・ケースバイ『海』君。・
「『やばい』!ーー逃げようっ」
海は言ったのだった。ーーーーーーーーーーーーーー
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「ーーーー皆ーー『居る?』『居るよね?』」
華月 海は言った。鹿島が答えた。
「大丈夫、居る×2。マミアさん達も大丈夫ですよね?」
ディランズが遠慮がちに『ああ……』と答えた。仲間の顔を、確認しながらだ。
仲嶺と、相瀬良も口々に言った。『……………やばかった…………』 『完全忘れてたわ~』と。
海は『ごめん』と謝ったのだった。此処は地上だ。洞穴内では無い。
「え~と、先ず『確認』ね。具合悪く為ってる人は、いませんか?」
鹿島 悠緋は右手をあげて、そう言ったのだった。リーダーであるが故に。そんな時だった。
「お前等、『大丈夫』だったか?」ーーと、いう声が聞こえたのはだ。
海が笑顔に成った。「ーーっ、『お父さんっ』!」と。嬉しそうだった。
ざっぁっと、風が吹いた。そして『異臭』も『悪臭』も『無くなった』のーーだった。
陽藍は、場違いの様な、笑顔だった。『海、「御手柄」』と。
× × ×
「お父さんっ、」 「大丈夫理解ってる。」
父は言ったのだった。『遅く為ってごめんな。』と。
「ちょっと『家の様子』見てきたからな」と。どや顔だった。ーーーー
海が『紺は?!』と勢い込んで聞いたのだが、陽藍はけろりと言ったのだった。
『ん?俺は「お母さん」の「様子」「見て」』、
「ちょっと『キス』して、『御機嫌』取って来た『だけ』だよ?」と。
呆れた息子に釘を刺されたのだった。『お父さんの「冗談」質悪いよ。』と。
父は余裕のほほ笑みで返した。「『キス』は『本当』にして来たよ。」と。御機嫌だった。
海はやはり呆れたのだった。『勝てない』と。
× × ×
「はは。海、拗ねるな。良く頑張ったな。『御褒美』やるから、機嫌直せ。さ、『行く』ぞ。」
「え~?『次』は『何処』行くの?後『此処』は?」
海がダンジョンを指したが、父は『大丈夫』だと言った。
「『其処』はもう『大丈夫』だな。さ、行くぞ。お前等も『休憩』要るだろ?」と。
一同『ん?』とーー思ったのだが、陽藍は逆にきょとんとしたのだった。
「は?ノルマ『熟した』ら、『休みゃ』良ーじゃねーか。 疲れただろ?飯食いに行くぞ。」
『全く、ひとが労ってんのに。』と。海が父に抱き付いたのだった。ーーーーファザコン故に手慣れていた。人前ではやらなく為ったのだがーー兄の目が『無い』解放感だった。
勿論『一同』呆然としたが。××××××××××××××××××××××××××
「お腹減ったっ、行く!」と。そんな息子の頭を当たり前に父は撫でたので、深織達は思った。
『ああやって育ててーーーー「海君」が出来たのかーー』ーーと。大正解で在る。
× × ×
「あれ?陽藍さま!いらっしゃいませ!どうしたんですか?急にまたーー」
そこまで言ったファリスは、マミアーノ『達』の存在に気付いた。
「は??ディランズさん、ミーディさん、マミアさん………………え、何で?一緒に??」
不思議がったファリスに、陽藍はほほ笑んだだけだった。
× × ×
「いらっしゃいまーあ、あ!『陸』さん!」
「お疲れファリス、お邪魔するね。」
「はあい『ファリス』『お久しぶり~』『理解』る~?」
「友理、………………………軽いぞ。」
それは薫草亭にて、海達が食事を終えて、落ち着いた頃合いだった。
× × ×
「むぐっ、陸兄ちゃん!」
「海、『無事』だったな。悪かった。ーー『悠緋』、ありがとう。ご苦労様。」
「あれ?おじさまいるし、巧君達いないし。」
「ーー戻って無いな?『全員』か?」
佐木 直夏が、言ったのだった。
× × ×
「ファリス、『僕』に『オムライス』。友理奈もか?『ハンバーグ』つけてもらう?」
「陸君! 巧の心配は?!」
叫んだ直夏に、陸は言った。『要らない』と。
× × ×
「あれ?なんで『その』メンバーなんですか?」
相瀬良が聞いたのだった。『陸』と『友理奈』と『直夏』にだ。マミアーノ達も言ったのだ。『ノミニオは?!』と。××××××××××××××××××××××××××
× × ×
その頃、勿論『巧』チームには、『問題』がーー起きていた。
× × ×
「友理奈、席無いから『俺』の『膝の上』か?」
父陽藍は聞いたのだった。勿論真顔でだ。マミアーノとミーディから、何かの『音』がーー聴こえた気がした。恐らく『気のせい』だろうが。
友理奈は『気にせず』店主、ファリスの父の『ドーリス・リコルド』に、挨拶したのだった。
「ふふふ『おじさま』『お久しぶり』です。」ーーわかりますか?ーーと。ドーリス・リコルドは例の『気持ち悪い位の』照れた顔で、笑って歓迎したのだった。ーー『リシアちゃん』と。
友理奈を物珍しそうに眺める『店の客達』に、陽藍は牽制を掛けた。『ドーリス』と、優雅な唇が奏でた。
「俺の『娘』だからなーー扱いに『気をつけろ』よ?」と。
厳つい店主ドーリス・リコルドは生唾を飲んで、頷いたのだった。上司へと。何度も。
『わかってます』とーー敬語だったのを、客達は聴いたのだ。それで客等は、あの美しい『客』は、『ただの』客では『無い』とーー知れたのだった。逆らわない事に決めた瞬間だった。
「おじさん、『茶番』はいいから、『巧』達は?」
それを破ったのは、直夏だった。陽藍はしれっと言ったのだ。
「寧ろ今回お前が『茶番』じゃ無いか?」と。
『ふぅえあぅご?』
横で海が言ったのだった。勿論直夏は答えた。真顔だ。『海、「何言ってるか」分かんねーよ。』と。
『ふぅあう?』
海は『ホットケーキ』が、口いっぱいだったのだ。ごくんっ!とした海は言った。
「友理奈さんも『食べる』?」と。友理奈は答えた。
「………………今日は『オムライス』でいーや。」と。「………、じゃあ『俺』はプラス『ハンバーグ』の奴。」
諦めた『直夏』は言ったのだった。心配するだけ『無駄』らしい。巧は、『自分より』強いのだからーーと。
声には出さなかったが。巧は巧で『振り』をしないだけで『天才』なのだ。恐らく大丈夫なのだろうとーー思った。
『直、』
陽藍に呼ばれた。直夏は陽藍を見た。カウンターに居た陽藍が此方を見ながら言ったのだ。
「『巧』の『正体』教えてやろうか?」と。直夏は思った。今更『正体か?』と。然し陽藍は又にやりと笑った。得意の表情だった。横で海が黙々と『パンケーキ』を平らげている。それが気になる。
海が『平気』そうだーーと。そう思った。ならば海は『知っている』のだろうかーーと。
陽藍が又言う。『難しい話では無い』ーーのだと。
「『相性』の話だからな。」と。直夏には理解らなかった。そして、食べ終えた海が言ったのだった。『お父さん』と。
「巧て何なの?」と。お茶を飲みながら。父は息子に笑った。手にした『グラス』を見せた。そして言う。
「『此れ』だよ。」と。琥珀色の『液体』だった。ーーそれが『巧』だと。
答えを言ったのは、陸だった。友理奈と同じテーブルに着きながら。直夏の席を空ける。
陸はつまらなそうに言った。「我が家にも居るんだよ。」と。何がと思った直夏は、言う間は無かった。
「『君等』が『倒してる』のと『同等』の『存在』がさ。」
「巧も『アレ』と『一緒』なんだよ。」と。
そして陽藍が言ったのだ。
「最悪『巧』が『取り込んじまえば』『問題』『解決』は『早い』ぞ?」と。
流石の直夏も、立ち尽くしただけだった。然し、横で『妻』が言った。
「やらない『理由』って何ですか?」と。ーー確かにだ。一同陽藍を見た。が、言ったのは『海』だった。
「巧『知らない』んじゃないの??」と。横の父が『海君、正解』と笑い、兄が言った。
「言ってないからな。」と。兄も笑った。そして海が又言ったのだ。
「巧『飲めない』もんねー」と。直夏は『は?』と言ったのだった。
海はきょとんと真顔だった。陽藍が唇にグラスをつけたので、それを見た海が言ったのだった。
「『お酒』でしょ??」と。父のグラスを目で指しながら。父はふっと笑っただけだった。
友理奈が言った。と、言うより意外そうに海に聞いた。
「巧君て『飲めない』の?」と。答えたのは父だ。
「正確には『飲まない』かな。『好きじゃ無い』んだとさ。」
「『酒』の『神』なのにな。流石に僕はウケたよ。巧には『言えない』けど。」と。
そして『そうだ』と付け足した。
「『律』にも言うなよ?『巧』に『ばれる』からな?」陸は念を押したのだった。
悠緋は頭を抱えていたが、深織と広陽は呆れて困っていただけだった。直夏は陸に聞いた。
「なんで本人に言わないの?」と。陸は笑った。
「『お父さん』的に、『言えない』だろ。馬鹿だな、直は。」
酒好きの父が造った『酒の神』は、真逆の『酒嫌い』だった。ーー言える訳は無いーー陽藍は苦笑いして、グラスの中身を飲み干したのだった。真実諸とも。
お茶を飲み干した海は言ったのだった。『は~少し落ち着いた』と。父は頭を撫でて労ったのだった。海サイドでは~何が在ったのか。
やはり残りかす『靄』が在て、海達に向って来た。今回は『真剣』に、難無く倒したが、その後『異変』が在った。
靄が『暴発』したのだ。海は忘れていた。そして皆も忘れていた。『海』は『エネルギー』の『塊』だと。『霧散』した『靄』は『海』から『エネルギー』を『盗んだ』のだ。
気付いて焦った『彼等』は、逃げ出して来たのだ。海が『吸い尽くされる』前にーーと。お陰で海はへとへとだった。脱出した悠緋チームは、陸に報せる前に、陽藍に出迎えられ、『原因』は、倒された。『あの時』に。陽藍が『一瞬』吹かせた『風』は、膨張した『敵』をーー片付けたのだった。
洞窟の『最奥』迄も『浄化した』風は、爽やかに吹き抜けたのだった。ただの『風』の様に。人知れずに。悠緋達に『纏わりついた』ーー悪臭迄も。その全てを。
勿論『可愛い息子』の『栄養』を略奪した『言い訳』等聞く気も、許す気も無かったからだ。例え相手が、かつて酒を酌み交わした友でもだ。
当初、救える術あらばと思案した思考は吹き飛んだ。紺と海への攻撃で。故に巧の事も止めなかった。唯一の『救い』は、巧に取り込ませる『事』だったかも知れなくともだ。
『可愛い息子に混ぜれる』ものかーーと。改めたのだ。そう、人知れずに。久々の酒が喉に滲みた。




