・取り敢えず『泊まる』ーーがな?・
「っ、イチゴっ」
先程の“姉上”とやらが、部屋に飛び込んで来たのだった。一回目よりも更に派手にだ。ーーーー煩いな、こいつ。静かに“入って”来いよ。
「どうした?ベニバナ。」
陽藍がそう言った。“ベニバナ?”彼女は“ベニバナ”というのか? もしや。
言われた“ベニバナ”とやらは、陽藍に声を掛けられて泣き出したのだった。
「………………どうした?其れ。もしかしておまえ………………“洗っちゃった”のか?其の“和希”の、“ヴィンテージ”ジャケット…………………。(其れ限定物で既に“生産終了”の奴だよな………………確か。和希“君”お気に入りの奴だよな〜。)」
「………………“ヴィンテージ”ってなんですか? 陽藍おじ様? 直りますか? 此れ……………」
「ごめん直せない。(…………下手に“直す”と“まだら”に為るな、アレ。申し訳無い…………………が。洗う“前”だったらなあ。………………………。)」
と、いうやり取りが在って。“ベニバナ”と言われた女はーー“絶望”していたのだった。泣きながら。イチゴが話を聞き出しながら、“慰めて”いたが。シランが言った。
“悪巧み”してるから“止めろ”って“言った”よな?と。
ペルウィアナの話を“聴く”限り、こういう“事”らしいーーーー
ベニバナは、“カズキ”という“男”から、その“ジャケット”を“借りた”と。が、うっかり“コーヒー”をこぼしてしまったと。“コーヒー”とは、“コヒ茶”の事だった。で、“染み抜き”しようとして、“ペルウィアナ”を連れて“行った”と。何でペルウィアナだったかは、ちょっと驚きだが、ペルウィアナが“洗濯屋”らしいぞ?
ほ〜う。ユリシアが当然“反応”してた。それでユリシアが言ったんだ。遠慮がちにだったが。
“柔らかく”しなかったのですか?ーーーーーーと。
つまり。ペルウィアナは本人も言っているが、“未熟”な洗濯屋だった。×××××××××××
で、ーーーーーー“やっちまった”訳だ。“布”を“理解”しないで洗うから、“そう”為るんだろ?俺もそう思った。
ユリシアの言い方は、もう少し“柔らか”かったが。“洗い方”みたいにな。汚れだけ落とす為に、ただジャブジャブと洗って、布を“駄目”にしたと。デリケート“素材”だった“其れ”が、“ゴワッゴワ”に為ったーーーーーーと。嫌為るだろうな。
更に。“直そう”と焦って“繰り返した”と。うん。何でだ? 駄目過ぎるな。
必要以上に“洗浄”された“布”が、等々“色”が“抜けち”まったらしいーーーーーーって。そうなる“前”に、気付いてくれよ。陽藍も言ったが、此処まで“なれ果て”だと、施し様が無い。
「無理だな。ーー確かに。」
俺はユリシアを見て、そう言ったのだった。
ペルウィアナがひたすら謝ってたが。ベニバナは泣きながらも“違います!ペルウィアナは関係ありません!私です!”と、主張した。悪気は無かったらしいーー“無知”って“こわい”な。
此の“騒動”のお陰で、結局“泊まる”事に為った“俺達”だったのだ。
× × ×
ーーの前に、“ひと騒動”在った“訳”だ。
× × ×
「ーーあのーー」と、ユリシアが“遠慮がち”に言ったのだった。俺の横で。とても“すまなそう”に。“謝罪”だった。
× × ×
「ーーユリシア? どうした?」
「ユリシアねーちゃん?」
マージーとファリスが、順にそう言った。そういえばだが、俺より此のふたりの方が、ユリシアとは付き合いが長い事を思い出した。
× × ×
「あのーー先程私、本当は気付いたんです。でもーーまさかと思って。引き留めませんでした。洗濯屋“失格”ですね。引き留めて、確認すれば良かったのに。本当にごめんなさいーー」
ユリシアはそう言ったのだが。
「待って!」と、なんと、“シラー・ペルウィアナ”が叫んだのだった。俺達が、驚く程に。
嫌それよりユリシア。気付いたか気付かなかったかと言うなら、俺も気付いた。“コヒ茶”の薫りにな。でも俺も“まさか”と思ったんだよ。真逆ーー布ボロッボロにして来ると、思わないだろ。誰もな。
ユリシアのせいの訳が無いーーと、言いたかった。けれど言えなかった。ユリシアの“優しさ”を、否定したくなくてな。ーーーーーーーーーーーーーー
「おねえさんは“洗濯屋”さんなの?! え! もしかしてーー“ユリナ”さんにーー似てる?!」
ペルウィアナはイチゴに呼び掛けた。“確認”の様に。××××××××××××
“意外”な“質問”来たな。何で“洗濯屋”の件に食い付くんだ?此の娘?
“ユリナ”ってさっきの“陽藍”の“娘”の事だよな? ユリシアにーー似てる。
だろうね。と、俺は思ったのだが、説明しなきゃ為らんのか?此れ?
なあ?ーーーーと。正直面倒だった。××××××××××××××
“ペルウィアナ”ーーと、其の時漸く、陽藍が言ったのだった。もっと早く“執り成して”くれないか?大将。ーー頼むよ。
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で、陽藍が“ざっくり”と、それはもう顔が引き吊る位、“ざっくり”とーー。ペルウィアナとついでに“ベニバナ”に、説明して“諭した”のだった。陽藍の此の“ふたり”の“扱い”は、“子供扱い”だったーーーーと、だけな。
“彼女はユリシアさん”ーー“ユリナ”と“似てる”のは、“偶然”だ。けどーー
「詳しくは“話せない”から、ーー聞かない。良いな? 後、“上着”は、諦めろ。大丈夫。“和希”は怒らない奴だから。俺から“説明”するから、ほら。其れ“寄こ”しな。」
と。ああーーと言って、
「“洗濯屋”の話な? 後で“教える”って言って“そのまま”にしたか。ーー悪かった。確かになあ。“柔軟剤”って言ってもわからないしな、お前達。さてどう“説明”するかなーーーー」
と、言ったのだった。が、ーー
「でもおじ様ーー私は。そうだ“和希”様に謝りに行っても“良い”ですか?連れて行ってくださいーーおじ様。帰られるのでしょう?私も行きます!」
ベニバナがそう言った。呆れ返ったのは、シランだった。“無茶な姫さんだな”ーーと。
「あのなあ、“姫”さん。そんなに“何往復”も“簡単”に出来る訳が無いーーだろ。脳天気か、あんた。たくっ、『王子』からも何とか言えよ。『姉』だろ、“あれ”。此れだから“温室育ち”のーー姫“さん”は。ーー良いか? “相手”の“迷惑”も考えろよ? ーー和希って。ーー“あの人”ーーだろ? ウィアナの“時”の。ーー今日“一日”姫さんの“子守”させられて? おまけに“もう一回”会えって。『勝手』過ぎるからな?
『陽藍』さんが、伝えてくれるって言ってんだから。ーー頼めよ。大体“その人”ーー
“姫さま”の“為”に、“態々”来たんだろ? 様子“見”にーーな。はあ。たくーーな。」
言い切った“シラン”が、陽藍に『言った』のだった。『あんたが“弟子”に甘いからーー』と。溜息混じりに。陽藍が其れに返した。
“おまえ”も一応「俺の“弟子”じゃなかったか?」と。そうだよ!と、シランは言った。
“俺にもあんたは”「甘いんだよ!」と。
“辛くすりゃ良いのか?”と、俺が言ったので、陽藍が笑ったのだった。“じゃあ夕飯にするかーーーー”ーーと。
「“ベニバナ”、“ブス”になるから“泣きやめ”?な?」
陽藍は言ったが、ベニバナは泣きながら夕飯だけ食べて帰って“行った”のだった。シランが、“ひとまず置いて来る”と、言って“消えた”のだ。ああ、そうかーーーー
“あいつ等”と“同じ”方法で「“飛んで”いる訳かーー」と。横の男は、俺に返した。
“略”、『正解』ーーーーと。「“略”?」
俺は又そう返した。ーーーーーーーーーーーーそして夜は更けたのだった。此の“日”は。




