ひき続きまして職場より。
「おい、聞いてこいよ」
「ヤですよ。アナタが逝ってくださいよ」
「嫌だ。お前が逝け」
ヒソヒソ ヒソヒソ
いい男二人が小声でドアの前で囁きながら室内を伺って
いる姿はなかなか気持ち悪いものである。
「上司命令だ。逝け!」
ドガッと副団長に蹴りをいれ中にいれたのは
軍事に関することを取りまとめる立場にある軍部大臣の
メグルド・レクエルナ。
青い髪に灰色の目を持った42歳
メグルドに蹴り入れられた副団長はもう決死のおもいで
我らが団長へと質問をすることにした。
「よ・・よお~グレン。な・・何かあったのか?」
笑顔で話しかけたつもりの副団長だが若干笑顔がひきつり気味である。
「・・ああ。嬉しいことが・・・な」
幸せの笑みを浮かべたグレンだったがそれは周りから見ると
ニタリ・・・と効果音のつく恐ろしい笑みだった。
「お・・おお。そそうかー。何があったんだ?」
恐怖と戦いながら聞き出そうとする副団長。
「俺の家に使用人が出来たのだ。それで今日は昼食を持ってきてくれる
事になったのだ。その使用人が俺には勿体ない程優秀で
掃除は得意だし料理は上手いしもう完璧でな。
最近屋敷の方も掃除が行き届いていてだな・・・・」
「・・・・うん」
あのグレンに・・・あのグレンに使用人。
いくら雇っても怖がられてにげられたグレンに使用人が・・・。
こりゃ浮かれてもしかたねぇな。
「とにかく素晴らしいのだ。もうすぐ来るはずなのだが・・・。
もしかして迷っているかと思ってな・・・。」
「あー・・。じゃあ迎えに行ってやるよ☆
特徴教えて☆」
だってお前のいつもに増して凄い威圧感出しまくって歩かれたら
被害が拡大するだろ?
「そうだな・・頼む。まだ仕事がある。」
「うん☆うん☆」
「特徴はだな・・・濡れたような黒髪に夏の新緑のように輝く緑の瞳
黒のズボンに白いシャツが何とも似合う・・・男だな」
「・・・・うん☆りょーかい☆」
グレンの優季にたいする褒め言葉(無意識)を聞き終えた副団長は
ドアの方に駆け寄り部屋を出るためドアをあける。
「頼んだぞ」
そんな副団長に言葉をかけるグレン。
「はいはーい☆」
そしてドアの外にでで聞き耳を立てていたメグルドに
今聞いたことを話し
「ほう!あのグレンに使用人が・・・」
「驚きですよねぇ~。はやくみたいですねぇ☆」
「うむ。あれに普通に付き合うことの出来るものはあまりおらんからな。
あってみたいものだ・・・。よし部下に言って案内させよう」
「オレも探しにいきますね~」
こうして二人は城内を探すことにした。