・ケースバイ『名探偵』陸の行動。・
ノミニオと陸さんと一緒に、『ダンーー』なんとかーーという、謂わば『洞穴』に入ってから、かれこれーーと、語る程の時は未だ流れてはいなかった。んー30分位かな?
陸さんが唐突に、
「あ、ーー来たか。」
そう言ったのだった。
× × ×
「ーー敵来ました?陸さん? 私何も感じないんですけど?」
と、陸さんではなく、ノミニオ君を見てみた。彼も不思議そうですけどお兄サマ。お兄サマ~?
と、心で呼び掛けしてみる。練習とか言って。本音は人前で陸さんを兄と呼びたくない。
無理だよ。視線が恐いんだよ。視線が。陸さん女子にもて過ぎなんだよ。怖いんだよ。ーー視線がさ。ーー刺さるのだよ。理解る?解るよね?痛いのレベルを超えるのだよワトソン君。あれ?ーーワトスン君??どっちだっけ??ま、いっか。
「友理奈、来たのは敵じゃ無くて『青』。ちゃんと目的の『気配』察知する『修行』しなよね。と、ワトスン表記、ワトソン表記は確かに何方でも間違いでは無く何方も正しいと在るけど、『ま、いっか』は止めな。シャーロキシアン怒らすから。恐いのは『そっち』のが怖いよ。生温く無いよ。『恐らく』だけどね。因みに視線は刺さっても実害無いから気のせいだよ。『お兄ちゃん』て呼びな。『お兄ちゃん』なんだから。でーーノミニオ、ちょっと良い?」
と、『お兄さま』はーー言ったのだった。そーね。『陸サン』よりか『こわくない』かもね。『ファン』の方が。………………………………………私、佐木 友理奈は、苦笑い…………………すら出来なかった訳でして。
× × ×
ーー確かに卓さんや龍さんも時と場合では恐いけどね。ーー陸さんは或る意味『常に』恐いよね。ーー気が抜けないからね。ーーはは。私、最近気が付きました。ーー陸さんが『一番』『お父さま』に『近い』ーー『似てる』とーーいう事に。本当そっくりだよね。ーーね?『お兄』さま?
× × ×
陸さんに『心の中』で『ーー煩い。』ーーと、言われたのでした。やっぱりそっくりだ。はは。
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で、ですね。そう、ダンーー『洞窟』!洞窟的洞穴に入って30分程歩いたかな~と、いう今、無駄な掛け合い乗り突っ込みは一旦忘れて無かった事とし、我が家の誇りし名探偵の陸お兄さまが、言うにはーーですね。彼の弟の『青』さん。ーー美形の非の打ち所無きあれーーなんだけどね、そう、『外見』は。そして『外面』が。うん、だからね。解るーーよね?『名探偵』の『皆』様方ならば。
青さんて性格に『難』が有るってか在るってかあります。ーーみたいな?『悪いひとじゃあーー』ーーないのだけれど。ーーでは無く、『悪い事』を、『結果が悪く為らなければ』ーーやると言うのかーー『出来る』ーー性格をしたひとーーこれだと思う。
そう思った時に、今度は我が家の名探偵様は、心では無く『声』に出してこう言った。
「『正解』。」ーーと。ノミニオは不思議そうにーー私達を見た。
× × ×
「は?『心の中』でーー『会話』の『やりとり』が出来る??!?」
陸の説明に、ノミニオは疑問符だらけの顔を惜しげもなく顰めただけだった。
× × ×
陸の兄、龍が、卓が予定外に離脱する事と為った際に、陸へと言った。『別の手』を使うかーーと。あれは弟『青』の事だった。青は名の通り『青』。彼は『空』を領域とした『神』だった。ーーが、単純にそれだけでは無かった。『海』は『空』の『青』を『反映』するーーと、いう文字通りの理屈により、青は『海』もその手の中なのだ。つまり『海神』も兼ねている。そんな存在だった。兄『陸』と『対極』に位置付けされ、安定をはかる存在だった。ーーで、話が終われば簡単だった。
と或る時を境にして、父陽藍から又『別』の役割を与えられた。『冥府』の『王』の役割だ。
冥府とは、魂が還る場所で在る。冥府で選別された魂は、『浄化』されしものは、『輪廻』即ち『転生』する。勿論浄化輪廻転生した魂に『記憶』は無い。真新しく真っ更に生る為に、浄化が在り、又『めぐる』ーー故に『輪廻』なのでーーある。つまり輪廻した転生体に『記憶』が『在る』訳はーー無いのだ。
普通ならば。陽藍達『神』なる者達が『普通』から外れるのだ。ーーさておき、
青について。
彼は『複数』の役割を担う神だが、特に珍しい訳では無い。『皆』そうなのだ。『兼任』しているのだ。例えば『陸』は、『大地』の神で在る。ーーが、『雷神』でも『在』る。そういう事だった。そして、
例えばだが、陸は雷神でもあるのだが、『雷神』なる『もの』は『ひとり』では無かった。ーーそういう事で在る。本来ならば、『ひとり』なのだが。ーーそういう事だった。
ーー故に。『青』は『卓』の『代わり』に『なれる』存在なのであるーーと、だけ、ーー言っておこう。ーー今は。
父ならば『全て』をーー『ひとり』で、出来るのだがーーそれは今は不要なので省こう。
つまり龍は『だから』青を呼んだのだった。青に出来て、陸に出来ない事を『させる』為に。
陸では優し過ぎるから、恐らく出来ないであろうとーーそう踏んで、龍はわざと、青を『呼んだ』のだ。
龍が雷神の仕事にも冥府の仕事にも携わらないのと同じ様に、全てに理由が『在る』様に。
『巧』を『何方』にするかーー決める『時期』が来たとーーいうかの様に。行動には『全て』理由が在るのだ。『彼等』には。
青は優しく無い訳ではない。優しく為れない訳でも無い。優しく『しない』訳でもない。
優しさというものが『在る』ならば、定義が違うだけだった。『青』には。そして、
それは『陸』も同一だった。単に表と裏なだけであった。似て異なるものとひとが『言う』のは、まやかしとも言うべき表裏一体のそれなので在ろう。陽藍が良く言う、
『人間なんて面の皮一枚ひん剥けば、只の頭蓋が埋まってるだけの「代物」だよ』ーーと。
それは例え見目美しかろうと、そうでなかろうと、皮も無く肉も無くなれば『人』等皆同じ『変わりなき』モノーーなのだと、そう言いたいらしい。詰まり大差無いと。
だからこそ『魂』が必要なのだと。
× × ×
「『僕』の『弟』に『ソレ』を頼んでやらせるから、ノミニオは『其処』迄『案内』してあげてくれる? 『彼奴独り』だと絶対『暴走』してーーろくな事『しない』から。頼める? ーーーーノミニオ。」
陸はそう問い掛けた。ノミニオは質問を返した。
「『俺』の『案内』と言われてもーー」と。
自信がないらしい。然し、
陸の説明は続いた。
「うん。正確には『要らない』かもね。だけどね、ノミニオ?『此処』は君達の『星』だよね? 君達はーーいいの? 『余所者任せ』で。僕ならーー嫌だね。 青の奴は。………………青は結局『臆病』なんだよ。ひとりに『慣れて』ないんだ。ーーたすけてやってよ。ノミニオ。………………………………………。頼めないかな?…………………………………ノミニオの『能力』なら見付けられる『筈』なんだ…………………………なにしろ『相手』は…………………、」
相手は『地中』深く『潜り』込んでーーーー『在る』ーーーーらしい。それを引きずり出して来いーーーーと、華月 『青』は『兄』から言われたのだ。
「やり方は『任せる』」ーーからと。陸には『それ』が心配だった。青は敢えて『辛い』方を『選ぶ』奴だからだ。馬鹿なのだ。彼は。優し過ぎて。『兄』に良く『似て』いた。
たすけたい訳では無い。救いたい訳でも。『解決』したいのだ。名探偵でなくとも。『彼等』全員が。『最善』の策が『万全』で無き事を、既に理解り過ぎた彼等ーーが。星を救いたかった。
全員只の不器用だった。佐木 友理奈はそう思った。
ノミニオは然しーーと、返した。流石に『二人』では、『花』の探索は無理では?と。先程から魔獣の襲撃が止まないのだ。それをノミニオは心配した。特に友理奈の心配を。陸が強いーー過ぎるのは分かっていた。然し友理奈はーー『攻撃』を陸に『許可』されていなかったのだ。つまり、ただ『一緒に』居た『だけ』なのだーー理由は勿論あったーーだがーーノミニオはだからこそ『心配』だった。今自分が此処を『離れる』事が。未だ見ぬ彼等の『弟』青とやらよりも………、既に知り合いの…と……情も働いて、陸と友理奈を守りたいーーと。実質は友理奈の『盾』位かも知れぬが。それでもだ。
だが、陸は答えを用意していたかの様に、滑らかな口調でそれに答えたのだった。
「大丈夫。『直夏』此方『呼ぶ』から。」と。
彼奴『友理奈』にべた惚れだからーー「呼べば『秒』で来るよ。抜かり無いよ。」
『向こうに「剣士」重点的に配布してきたしね』と。友理奈に、
「『配置』、嫌『配属』じゃあないんですか?陸さんーー」と言われたが、陸はふっと妖しく笑みを作っただけだった。
『采配』でも良いよ?ーーーーーーと、何処からとも無く、聴こえたのだった。ーーーーそう、『心』に、直接ーーーー陸の声は響いてはーーーー説き伏せたのだ。言葉よりも深く染み込みながら。ノミニオは既に『陸』の信者と化していたーー勿論、
「それは『要らない』。」陸に『否定』されたが。
そうしてノミニオは青の処に『派遣』されたのだが、勿論直夏が『秒』では来なかった事については、ご愛嬌としようーー無理で在る。直夏は『一応』人なのだから。陸の詭弁である。無論、『義妹』友理奈は最早何も言いはしない。慣れたものでだ。
お気付きの通りである。




