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学園祭へ行こう。

昨日、某大学の学園祭に行ってみた。


学校という施設の敷地内に訪れるのなんて数年来のことで前日の夜より、少々ワクワクさせられていた。

その大学は二年ほどまえに、一度訪れたことがあったのみで、そのときも、用事があったため、ウロウロして観察したわけでもなかった。

その時、自分はなぜ訪れたのかというと、町役場の筆記試験を受けるためであった。


筆記試験は通過出来たものの、面接の際に、おかしな発言を繰り返してしまい不合格となった。

面接官の「ストレス解消法は何かありますか?」という単純な質問に対して、「んー、僕はストレスを感じたことがありませんね」などという、ズレた事を言い出し、いたたまれない空気を作ってしまったのだ。


まあ、幸いにも現在、どうにかこうにかそれなりの職に就くことが出来たので、その事はあまり悲観はしてないが、かなり楽そうな職場であり、本当に働いているのかと疑いたくなる程にサボっている雰囲気があったため、ここでダラダラと過ごし、本を読んでいたかったなと、思わされた。


さて、話を戻そう。その大学は、駅からだいたい十分少々歩いた場所にあり、坂道をぐんぐん登りきった丘の上である。


まず、大学の最寄り駅に到着すると、全く覚えていなかったのだが、書店が内在していた。

おお、さっそく寄って何かしら本を漁ろうかと思ったが、さすがにこれから学園祭を楽しむ為に訪れているのに、本屋で時間を無駄にしていてはもったいないと感じ、寄らずに済ませることとした。


改札を出て、バスロータリーを抜け、学校の方面へと進もうとすると、ギターを担いだおじさんが何やら歌っているのを見つけた。

かなり小声で控えめに歌っているので、何やらバラード曲とかそういう湿っぽいものであるのかと思うていると、近づいてみるうちに、真逆であることが判明する。

そのおじさんは、ギターのネック部にA4サイズの紙をぶら下げていて、そこには「○○政権をつぶせ!!」と何やら右よりな言葉が書かれていた。よくよく歌詞を聞き取ってみると、○○反対、○○つぶせ~など、批判を繰り返し呪文のように小声で粒やている。

過激派であるようで、控えめであるため、なんだか妙な上品な雰囲気に仕上がってあり、なんとも言えない気分となった。


そんなおじさんを横目に、ずんずん大学方面へと進む。

そして、大学のある丘の上へと繋がる、坂道のふもとへ着いた時、ここでまた役場受験の時の記憶が舞い戻ってきた。


「ああ、この坂道。あの日土砂降りの雨で滝のようになってたな・・・」


僕が受験したその日は大荒れの天候で、何もない休みの日なら絶対に外出したくないほどの大雨であった。

坂道は水路からボコボコと水が溢れかえり、道が浸水し、靴の中もバシャバシャになった。

その地獄の上り坂を、大勢の受験生が無言でただひたすらに登っていく。

その道の先には大学しかないので、皆、目的地は同じなのであるが、誰も声を掛け合うこともなく、ただ黙って、同じ場所を目指した。

小声で、あっとか、足を滑らせかけた人が思わず声を漏らしたりはあったが、それでも何も会話は産まれず、みな修行僧のようであった。

だが、全員がライバルなのであり、その光景は当たり前ではある。

小さな町役場となれば採用なんて、若干名という一~三人の狭き門であり、それを狙って数百人のものが訪れるとなると、自然と無口になるのは当然だ。

そして、ようやく大学に着き、受験会場の教室に入るも、そこは冷房がガンガンである。

確かそれは真夏の日であったため、空調設定がそんなトンデモない事になっていた。

しかし、受験生たちはびしょぬれで寒いに決まっている。

それでもなお、試験官の役所の人間たちはそれに気付いているのか、気づいていないのか、なかなか冷房を切ってくれない。

ああ、さすがお役所様。これが俗に言うお役所仕事なんだなー。と思いながら、風邪引かぬように、カバンからハンドタオルを取り出し、濡れた身体を拭いた。


さて、このままでは受験時の回想で話が終わってしまいそうだ。


とりあえず、この辺りで一度打ち切り、次回に続ける。


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