45話小話7
小話です。書けたので上げました。
「科若さんとミハルさん」
科若Side
「じゃんけん負けちゃったなぁ……。そういえば私って運が悪いって前に桜木君と話してたけど、本当なのかな……?」
そんな、割とどうでもいい独り言を呟いて、自分の手を見た。
まあ、本当にどうでもいいのでそれはそれとして。
桜木君の考えとして、「なるべくあまり接点のないペアを作って、その間での息を合わせるための交流をする」、というのは理解できる。
理解できるけど……。
「……」
「……」
あまりにも接点がなさ過ぎて、話に困ってしまっていた。
この要求が理不尽なものだとは分かるけど、桜木君は何か話題の例を1つでも挙げてさえくれれば、と思った。
いや、今は一応馬車の幌の上で見張りをしているから、別段話をしなくてもいいけれど、この調子では、休憩組と入れ替わってこっちが休憩に入っても話が弾みそうではない。
うーむぅ……。
桜木君はこの幌の下、アズハちゃんと何を話しているんだろう。
あの2人が何かを話題に話しているという想像もできない。
ミハルさんとの話も何かしなくちゃと思うけど、下の会話も何故だか気になってしまうなぁ……。
とにかく、何か話題を見つけないと。
でも、ミハルさんの家族のこととかは既に聞いていて、それに話が話だけに、これ以上は聞けそうもないなぁ……。
ミハルSide
ふむ。
どうしたものか。
クルミとはあまり接点がないから、話をしようにもどの話がいいのか分からない。
順当に考えて、ナオトは俺とクルミの接点をもっと増やし、戦闘時のような緊急時が来た時のために、息を合わせられるようにするためだろう。
だがもし、俺のアズハへの見る視線を変なものに感じさせ、それで距離を置くようにされていたらどうしよう。
俺自身、特にやましい考えはないが、アズハは“似ている”からな。
アズハの前では多少、挙動不審気味になってしまうのは仕方のないことだと思いたい。
が、ナオトには何も言っていないため、それをナオトが正しく認識している可能性は低い。
正直ナオトが息合わせのためにこの組み合わせをしたのでないなら、その理由は分からない。
取り敢えず、ナオトが息合わせのためにこの組み合わせにしたということにしておいて、クルミとのやり取りに重きをおいて、話をしてみよう。
「クルミは……」
「はい……?」
「好きな食べ物とか、あるのか?」
「は、はぁ……そうですねぇ……。『イズムルド』の料理で言うと―――」
こうして、ぎこちなく、そして少しずつ、互いの距離をゆっくりと縮めていこうとする2人であった。
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