り”で行くと。





 “カーズィ・キルシュ”。“アウトワーカー”で“其の名”を知らない(丶丶丶丶)は、“モグリ”と呼ばれちまうーーーーは“そんな”存在・・だった。“俺達”の“星”ではーーーーーー





 “最高のブレンドメーカー”にして“アウトワーカー”。“調合冒険師アウトブレンダー”だよ。“ソロ”な事でも“有名”だった。“煩わしい”のだーー“仲間”が。





 ひとり(ソロ)で“全て”熟せる(丶丶丶)『最高』のアウト×ワーカーは、“仲間”が居た方が、“行動”が制限されてしまう(・・丶丶丶・・・)



 “強過ぎ”るんだよーー“キルシュ”は。




 “知識”、“実力”、“経験”、“成功率の高さ”ーーどれもが其れを肯定していった。“彼は最強だ”と。




 “俺達の星”では。俺はキルシュより強い“存在”をーー知らない。最早“過去形”だが。



 “間に合わないならーー置いて“行け”ーーーー”先に“帰れ”と。そういう“事”だ。“自分ひとり”なら、“何とか”ーーーー為るーーーーと。




 けれど“俺”にはそれは出来なかった。せめて“護衛・・”位、やらせてくれ(・・)よーー




 カーズィ“さん”。頼むから。“俺”だって“此処(知らない星)”まで“来た”んだ。









 なあ?

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