表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/105

66話 ボート

書けたので投稿いたします。

風の飛竜の依頼とその報酬についての取り決めを交わし、その場で昼食をとり、そのときに炎の飛竜とその住処である、「炎の飛竜の巣」について、風の飛竜にいくつか聞いた。


まず、炎の飛竜について。


炎の飛竜は二本足に二枚の翼であり、風の飛竜に比べ、知能が低いとは言うが、魔法を扱え、群れて敵対象を追い詰めようと連携をとる程度には賢いということ。


風の飛竜は単一個体で複数の種類の魔法や威力のある魔法を使うが、炎の飛竜は「ファイアボール」やその上位の魔法の数種類程度を複数個体が追い詰めていくような戦い方をするという。


また、繁殖力は風の飛竜に比べると、かなり高いらしい。


風の飛竜が数年に1度、1つか2つの卵を産むのに比べ、炎の飛竜は1年に1度のペースで数個の卵を産むらしい。


風の飛竜が成体になるのに20年から30年くらい掛かるのに比べ、炎の飛竜は10年前後で成体になるとのこと。


そりゃ、数的劣勢にもなるわけだ。


寿命については、風の飛竜が数百年程度であり、炎の飛竜が数十年といったところ。


大きさは、炎の飛竜が2~3mくらいで、風の飛竜が4~5mくらいらしい。


因みに大きさの話は街の本でも確認でき、船で島に来る前に、確認できたことではあったので、そのあたりの話は聞き流していた。


そして、「炎の飛竜の巣」について。


「炎の飛竜の巣」は、島の構造自体は「風の飛竜の巣」と似ているらしい。


「風の飛竜の巣」は木々花々が生い茂っており、また外周部の1か所には自分たちも利用した、人間が作った係留所があり、その脇にボートの置いてある洞窟があったが、「炎の飛竜の巣」には「風の飛竜の巣」ほど植物は生えておらず、係留所はなく、洞窟のみである。


炎の飛竜の特性上、若年個体が燃やしてしまうから植物が生えておらず、危険であるため人間が係留所を作れなかったそうだ。


また、なぜ「風の飛竜の巣」に係留所があるのかというと、以前、おそらく「流れ者」が来た時に、似たいような依頼をし、その褒美として係留所を作る許可を出したらしい。


卵のある場所は、ここでいう、向日葵が多く咲いている場所にあたるところとのこと。


島の形が似ているのは、遥か昔、この辺りで噴火があり、そのときに連続してできた島であるという話を聞いたことがあると、この風の飛竜は言った。


「水の飛竜の巣」である岩礁は、太古に出来たうちの1つである島のなれの果てという話もしてくれた。


どうやらここは造山帯の上らしい。


最後に、あまり関係はなく、訊いてもなかったが、話の流れで水の飛竜とその関連についても少々話してくれた。


水の飛竜の足は二つのヒレのようになって、足の機能は半ば退化しており、翼は普通に二枚あるらしい。


水の魔法の扱いに長け、知性や繁殖力、体の特徴は風の飛竜と炎の飛竜の中間の、やや風の飛竜よりであるということ。


知性については、人と思念伝播は可能だが、しようとしないらしい。


また、水の飛竜は泳ぐことができ、潜水も数分程度可能であるという話だ。


水の飛竜は人間と関わろうとする個体は風の飛竜よりも少ないという話もあった。


別に、風の飛竜が人間と関わりが多くあるというわけではない。


が、ここの存在もあり、ここの個体が他の風の飛竜に伝え、人間と関わろうとする存在もいるらしいため、風の飛竜は比較的、というか飛竜の中ではもっとも人間と関わろうとする個体が多い。


他の種類の飛竜もいるらしいが、会ったことはないのであまり知らないと言っていた。


話と食事が終わり、係留所近くの場所で野宿する許可を得ようとすると、


「どうせ貴様ら、我が否定しようとそうするしかあるいまい。無駄なことを訊く」


と、呆れていた。


そうしてその後、半日掛けて来た道を戻り、係留所近くの場所で休み、その日を終えた。


風の飛竜以外の大型動物はいないため、野宿ながら、夜の見張りを立てることもなく休めたのは意外な幸運だった。



「これが、『炎の飛竜の巣』へ行くための船……」


次の日の朝、朝飯を食べ、船があるという洞窟へ向かい、その船の姿を見た。


「小さいな……」


「小さいですね……」


あまり大きくても漕ぐのが大変であるので、ある程度小さくても良かったのだけど、それは想像よりも小さかった。


「4人で来なくて正解だったな」


ミハルさんの呟きに、小さく頷く。


船は2人乗りだった。


池のある公園などで乗れるような小さな船の中にはオールが2つと、船の中で釣りをして食料を得るためであると思しき簡素な釣り竿が1つあった。


「はぁ……。出ますか」


「そうだな」


オールは前席に後ろ向きに座るミハルさんに任せ、自分は後ろの席で前を見ながら、方向の指示を出して洞窟を出た。


「じゃあ、ここからは魔法で楽、しましょうか」


「大丈夫なのか?」


「あまり魔力は使いませんよ。心配は要りません。……『ウォーターストリーム』!」


魔法、「ウォーターストリーム」は、「ウィンドストリーム」の水版とでも言ったら良いのだろうか。


「ウィンドストリーム」は「風を起こし続ける魔法」であり、「ウォーターストリーム」は水流を起こし続ける魔法だ。


「ウィンドストリーム」と同じく攻撃魔法で、水準は1。


風とは違い、水という密度があり、威力も多少は上げる必要のあるものであるため、消費する魔力は増えるが、それでも水準が1で設定されている程度には少ない。


「ウィンドストリーム」と同様、何故「攻撃魔法」に指定されているか分からず、あまり使い道の少ない魔法だ。


正直言って「ウィンドストリーム」をもう二度と使うことはないだろうし、「ウォーターストリーム」も船に乗らなければ使わないだろうな。


「ウィンドストリーム」は電力研究所のコモリ所長と出会う前までに偶然知っていたけど、「ウォーターストリーム」はベルクさんの船で見るまで知らなかったくらいだし。


閑話休題。


自分は「ウォーターストリーム」をボート後部に掛け、ミハルさんからオールを1本貰い、方向の調整を行い、ミハルさんは船の釣り竿を持って、昼飯と晩飯の調達をし始めた。


「そういえばミハルさん、酔わないですか?」


「ん?ああ……、大丈夫……だな」


「もし良ければ行ってください。また回復魔法掛けますんで」


「助かる」


小さな船で、ある程度速度が出ているから、結構揺れて酔うかと思ったけど、大丈夫そうだった。


不思議なこともあるもんだ。


「お、さっそく1匹目……って、雑魚か……。これは流石にまだ食えないな」


そうして軽快に進む船の上で、のんびりと過ごしながら「炎の飛竜の巣」へ向かうのだった。

良ければ是非ともご評価・ご感想を頂ければと思います!

ブックマークもお願いします!


書く気力に繋がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ