表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/149

・『降って来る』。・

 「おまえって『別件』の相談で態々来たんだよな?」


 良いのか?と華月 陽藍は問うたのだった。



 ×  ×  ×



 和希が『あれ?』と言った頃、苦しそうな『それ』はこう言った。『…………陽…………藍…………』と。そう。神だったモノは華月 陽藍の名を呼んだのだった。だが、



 「ーっ、わっ」



 「!!」



 最近では空からは『人』が『降って来る』らしいーーと、俺は思ったのだった。空から男ーー『青年』が降って来て、彼を目にした何人かが叫んだのだった。




 「は?!」  「イチゴ!何やってーー」  「やっ、待て!」  「え?上?」



 「!!」



 「え?」


 「「「「「わーっ!!!」」」」」




 「ちょっ、こら!ペルウィアナ!ーーっ」



 ーーーーーーーーーーーと。次に『落ちて』来たのは『少女』だった。そうだな。丁度ファリスに丁度良い位の年頃の女の子だ。降ってではなく、落ちて、来た。どさっ!!と。



 あ、結構可愛いな。因みにだが落ちて来たその子は、先に降って来た『好青年』が下でがしっ!と、受け止めたわ。………………………………………マミアーノ。何だその『手』は?





 見上げてもお前のところには多分女の子の落とし物は落下して来ないぞ?なあ。



 マミアーノは両手を広げて空と少女を交互に見ていたのだった。ーー残念な奴だな。色々と。横でディランズが盛大な溜息を吐いたのが、聴こえた。ーー可哀想に。ディランズ。多分恐らく最年長故に苦労させられている筈だ。マミアーノ、いい加減にしろよ?






 ×  ×  ×



 少女を抱えた青年は、慎重にゆっくりと少女を地面へと降ろした。呆れた溜息と共にだが。そして、やはり空を仰いだ。何だよ。又『降って』来るのか?ちらりと見たマミアーノがやはり嬉しそうだった。お前『用』じゃあ無いだろう。例え降って来ても。ーー怖い奴だな。マミアーノ。



 おい誰か止めろよ?お前ら『仲間』だろ?



 然し、少女が降って来る訳ではなさそうだ。空を仰いだ青年は言ったのだ。



 『白神ハクシン様!』と。



 ×  ×  ×


 イチゴは何度か呼び掛けたが、反応が返って来る訳ではなかった。辺りは静まり返る。又溜息を吐いた。そのイチゴと呼ばれた青年に、陽藍が声を掛けた。



 「イチゴ、ペルウィアナ……。聞くのもあれだが、『白神』がやったのか?」


 イチゴと呼ばれた青年は、ゆっくりと苦く頷いた。それを陽藍は制した。答えなくて良いと。


 「ーー白神!ーー来い!」






 と、陽藍の声は辺りに響きわたった。そしてしんとする。そのまま静寂の中で、誰も声を出そうと思わなかったのだ。恐らく出すべきで無いと。



 そこでペルウィアナと呼ばれた少女は、『あの……』と小さく声を出した。



 陽藍は彼女を見た。彼女は彼にこう言った。『違う』と。つまり、ペルウィアナは自分から『来た』のだと。



 「……………ごめんなさい魔法使いさ………………陽藍さま。だって白神さんが………………。イチゴさんを『突き落とした』から。………………………ごめんなさい。イチゴさん。…………………心配だったんだもん。約束やぶったけど……………………後悔してない。待つのは嫌だ。」



 ペルウィアナは、悔しそうだが、はっきりとそう言ったのだった。ぎゅっと其の手を握り締めて。溜息を吐いた青年ーーイチゴとやらが、こう言った。わかったからと。



 「ペルウィアナ。分かったから手から力を抜いてくれ。爪で傷付けるだろう。ほら。」



 子供を諭す様だった。ゆっくりと添えた手が、少女の掌を開かせた。泣きそうな少女の手を。あやす様に。




 そして再び陽藍の声が響いたのだった。『早く出て来い。』と。うっすらと怒気をはらんでいたのは、気のせいでは無い。そして、空が、『開いた』のだ。ガラっと。扉の様に。そう、空がだ。




 そしてそれは降って来た。白い衣を纏いし差し当たりない顔をしたーー男がだ。着地と共に華月 陽藍にーー説教されたのだった。



 白い衣の男の名は『白神ハクシン』ーー名の通り『神』であった。此の星では無い星の神である。そしてイチゴとペルウィアナとは、その彼の星の住人で在った。彼、白神が管理を任された星のーーだ。



 本来『星と星の行き来』は禁止されている。星の『エネルギー調和』が乱れるからだ。白神の『言い訳』は、カーズィ達の住まう星の管理人の『許可』は貰ったとの事だった。しかしーー陽藍自身に、『俺は許可してない』なーーと、却下された。更には、



 「イチゴを突き落としたってのは?どういう了見で?ーーだ。当ててやるか?」


 華月 陽藍は容赦無かった。威圧感がーー凄かった。嫌やばかった。白神はひたすらに謝った。



 結局『次は無い』と言われてから、『ちょっと待ってろ』と待て状態だった訳だ。そして、


 陽藍は『本題』に語り掛けた。漸くだ。



 『久しぶりだな……』と言った抑えられし『それ』に、陽藍は短く言ったのだ。


 「死ぬ『気分』は?」と。青褪めた『それ』は色々と『彼』に語り掛けたが、陽藍は答えなかった。





 「塵に為りたかったとは知らなかったよ。酒の神。」


 陽藍はそう言った。だが、そこで和希が陽藍に問い掛けた。



 「おじさん。ならそれ俺がやっても?」と。陽藍が答える前に『青』が反論しーーそれを『陸』が止めたのだが。



 更にその隙に当然なのか『靄』当人が待ったを掛けたのだった。『死にたくないから!』と。



 『無理だ』と華月 陽藍はそれを制した。




 「『取決ルールめ』違反見逃せる訳無いだろ。寝惚けるなよ、酔っ払い神。」


 陽藍は酒神にそう言った。酒の神は『不法侵入』を犯した。更には、


 「他星に『被害』を出したーー流石に心当たり有るな?無いとは言わせないが。」



 酒神は巧に追い込まれた後に、地下に潜る前に、別れたーーのだ。意識体を『分け』、片方を地下へ『隠す』為に深く潜らせ、本体・・は逃げ出したのだ。他の星へと。ーーそれが白神の星だった。そして『神』より早く『異変』に気付いた『イチゴ』がーー陽藍に『相談』した訳だ。



 何故イチゴは自分の星の神に相談しなかったのか。白神が頼りに為らないからーーと言うよりは、無くも無いが、イチゴは陽藍に『雇われ』た『部下』だったからだ。



 華月 陽藍は自分の事業の為に、イチゴの『敷地』で『作物』を育ててーー『研究・・』してもらっていた。研究はイチゴがする。資金は陽藍が出す。が基本だが、そもそもその研究の『師』こそが、陽藍本人だった。イチゴには陽藍は『もうひとりの父』の様なものなのだ。



 決して白神を信用していないからでは無く、陽藍の『指示』を仰いで、白神に相談するかどうか決めるつめりで『連絡』を寄越したのだった。



 陽藍が今、『神の仕事』で自分の星にはいなかった事等はーー知らずに。問題解決し、帰り際の陽藍に聞いて初めて知ったのだった。『此の状況』を。しかも此方が未だ解決前だった事を。





 白神の星の問題は陽藍が解決してしまってから、イチゴへ白神への『報告』を任せて此方へ戻って来たーー陽藍は、其の後のイチゴと白神のやり取りは知らない。


 イチゴから報告を受けた白神は、項垂れた。勿論理由は陽藍に『会えなかった』事だった。白神は陽藍を恩人と思い慕う、彼も又彼の『部下』だった。星の土地を借りる為の処置である。『言い訳』とも言う。陽藍の言い訳ーー嫌言い分は、部下に『土地』を借りて、報酬として対価を払うーーというものだった。




 対価が陽藍特性『スイーツ』なのは伏せられているが。一度手土産に貰った白神が病み付きに為り、懇願した結果だった。新作が出来上がると食べさせるーーそんな関係だ。




 枠を外せば只の『友人』だった。極秘事項だが。



 星々の神々憧れの存在為るーー陽藍こと『フェアリー・ヴァース』、彼の友人等と言えば『無事では』ーー済まないで在ろう。故にびびった白神は決して言わなかった。『いつもスイーツ食べてます。』ーーとは。極秘なのだ。




 空から降って来た三人目の男ーー嫌、神ーーは、一番ヘタレだった。自他共に認める。




 そんな事はーーカーズィは知る由も無いのだが。





 然し、ヘタレ白神も不法侵入を見逃す様な『駄目神』ではないのだ。辛くも。そして陽藍が困っていると思い駆け付けたーーつもりだった。そう、『少し』ーー失敗・・はしたが。





 白神はイチゴに自ら造りし『神剣』を持たせた。そして、神剣それは『あれ』を『切る』筈だった。イチゴに託そうと思ったのだ。それで『此処』まで来たのだが、




 用件を伝える前に、結果として彼ーーイチゴ・シャリンバイを『突き落として』しまったのだった。慌てたが先に『シラー・ペルウィアナ』にもーー行かれてしまい、出るに出れない位落ち込んでいたのは、彼等の仲間の『門番ゲート・キーパー』、三月みつき 春斗はるとーー彼しか見ていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ