表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/105

23話 銀の街への帰還

先の方法によって、移動速度自体は相も変わらずのものだったけど、ある程度の安全性をもってして対応が出来た。


帰る途中に魔物ではないイノシシと、縄張り争いか何かをしていて気性が荒くなっていたシカの群れに遭遇したけど、どちらも寝ていた方の十分に貯められた体力と魔力によって対応し、安全に倒すことができた。


ハッキリ言ってあのオオカミの群れにもクマにも遭遇していないから別に「静谷」から帰るときみたいに二人とも「ヘイスト」を掛けて歩いて帰ってもよかったけど、科若さんを背負っているときにご立派なモノが背中に当たって役得なので彼女がこの方法をやめると言いださない限りは続けようと思う。


「なんか……、鼻の下伸びてない?」


「あー……ちょっと口周りの肉汁が気になって」


いけないいけない。


どうやら自分は顔に感情が出やすいらしい。


科若さんが帰る方法を提案してきたときにも顔に考えが出ていたらしかったので、なるべく彼女に対して失礼な考えをしないようにしていたのに。


今は昼飯時だったし、食事中では気が緩みやすいって何かの記事に書いていた気がするので、それが理由でもあると思う。


兎に角今後、食べているときとかはもっと考え事とかに気を付けよう。


……。


「もうそろそろ、二人とも『ヘイスト』使っていった方が早いんじゃないかな?」


科若さんがそう言いだしたのは、鼻の下を伸ばしながら昼食をとっていた日の夜だった。


「あー……それもそうだね」


今野営している場所は自分たちが切り開いたところじゃなくて、依然誰かが使っていたような場所だった。


それも今までにあったような薪をするために石が多少も組まれていないような場所ではなく、薪をするために石も組まれているし、なんなら雨風をしのげる程度のあばら屋ならある。


「ここからだと、普通に歩いて一週間も掛からないし、『ヘイスト』を掛けたら2、3日くらいで『銀の街』に戻れそうだよね」


「静谷」からある程度「ヘイスト」を使って来たから、行きは1ヶ月弱掛かったけど、ここまで「普通に歩けば」3週間弱掛かるところを1週間と数日くらいで来られた。


そう考えると最初想定していた旅路よりもかなり短期間で帰って来られたな。


「それにここくらいだと、もうそんなに危険な動物も出ないだろうからね」


自分も科若さんの考察に便乗した情報を加えて肯定した。


行きの道も「よく動物と遭遇する森」としては遭遇しなかった方だとは思うけど、森に入って1週間は道には草食動物含めて小動物しか見なかった。


ここまで来ればもう命に関わるような動物とは、道を外れなければ合わないだろう。


「じゃ、明日からは『ヘイスト』を使って帰るってことでいい?」


「うん」


最終確認も終えて、焼きあがった鶏肉の晩御飯に集中した。


……あー、もう科若さんの豊満な房々を背中に感じることも出来なくなってしまうのか。


少しは粘った方が良かったかなぁ……。


「……なんか不安でもあるの?」


「いや、ここまで長かったなぁ、って思っただけ」


いっけね。


やっぱり考え事は顔に出やすいらしい。



こうして、あれから3日掛かって森を出た。


「やっぱり、森を出ると暑いな……」


「そうだね……」


森に入る前は初夏くらいの季節であったけど、今はほぼ真夏かそれを少し過ぎたくらいか。


前の世界のようにヒートアイランド現象も地球温暖化もないから多少はマシだけど、それでも暑いものは暑かった。


ヒートアイランド現象がないとは言ったが、ここは「イズムルド連合」第二の都市、「銀の街」だ。


地面は削られた石で舗装されていて、人通りも多い。


地面の石が多少の熱をもっているだろうと思うし、活気ある人が商売のために大声を出したり忙しなく動いたりすることで、それらもまた暑苦しく感じる。


「今日だけはここの宿屋に泊まって休もうか……」


「賛成……」


比較的涼しかった「獣の森」から、暑い「銀の街」に入ったことで急激に体感気温が変わったことで、一種の「バテ」を感じているだろうから、一晩くらい高めの宿で体を休めたいもんだ。


……。


という訳で宿だ。


いつもなら狭い部屋のガタガタの上下の二段ベッドで恐怖を感じながら寝ていたけど、今日はほんの少し奮発して狭めでシャワー、トイレは共用だけれど二台の一段ベッドでそれぞれ眠れる宿を眠れた。


で、部屋でこれからの作戦会議だ。


「『獣の森』で分かったのは明らかに人手……というか、前衛が足りないよね」


一応「静谷」の遭遇戦でも、そのあとの夜の襲撃でもなんとか逃げ切れたけど、その全ての運が良かっただけだ。


「でも人を雇うとかって、あまり現実的じゃないよね……値段が高いって、イドリス村長も言っていたし……」


「んー……次の地点は『ボルカン帝国』の『秋華滝』だけど、『イズムルド連合』の中で『ボルカン帝国』に行きたいっていう剣術に通じたような人とかを誘えば……それも現実的じゃないよなぁ~……」


人に頼るのは結局、人と人の縁があってこそだ。


人との縁があったらその人に頼み込もうとは思っているけど……そもそも縁がないかもしれない。


「……そっちは出逢いがあればその人に頼もう。まぁ、その出会いもないかもしれないから魔法の練習をして、すぐに強化魔法を使えるようにするとか、効率よく魔力を抑えて使う方法の研究をする方がいいと思う」


「そう……だよね。あとは棍棒の使い方とか、私だったら矢を使った接近戦の方法とかを勉強するとかかな」


そんな話をして身のある作戦会議になったのかは分からないけど、兎に角これからの方針は固まったので寝ることにした。

自分でも感じたこと……「なんか展開早くね?」


良ければ是非ともご評価・ご感想を頂ければと思います!

ブックマークもお願いします!


書く気力に繋がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ