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第五章 (5)

 第五章やっと終了です。


 そろそろ艦橋のメンバーは覚えていただけたでしょうか? ちょこちょこ周辺メンバーも出ますが、取り敢えず艦橋メンバーが中心になる予定です。


自 2011年7月22日

至 2011年7月24日


「あ~あ、当直かあ…昼間よりもっと退屈そうだよな」

「まあな、けどいつ敵と出くわすかわかんねえわけだし…」

 状況によっては奇襲を受けることだって考えられるのだ。すぐに迎撃できる人間が何人かは必要であろう。食堂でそんな会話を交わしているのはアレックとケンである。話を聞く限り、どうやら今夜の当直に当たったのはアレックの方らしい。砲術班とイーグルチームの当直はそれぞれ三名構成だが、他の二人はまだ夕食をとりに来てはいない様だ。

「あいつら早くしねえと夕飯、食いっぱぐれちまうぜ」

「もう先に食っちまったんじゃねえか? 俺ら来るのちょっと遅かったし…」

「そうかもな。じゃ俺はもう行くわ。また明日な」

「おう」

 アレックは先に立って食堂を出て行く。その後姿を見やりながらケンは明日は俺の番か、どうやってひまをつぶすか今から考えて置かなきゃなと思っていた。当直は夕方から朝までの時間帯を三つに分けて行われる。今日のアレックの担当は真ん中の深夜の時間帯になる。現在はロッドたちが当直中だった。


「姉貴! ああ丁度良かった。今大丈夫?」

 夕食の時間帯でざわついている食堂で、バーディはエリナを捕まえた。日中は互いに仕事があって話をするヒマはない。かといって夜は夜で、エリナは当直以外にも技術部の方の仕事をしていたりと中々手が空かない。無論、軍人として振る舞う様になってからは、自身の暴走もないし、配下をちゃんと休ませてもいる。だが、昼間は艦橋に詰めている為、ある程度は時間外労働をしないと仕事が片付かない。チェックだけで済む様な案件は随時艦橋へ上げさせてはいるが、それだけでは済まないものも確かにあるのである。それはともかく、バーディに呼び止められたエリナは軽く小首を傾げてから、空いていた前の席を指し示す。

「何? どっちみちこれから夕食だから少しなら時間はあるけど…」

「姉貴さ、一体いつの間に実戦経験まで積んだわけ? 技術将校ってのは基礎訓練だけでいいんだろ?」

「何を言い出すのかと思えば…」

「だって俺らももう軍人だし、姉貴が軍で何をやって来たか。ちょっと知りたくなってさ」

 成程…と思う。確かに軍に入ってしまった以上、訓練のことなど色々と聞きたいことはあるだろう。実際、技術将校として登録はしたが、開発業務が忙しくてまだ訓練らしい訓練はしていない。とは言え、ここ数日の実戦が訓練になってしまってはいるが…。

「んもう、しょうがないわね。確かに技術将校は基礎訓練だけでいいことにはなっているけれど、あたしは軍に入る以上、ちゃんと訓練は受けたいと思ったし、現場を知ることが開発には必要だと思ったから、実戦の場にも出たわけ。それに実戦の場の方が訓練所より手っ取り早いし、実りも大きいからね」

 しょうがないわねと言いつつ、別に面倒ぐさがっているわけではないらしい。恐らくは構う時のいつものくせなのだろう。だから言われた本人もまったく気にしていない様だ。

「やっぱ、実戦の場の方が手っ取り早い訳?」

「そりゃね、何が起こるかわからないから、瞬時の判断力とかは養えるわよ。その代わり、判断ミスは即、死につながるけど…」

「うへぇ~」

「うへぇ~ってね。あんたももう既にそこを乗り越えて来てるでしょーが」

 実際バーディは既に二回も戦闘を経験したのだ。しかもその前にちょこっと戦場で実地テストも行っている。

「つっても、あれは最初うちヤング中尉が注意してくれたしさ」

「そりゃ確かにリチャードは歴戦の戦士だけどさ。どっちにしても普通、新人や若手が実戦に出る時はベテランと組むものよ。それでも腕が未熟なら間違いなく命を落とすわ。戦場はそんなに甘くないのよ」

 要は気を引き締めろと言っているのだ。バーディにもそれは判る。どんなに厳しいことを言っても、いつも気にかけてもらっている事ぐらいとっくに承知だ。だからこそバーディはエリナを姉貴と呼び、慕っているのである。危ないから止めろとはエリナは決して言わない。だがどう危ないかはちゃんと説明した上で、やらせてくれるのだ。そういう見守り方は実はとても難しい。危ないと思うと、どうしても先に手が出てしまいがちになる。そこをぎりぎりまで我慢できるのがエリナなのだ。上司や指導者に向いているといわれる所以である。


 第五章が終了したので、また登場人物紹介を更新します。よろしくお願いします。


 ユニークが400を越えました。少しづつ読者が増えて、やっと物書きだよと言っていいかなぁと思っています。


入力 2012年7月31日


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