・優の真実。・
「………おじさん……」
優は躊躇いながらそう言った。
× × ×
「あ〜陽藍オジサン………それで。実は俺急いでて」 「待てよ。」
橋本 和希の言葉を遮ったのは優だった。「で、ですね、」 「!!待てっていったろ!」
「〜という訳だから、一旦先に帰ります。手伝えなくて悪いんですけど。」
遮りはしたが、相手にはされなかった。ディランズと、ディランズを心配して残る決断をしたリィンツィオだけが、呆然とそれを『観て』いたのだった。ーー辛くも。
× × ×
かくて、皆『目的』へと散ったのだった。卓は紺を龍の元へ連れて行った。その目的で『戻って』来たのだから。そして、陽藍は『何処か』へ消えた。指示だけ残して。
ディランズは薫草亭の二階か、宿屋に待機している様、言われた。少し休めと。薫草亭の二階では流石にか気が引けたディランズはリィンツィオと共に一旦宿屋に引きあげた。薫草亭のマスター・リコルドに、この後戻って来るであろうノミニオへの言伝を頼んで。『宿屋にいる』と。
海と巧と海友人一同も、教師橋本へと『……何しに来たの?』と苦言したが、陽藍に新たな『課題』を出され、其々散った。二人、ないし三人が一組で。
友理奈と直夏だが、卓に『本来』頼まれた『仕事』を熟しに、出掛けて行った。
友理奈と直夏だが、本来『隠れた』『入口』探しを依頼されたのだ。隠し洞窟及び洞穴為る〜『総植物各種群生地為植物及薬草其之他之寝床』〜の。又、洸だが地上………正確には『空』から『渇き過ぎた土地』へ『雨を降らす』手伝いをしている。と言う名目の殆ど龍の護衛をしている。ーー龍は本来護衛等要らぬ力量の実力者だが今回は急ぎで在った為だ。一々物珍しい『龍«異種ドラゴン»』に見学がてら挑み来る魔物達の相手等してられない。ーー故にで在った。ーーそう、神の怒りをーー落とす訳にもいくまいな〜と。
洸程の力量在らば態々挑み来る敵等も、此の星には存在しなかった。
今回来れなかった華月家四男『友』の代わりに、洸が悦んで引き受けてくれたのであった。又、卓の代わりについてーーだが。ーー実は洸の双子の『兄』でも出来る事であった。だが今回龍は敢えて青に依頼ーー仕事を言い付けた。友が来れなかった今回の案件、本来、青は『詰まらないから』ーーと断わったのだったが、龍に言われた訳だ。ーーお兄ちゃんの立場ーー『無くなる』ぞ?ーーと。
脅しと言う無かれ。文字通り『兄としての威厳』がーー削がれたり壊滅したりする位で在る。華月家では。
役に立たないと尊敬されないので在る。ーー可愛い可愛い愛しの弟達から。そう。何も隠してはいない事だが、華月の兄達は全員弟溺愛量過剰だった。嫌われなくとも尊敬から外れるのはとても『厳しい』事なのでーー在る。辛くもだ。
兄に愛され過ぎて弟はうざく思わないか?要らぬ心配で在るとだけ。甘えれば何でも買ってくれるイケメン集団を嫌う馬鹿な弟は華月には居なかった。安定である。傍から呆れられるが。父はもっと『酷い』ので大丈夫で在る。母も又然りだ。
さておき。
そんな一家の『五男』青、彼が『普通』の訳は無かったのだ。ーー辛くかどうか。
青は永く『末っ子』だった。甘えたで在る。我儘甘えたツンデレの青が、兄の『友人』に優しい『訳』はーー無かった。する訳が無い。又、青が友の『友人』に酷い事をしても、友が青を嫌う事は無いーーそれは自信があった。青にはーー。『危害』さえ加えなければーーだが。
馬鹿でも無い青は、『弱い者虐め』等は、しない。意味も興味も無いからだ。青はそんな『詰まらない』事はーーしないのだ。興味も無いのだから。しかし、
『逆』はどうか?
橋本 和希は屈託無い性格をしていた。又『馬鹿』でも無かった。そして友、自分の友人の事を好きだった。『範囲』を弁えていた。自分の『立ち位置』を。
陽藍が気に入っている『箇所』も其処だった。『出張り』過ぎないーーところ。『空気』を察しれるところ。『役割』を果たせるところーー
余計な『事』をーー口にしないところも又そうだった。
然し、『優』は。ーー彼は『違った』ーーらしい。
優が『こんな場所』にいる要因に、華月家五男『青』はーー関わっていた。然し其れは『彼』の知らない『ところ』で。ーーーーーー知る訳は無い。彼は『興味』等、無いのだから。
優は、『と或る』日、『友の秘密』をーー知ってしまった。青が要因でだ。その日優は『前世』を思い出した。友の友人だった『事』を。『青』を『みて』だ。
友と青は『見た目』が良く似ているのだ。そして彼は思い出した。『封じられた記憶』を。
友と『友人』だった『事』を『忘れていた』記憶を。青に依って。一度、優は『いざこざ』に巻き込まれた。遠い『前世』で。そして『目撃た出来事』を忘れさせられたのだ。青の仕業だった。余り柔軟で無い優の脳は、友や青の『正体』を受け止め切れなかった。落胆した友をみて、青が『やった』のだ。『記憶の操作』を。ーーーー無論、友の為にと。その時に和希も『居た』のだが、和希は既に『知って』いた。彼等の『正体』を。
因みにだが、実はその時『山田 理一』も一緒だったが、その時の彼は未だ『吉川 理一』だった事は、又別の話と為るので割愛する。理一も『その時』彼等の『仲間』に成った事も。
仲間に成れなかった『優』は、そのまま普通の友人として彼等は過ごした。ただ『それだけ』の事だった。そして、『縁』の無かった優とは、『その後』の人生の中で、『巡り合う』事はーー無くなった。又『出会う』と、ーー『記憶が甦る』切っ掛けと為り得るからだった。『人では無い』ーーと知られたくなかった。
然し、優にしてみれば『不本意』だった。いつの人生でも『おそらく』思って『在た』のだろうーー『自分には親友がいた筈だーー』と。その思いは等々『青』の『存在』へと辿り着いた。辛くか幸いか。
優は『友』よりも『青』に『縁が在った』ーーという事なのだからーー辛くか幸いなので在ろうーー優には。巡り合えたのが友の方だったならば、何も問題は起きなかったのだ。彼には。
青を『目撃』した彼には、『マイナス・エネルギー』がーー発生した。『負』の『感情』だ。元々『神』と『友人』に成れる『力量』である。彼等に『近しい』のだ。そしてそれ等は『無防備』だった。神に『近い』だけで、何の力も知識も力量も持ち得ないただのーー人間。果てしなく脆い。身体も『心』も。『神に類するモノ』から見れば。そう、優に何が『起きた』のかーーは、
他の星の悪しき企みの『神』に目を付けられた優は契約の末に『他の星』へと『移動』したのだ。『転移』と呼ばれるモノだった。然し、そもそも『契約主』はーー『星の管理者』ではーー無かった。ーー当たり前で在る。ひとつの星の管理者レベルのものがそんなふざけた事を実行すれば仕事剥奪の野良神である。ーー成りたくは無い。ーー誰もが。ーー神々のーー最高の存在に溜息を吐かれ嫌われたく等無いのだ。憧れの存在に。野良は辛い。と。ーーーーーー
では『悪巧み』ーー嫌悪しき企みの神とは、何者か。と或る其の星にて、神の小間使いをしていた『小者』だった。望んで神の小間使いと成ったにも関わらず、『昇級したい』ーーと無茶を望み、時々ちまちまと悪巧み故の『失敗』をし咎められ『後のもう無い』ーーそいつだった。
挽回してーーいつか昇級、『夢は一星の神様』ーーだった『そいつ』は、常に『アンテナ』を張っていたのだ。他星への『ちょっかい』は取決め規定違反なのにだ。『視る』位ならば、中々『バレない』のだ。『侵入』はバレても。
本来『結界』に依り許可無しの『出入り』不可能為る『星』からーー『優』を連れ出せた『真相』はーー何の事はない。優『当人』が出て『行った』のだ。異物の『侵入』及び『逃走』を防ぐ『結界』は、ーー実は初めから『内部』に居た『モノ』の『外出』は拒まない仕様だった。此れは陽藍達の『都合』故の為の仕様であり外部秘、案外重要機密なのだが、常に『覗いていた』そいつはーーもしやと思った。そして誤りでも優の命が失われるだけで、失われれば『バレやしない』と考え実行させたのだった。自分の腹は痛くない故に。
その『仕様』だった理由は意外にか単純で、自分達が出る時の為の手間や、又他の理由も在った。つまり、内部から何かの衝撃に依り『結界外』迄飛ばされる事が在らば、『下手な怪我をしたくない』ーーという。それ程に陽藍達の星の『結界師』の其れが強力だったのでだ。考えた末の仕様だった。そして、入るーーつまり帰宅にはーー少し『コツ』が要るのだが、今はそれ等のからくりを語るのは不要で在ろう。故に省く。
勿論、優が此の酒星にいた理由の方だが当然『浅はかな計画』は暴かれる迄も無く露見した。そして苦し紛れの言い訳に『証拠』は適当な『記憶処理』で『酒星』にーー無理矢理飛ばされたーーそういう訳だった。ーーそこをカーズィが『拾った』と。ーーそういう経緯だった。
行った小間使い解雇犯人は、『優が見付からなければーーばれ・ない!』ーーと思いし浅知恵だった。
勿論処罰中で在る。ーー内容迄は語らない。聞きたくも無かろうと。
ーーーー『っ俺はどうしたら良いんだっ、ー!』とーー苦く吐き捨てた優を見ながら、青がこう言った。ーー『馬鹿』と。
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一方白神の星の方は、晴れ渡っていた様だ。酒星と違って。
第一部・完。 〜二部へ続く。
証拠が、正しいです。御来場有難う御座ます!m(_ _)m




