コンテスト。
さて、さっそく続きに取り掛かろうと思う。
こういうのは間をあけて書いてしまっては、熱が冷め、なんでこんな何でもない日常の記録を書く必要があるのかなー、とやる気を失いかねないので早速書いていきたい。
僕は町役場の受験の時の記憶を蘇らせながら、坂道を登り、大学へと到着した。
その道中は、大勢の学生で溢れかえっていて、自分も学生に戻ったような感覚であった。
ああ、学生とは本当に自由なものだなーという少々羨ましい気持ちがあったが、それと同時に、あまり暇が時間が多すぎるのも、自分を律することが難しく、結局時間の無駄にして過ごしてしまったりするんだよなーと過去の自分を思い出したりもした。
大学は、結構立派な建物であった。
緑も多く、いかにも大学といった良い雰囲気であり、ここの大学に通いたかったなとさえ思わされた。
自分が通った学校は都内にあり、オフィスビルのような出で立ちで、通学というよりも通勤といった感じであった。
なので、あまり学校が好きでなく、まじめに通っていなかった。
この学校ならきちんと通っただろうなーと、自分のやる気の無さを、建物のせいにしつつ、正門の○○祭へようこそと書かれたアーチをくぐり抜けた。
学祭はかなり盛り上がっており、野外ステージで音楽サークルが演奏していたり、各サークルの露店もかなりの数出店されており、楽しげな雰囲気となっていた。
おお、これは来てよかったなーと思わず顔が少々にやけてしまった。
僕はこういう祭りの雰囲気が大好きだ。
人混みは苦手であるが、この道端に店が並んでいる光景が何だか好きなのだ。
いつもは無いもない普通の道に、其の時だけの簡易的な建物が現れ、そこで商売が始まる。それになんだか魅力を感じる。
さっそく、何か食べようと思い、出店が集中している通りを進んでいくと、
まんじゅう屋が眼に止まった。
すごいな、学祭でまんじゅうを作っているのか。渋いなー。と思うと、そのまま店番をしている子に注文をした。
1パック3個で250円という良心的な値段であった。
どんなまんじゅうが出てくるのかと楽しみにしていると、どら焼きの様なものが出てきた。
どら焼きの皮を一枚焼き、その上に、アンを乗せ、皮を折って挟むという感じだ。
なるほど、こういうやつか。
食べてみると、まあまあ美味しかった。学祭に何を期待していたのか、和菓子屋のようなものを心の何処かで想像していたので、少々、予想と異なったが、それでも美味しかった。
そのあとは、パフェを食べり、焼きそばを食べたりと幾つか食べ歩いた。
この、チョコチョコと少しずつ食べるのが楽しくて仕方が無い。
僕は何か一つを沢山食べるよりも、え、これだけ?という位に少量ずつ食べるのが好きだ。要は様々なものを食べたいというある意味贅沢な感覚だ。
そして、それらを食べるときは大抵、一つの物を半分ずつ分け合う。
其の日もいつもどおり、一つだけ注文して、それを分けあいながら食べた。
その方が一つを食べる量が少なくて済み、色々楽しめる。
露店の道を通りぬけ、ちょっとした広場に到達すると、そこでは野外ステージが組まれていて、何やらイベントが行われていた。
何をやっているのだろうかと、人だかりに近寄ってみると、そこでは女装コンテストなる面白そうなものが開かれていた。
最近は美男美女を選ぶ大会よりも、こういうのが流行っているのかと時代の流れを感じた。
ステージにはメイド服姿の、男の子が一人ぽつんと立っていて、何やら歌っている。声が小さく棒読みであったため、最初何の歌を歌っているのかよく分からなかったが、聴いていると、それがモンゴル800の小さな恋のうたであった。
壇上前にはそれなりに大勢の人が集まっていたので、盛り上がっているのかと思いきや、そうでもなかった。
妙に鎮まり返り、誰一人笑っていない。皆、無に近い表情でその歌っている男の子を見上げている。なんなんだこの空気は。
男の子は絞るような声でどうにか歌を歌い終わり、バックミュージックがシュンと静かに、鳴り終わる。
鳴り終わると、パラパラと観客たちの拍手がまばらに鳴り響いた。
「はい、ありがとうございましたー」と司会進行らしき、男の子二人が壇上に脇から現れ、その歌っていた女装の子を挟むような感じで立った。
どうですか、緊張しましたか?と尋ねたり、何で出場したのですか?と一通りの質問をするも、またこれが盛り上がっていない。
まず、その質問をする左の男がかなり緊張しており、声が小さい。
司会ならばある程度オチャラケて、明るく振る舞う必要がありそうなものであるが、どうもかしこまっており、真面目な雰囲気となっている。
普通の美男美女コンテストならばそれでいいかもしれないが、これは女装という面白企画であるため、真面目にやられては白けてしまう。
女装の男の子もまじめに答えるため、会場の人もなんだか真面目な雰囲気なとなっていて。これまた異様な感じとなっていた。




