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第8章 異形の連衡と二重軍備 (巻末:豊栄大日本帝国海軍編成表)

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1941年12月2日 午前10時

豊秋津島北部 天領・多良加タラカン軍港

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ジャワ海での大英帝国東洋艦隊(Z部隊)の殲滅、そして不毛の要塞パースの外科手術的な防空網無力化を終えた第二機動艦隊は、豊秋津島(豪州)の北の玄関口であり、帝国の血液を産出する多良加へと滑り込んでいた。


軍港の岸壁には、毛利家の防長石油が精製した100オクタンガソリンを満載したドラム缶が山をなし、織田家の岐州重工から送り届けられた1500馬力級液冷エンジン『水星』の交換用予備部品が整然と木箱に収められて並んでいる。


この無数の予備部品や弾薬のすべてが、和泉国・堺の商工組合が取り仕切る共通公差規格、通称「堺公差」によってネジ一本に至るまで完璧に規格化されていた。そのため、異なる財閥の工廠で製造された機体や兵器であっても、前線での修理や部品交換が異常な速度で完了し、艦隊の稼働率を限界まで引き上げていた。


さらに、これら海軍機のエンジンや機体を製造する美濃の岐州重工と、隣接する尾張国で陸軍機を製造する親藩・尾張徳川家の「葵航空工機」は、伊勢湾と木曽三川を挟んで激しく技術と予算を競い合う「中京・濃尾航空産業圏」を形成している。内政におけるこの熾烈なライバル関係と規格の統一こそが、帝国の技術力を世界最高峰へと押し上げる原動力となっていた。


パース無力化の際、日本軍はあえて上陸部隊を伴わなかった。敵に増援の見込みがない以上、まずは防空能力だけを徹底的に解体し、しかるのちに改めて上陸作戦を敢行して、あの広大な港湾施設や20万トンの燃料タンク群を、そっくりそのまま無傷で豊栄大日本帝国の資産として鹵獲する算段であった。


そのための戦力回復と整備の最中、艦隊の最高首脳陣は、装甲空母『大鳳』の作戦室で次なる戦略の地図を広げていた。


「ジャワ海とパースで消費された魚雷、爆弾の補給は本日1800までに完了。未帰還機や損傷機の補充も多良加の補充工廠から機体が届いております」

そう報告したのは、『大鳳』飛行長・大野健二中佐であった。


小沢治三郎中将は、大野飛行長の上申書に目を通しながら静かに頷いた。

この迅速かつ完璧な兵力回復スピードこそが、ロンドンやワシントンの軍事専門家たちが構築していたあらゆる予測モデルを遥かに超越した、この国の異質な構造の証明であった。


欧米の列強が「東洋の近代国家」として恐れ、同時に侮ってきた豊栄大日本帝国。その正体は、明治維新のような旧体制の完全破壊と中央集権化を経ずに産業革命を成し遂げた、世界で唯一の「公武合体型の立憲君主制」──実態としては幕藩体制を近代化させた巨大な「諸侯連衡しょこうれんこう国家」であった。


この国を動かす国家機構は、最高権威たる朝廷から大命降下を受けた徳川宗家の当主(現在は第17代・徳川家正)が永世宰相として行政の頂点に立ち、大蔵や外務といった国家中枢を「譜代大名」の系譜を引くテクノクラートが冷徹に運営している。

しかし一方で、立法と経済の実権を握っているのは彼らではない。豊秋津島の金・鉄・石炭、多良加の原油によって中央を凌駕する富を蓄えた島津、毛利、鍋島といった旧外様大名系の巨大財閥群である。彼らは華族院(上院)の議席と国家予算の承認権を独占し、私有地として実効支配する海外藩領から莫大な利益を吸い上げていた。


国家全体を統制する強力な中央銀行を持たず、互いに資金拠出を渋り合った結果、19世紀末の大規模インフラ整備に際してロンドンのシティから天文学的な外債を募るという「金融の罠」に陥った致命的な弱点も、この中央と地方の権力分立ゆえであった。


だが、この冷徹な主導権争いは、軍事面において「国家の盾」と「財閥の矛」を明確に分離させるという、歪ながらも無敵の二重軍備体制を生み出していた。


小沢の目の前にある作戦室の巨大なテーブルには、その軍備の全容を示す駒が所狭しと配置されている。


盤上の遥か東、ハワイ沖の公海上に陣取っているのは、天領の税収で建造された幕府直轄の「第一艦隊」である。基準排水量6万4000トン、46センチ三連装砲三基(計九門)を擁する超弩級戦艦『大和』『武蔵』『信濃』『甲斐』の大和型4隻を中核とし、さらに準新鋭戦艦『長門』『陸奥』がその脇を固めている。この重厚長大主義の極致たる水上打撃部隊を敵の航空攻撃から万全に守るため、連衡の盟約に基づき財閥側から『鳳翔』『龍驤』『龍鳳』の軽空母3隻が航空直衛の専門部隊として戦略貸与されていた。重巡洋艦『高雄』『愛宕』『鳥海』『摩耶』の高雄型4隻、長10センチ連装高角砲で圧倒的な対空火網を敷く防空駆逐艦『秋月』『照月』『初月』『涼月』の秋月型4隻、そして足元を固める陽炎型駆逐艦が随伴する。一発も撃たずともそこに浮かんでいるだけでアメリカの中立法を逆手に取り、米太平洋艦隊を真珠湾に金縛りにする「絶対抑止の盾」として、これ以上ない完成度を誇っていた。


そして盤上の中央から南にかけて展開しているのが、財閥の私財と独自工廠で編成された外洋機動航空艦隊──すなわち「拡張と強奪の矛」である。装甲空母を「前衛の盾」、正規空母を「後衛の矛」とする冷徹なドクトリンのもと、機能的に体系化された計15隻の空母打撃群が並ぶ。その甲板や格納庫には、時速650キロメートルを超える超高速の最新鋭戦闘機『烈風』、アウトレンジから敵を粉砕する新鋭艦上攻撃機『流星』、さらに熟成された歴戦の補助機群がひしめいている。

さらに彼らの背後、日本本土と南方資源地帯を繋ぐ長大な臨海線には、商船改造の特設護衛空母や量産型海防艦を集中配備した「海上護衛総隊」の網の目が敷かれ、海中からの脅威を完璧に遮断していた。


この盤石なるシーレーン防衛があるからこそ、小沢の率いる第二機動艦隊はインド洋・蘭印方面の制海権を徹底的に抑え込み、山口多聞中将の第三機動艦隊は装甲空母『鳳凰』や大型空母『瑞鶴』を中核として、南太平洋の通商路遮断へと迷いなく牙を剥くことができるのだ。


「譜代の意地たる大和群がハワイでルーズベルトの目を釘付けにし、我ら外様の銀翼がインド洋と南太平洋の利権をすべて毟り取る……。これほど愉快な連衡れんこうはあるまいな」


小沢中将が作戦盤の駒を見つめながら呟いたその時、作戦室の扉が開き、南太平洋方面からの暗号電報が持ち込まれた。


「山口多聞中将の第三機動艦隊、ならびに外様財閥連合が独自に組織した30隻の武装開拓陸戦隊輸送船団、これより外洋へ抜錨。南太平洋攻略へ向けて駒を進めます。目標は、ニューカレドニア、およびニュージーランド」


参謀が読み上げた電文に、小沢の眼鏡の奥の鋭い眼光が動いた。

「よし。和田や高橋のところの機体も、万全のコンディションだと聞いている」


小沢が口にしたのは、第三機動艦隊の『鳳凰』飛行長として臨戦体制を整える和田鉄二郎中佐、そして『瑞鶴』飛行長の高橋赫三少佐ら、南太平洋の空を裂く予定の歴戦の将校たちの名であった。


世界屈指のニッケル産出地であるニューカレドニアを強奪し、ニュージーランドを完全占領する。それは、豊秋津島東岸のシドニーやメルボルンを孤立させ、米英が南太平洋から帝国生存圏へ干渉する通商路を完全に遮断することを意味していた。


「我々もモタモタしてはいられんな。補給が終わり次第、本艦隊も動くぞ」


小沢の冷徹な号令が、多良加の熱い風に乗って『大鳳』の艦内に響き渡る。

内政では激しく反目し合いながらも、外敵に対しては一瞬の躊躇もなくその「脳(幕府外交)」と「牙(財閥武力)」を完全に連動させる豊栄大日本帝国。世界大戦の歯車は、この異形の連衡が南洋の新秩序を恐るべき速度で構築していく様を、冷徹に刻み始めるのであった。



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【参考資料】豊栄大日本帝国海軍編

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豊栄大日本帝国海軍 航空母艦の進化プロセスと命名法則

外様財閥連合が主導する外洋機動航空艦隊は、限られた工廠資源と戦術研究に基づき、以下の4つのステップを経て15隻の空母体系を構築した。


【黎明期:たか型 ── 軽空母・補助空母】

思想:1920年代末から30年代初頭、航空運用の夜明けに建造された軽量空母、および商船の線型を流用した補助空母。

役割:搭載数は少ないが快速であり、現在は主に艦隊の「直衛(防空)」「索敵」、および前線への「航空機輸送」を担う。


【発展期:りゅう型 ── 中型快速空母】

思想:他国の技術を模倣しつつ、独自の高速性能と手頃な建造コストを両立させた量産型主力空母。

役割:機動部隊の「攻撃質量の主力」として、数による圧倒を可能にした。


【完成期:つる型 ── 大型正規空母】

思想:航続距離、搭載数、防御力のすべてにおいて妥協を排した、外洋侵攻用正規空母の決定版。

役割:機動部隊の「中核(矛)」として、長距離からのアウトレンジ打撃を担当。


【最新鋭:おおとり型 ── 重装甲空母】

思想:敵の急降下爆撃やアウトレンジ攻撃に耐え、艦隊の持続戦闘能力を担保するために生まれた最新鋭艦。飛行甲板に強靭な装甲を施している。

役割:艦隊の「最前衛(盾および洋上管制塔)」として機能し、敵の反撃を受け止めつつ、後方の「鶴」「龍」の群れを誘導する。


豊栄大日本帝国海軍 戦艦群のクラスと再配置ドクトリン


1930年代の航空主兵主義への移行に伴い、幕府直轄の既存戦艦群は以下の3つの役割に解体・再編された。


【高速戦艦:金剛型 ── 空母直衛・夜戦突入艦】

俊敏な高速巡洋戦艦である金剛型4隻は、その快速(30ノット超)を活かし、外様財閥の「外洋機動航空艦隊」へ幕府から貸与された。空母の快速に追随し、その巨体と厚い装甲で空母を守る「盾」となり、同時に夜間水上打撃戦の主力を担う。


【準新鋭戦艦:長門型 ── 戦略抑止・第2の盾】

天領の最高傑作であった長門型2隻は、大和型とともに幕府直轄の「第一艦隊」へ集中配備。ハワイ沖での政治的圧力をさらに重厚なものとしている。


【旧式戦艦:扶桑型・伊勢型 ── 拠点防衛・洋上要塞】

打撃力は高いが鈍足なこれら4隻は、前線での機動戦からは外され、本土および豊秋津島(多良加など)の重要軍港に鎮座する「洋上移動要塞(防衛艦)」として、敵の逆襲を阻む絶対防壁の役割を与えられた。


豊栄大日本帝国海軍 艦隊編成図一覧(1941年12月・完全版)


■ 第一艦隊(天領・幕府直轄/徳川派)

国家の威信たる「絶対抑止の盾」・真珠湾金縛りの主任務部隊(ハワイ沖遊弋中)

※徳川直轄の重厚長大主義に基づき、空母は一隻も含まれない「純粋水上打撃・抑止部隊」。


第1戦隊(超弩級戦艦・戦略抑止部隊):戦艦 大和(第一艦隊旗艦) / 武蔵 / 信濃 / 甲斐

第2戦隊(準新鋭戦艦部隊):戦艦 長門 / 陸奥

※大和型4隻と並び、計6隻の巨砲が真珠湾の米太平洋艦隊を公海上から完全制圧している。


第7航空戦隊(外様財閥連合・貸与防空空母群)

軽空母 鳳翔

軽空母 龍驤

軽空母 龍鳳

※これらは外洋機動航空艦隊の主力15隻の枠からは外れた、黎明期および発展期の傑作艦たちである。第一艦隊に貸与された彼女たちの任務は、敵艦隊の攻撃ではなく、大和型4隻の頭上を覆う絶対的な防空傘の維持。甲板には、防空専任として高度な迎撃管制を受ける烈風の直衛部隊がひしめいている。


第4戦隊(重装甲巡洋艦部隊):重巡 高雄 / 愛宕 / 鳥海 / 摩耶

第11戦隊(直衛防空巡洋艦部隊):防空巡 秋月 / 照月 / 初月 / 涼月

第17駆逐隊(陽炎型駆逐艦):駆逐艦 陽炎 / 不知火 / 黒潮 / 親潮

第18駆逐隊(陽炎型駆逐艦):駆逐艦 雪風 / 浦風 / 磯風 / 浜風


■ 外洋機動航空艦隊(海外領・財閥連合/航空主兵派)

装甲空母を「前衛の盾」、正規空母を「後衛の矛」とし、高速戦艦を直衛に配した決戦部隊


【第二機動艦隊】(インド洋・蘭印方面担当)

司令長官:小沢治三郎 中将 / 首席参謀:古村啓蔵 大佐

※前衛の装甲空母が敵の反撃を吸収し、後方の大型・中型空母が『烈風』『流星』を放つ、最も洗練されたドクトリンで編成された主力部隊。


第2航空戦隊(前衛・打撃混成空母群)

装甲空母 大鳳(第二機動艦隊旗艦 / 鳳型1番艦 / 飛行長:大野健二 中佐)

※最新鋭装甲空母。最前線で敵爆撃を耐え抜き、航空管制を担う「盾」。

大型空母 翔鶴(鶴型1番艦)

※長大な航続距離と圧倒的な搭載数を誇る機動部隊の「主矛」。

中型空母 蒼龍(龍型1番艦)

中型空母 飛龍(龍型2番艦)

※抜群の高速性能を誇る、発展期以来の快速中型空母ペア。

軽空母 飛鷹(鷹型1番艦)

※商船線型流用の長大な航続力を活かした、艦隊直衛・索敵専任艦。


第3戦隊(高速戦艦・空母直衛部隊):高速戦艦 金剛 / 比叡

※幕府から貸与された快速戦艦。対空機銃と最新電探を増設し、空母「大鳳」の僚艦として肉厚な防空火網を形成する。


第5戦隊(高速重巡洋艦部隊):重巡 妙高 / 那智 / 足柄 / 羽黒

第2水雷戦隊(直衛水上部隊):軽巡 能代(阿賀野型)

第10駆逐隊(夕雲型):夕雲 / 巻雲 / 风雲 / 秋雲

第31駆逐隊(夕雲型):長波 / 高波 / 大波 / 清波


第2連合補給部隊(艦隊直属・高速特務補給群)

工作艦 明石(島津重工の移動洋上工廠。前線での艦艇・航空機修理を一手に行う)

高速給油艦 風早 / 隠戸 / 鳴戸

糧食艦 間宮(毛利財閥の冷凍設備を完備し、長期遠征中の将兵の戦意を維持する)


【第三機動艦隊】(南太平洋・通商破壊方面担当)

司令長官:山口多聞 中将 / 首席参謀:鈴木義尾 大佐

※財閥連合の私兵たる「武装開拓陸戦隊」の高速輸送船団を率い、南太平洋のシーレーン遮断を目的とする切り込み部隊。


第3航空戦隊(前衛・打撃混成空母群)

装甲空母 鳳凰(鳳型2番艦 / 第三機動艦隊旗艦)

大型空母 瑞鶴(鶴型2番艦 / 飛行長:高橋赫三 少佐)

中型空母 雲龍(龍型3番艦)

中型空母 天龍(龍型4番艦)

軽空母 隼鷹(鷹型2番艦)


第11戦隊(高速戦艦・空母直衛部隊):高速戦艦 榛名 / 霧島

※猛将・山口多聞の過酷な機動運動に完璧に追随する、財閥お気に入りの高速鉄城ペア。


第7戦隊(多目的航空巡洋艦部隊):航空巡 最上 / 三隈 / 鈴谷 / 熊野

※財閥独自の先駆的設計。後部に飛行甲板を備え、軽空母「隼鷹」と連動して艦隊全体の索敵・情報網を司る多目的重巡。


第10戦隊(先進直衛部隊):軽巡 矢矧(阿賀野型)

第16駆逐隊(夕雲型):早波 / 浜波 / 沖波 / 岸波

第24駆逐隊(島風型・鍋島家量産型):島風 / 嵐風 / 疾風 / 追風

※財閥の高速船団を護衛するため、超高速・重雷装を誇る島風型を集中配備。


第3連合補給部隊(艦隊直属・南太平洋特務補給群)

工作艦 対馬(明石型2番艦・鍋島家建造)

高速給油艦 足摺 / 塩屋 / 鶴見

※30隻の武装開拓陸戦隊輸送船団を伴うため、給油・給水・弾薬補給に特化した編成。


【第四機動艦隊】(本土待機・遊撃・後方警戒方面担当)

司令長官:角田覚治 中将

※将来的な決戦に備え、豊秋津島(多良加)や本土周辺で整備・訓練、および後方連絡線の哨戒にあたる部隊。新兵の育成・補充の母体でもある。


第4航空戦隊(本土待機・遊撃・輸送混成空母群)

装甲空母 白鳳(鳳型3番艦 / 第四機動艦隊旗艦)

大型空母 彩鶴(鶴型3番艦)

軽空母 瑞鷹(鷹型3番艦)

軽空母 神鷹(鷹型4番艦)

軽空母 海鷹(鷹型5番艦)

※「瑞鷹」以下の軽空母3隻は、天領・海外領間のシーレーン防衛(対潜哨戒)、および前線への航空機補給輸送任務を主とする。


第8戦隊(重巡洋艦部隊):重巡 利根 / 筑摩

第4水雷戦隊:軽巡 阿賀野

第2駆逐隊(夕雲型):早霜 / 秋霜 / 清霜 / 朝霜


■ 第五艦隊(天領・幕府直轄/地方警備・拠点防衛部隊)

動く洋上要塞。日本本土および多良加・パース等の重要拠点防衛を担う

司令長官:細萱戊子郎 中将


第5戦隊(旧式・重火力戦艦部隊):戦艦 扶桑 / 山城 / 伊勢 / 日向

※足は遅いが、計44門に及ぶ36センチ砲の圧倒的な面制圧力を誇る。多良加の石油基地や、接収後のパース軍港へ回航され、敵反領撃を絶対に阻止する防壁として機能する。


第21戦隊(地方警戒巡洋艦部隊):軽巡 多摩 / 木曾

第7駆逐隊(旧式・中型駆逐艦部隊):吹雪型駆逐艦4隻(主に対潜・対空哨戒任務)


■ 第六艦隊(海外領・財閥連合共同運用/潜水艦隊)

広大な外洋の『目』であり、米英のシーレーンを締め上げる『通商破壊の牙』

司令長官:清水光美 中将


第1潜水戦隊(外洋隠密索敵部隊):潜水母艦 筑鯨(財閥建造)

伊号第一潜水艦 〜 伊号第六潜水艦

※大型・長大な航続力を持ち、米西海岸までの隠密偵察・通商破壊を行う。


第2潜水戦隊(機動部隊潜水特務群)

伊号第十五潜水艦 〜 伊号第二十六潜水艦

※巡潜乙型・航空機搭載型。第二・第三機動艦隊の前方を潜航し、敵艦隊の動向を電告する『動くレーダー網』として機能。


第3潜水戦隊(南方通商破壊部隊)

伊号第百六十八潜水艦 〜 伊号第百七十五潜水艦

※海大六型・中型快速潜水艦。インド洋および豪州周辺の英連邦輸送船を撃沈する。


■ 海上護衛総隊(幕府・財閥共同運用/シーレーン防衛専門部隊)

日本本土、多良加、豊秋津島を結ぶ「帝国の命脈」を護る絶対の盾

総司令長官:及川古志郎 中将


第1海上護衛隊(東シナ海・蘭印・多良加航路担当)

多良加からの原油、蘭印からのゴムやボーキサイトを日本本土の工廠へと送り届ける最重要ラインを死守する部隊。


特設護衛空母(商船改造艦):大鷹 / 雲鷹 / 冲鷹

※いずれも財閥の日本郵船から徴用・改造された特設空母。甲板は小ぶりだが、対潜哨戒機を20機近く運用可能であり、船団の頭上を24時間監視する目を平然と維持している。


護衛駆逐艦隊(旧式・中型駆逐艦群):睦月型駆逐艦4隻(睦月、如月、弥生、卯月)

※前線での魚雷戦・艦隊決戦からは退いた大正期の旧式駆逐艦。しかし、その手頃な船体と信頼性は、対潜爆雷を抱えて商船の足元を固める護衛任務において無類の強さを発揮する。


第1海防隊(量産型対潜艦):占守型海防艦6隻 / 択捉型海防艦8隻

※鍋島家の佐賀精密機械が、戦時大量生産(ブロック建造方式)を念頭に設計したシーレーン防衛の猟犬たち。安価なディール機関を積み、ソナーと爆雷投射機をハリネズミのように備えて潜水艦を狩り立てる。


第2海上護衛隊(南太平洋・豊秋津島〜本土航路担当)

豊秋津島東岸の金・鉄・石炭、ニューカレドニアのニッケル鉱石を本土へ還流させ、同時に前線の山口多聞の第三機動艦隊へ弾薬を送り届ける、最も長大で危険な外洋航路を担う。


特設護衛空母(商船改造艦):神鷹 / 海鷹 / 瑞鷹

※第四機動艦隊から通商保護へ完全移管された商船改造空母たち。ドイツからの帰還船や外洋高速貨物船をベースとしており、荒れる南太平洋の波濤をものともしない航洋性を持つ。

護衛駆逐艦隊(旧式駆逐艦群):峯風型駆逐艦6隻 / 樅型駆逐艦8隻

※いずれも旧式化により艦隊決戦から外され、兵装を対潜爆雷と対空機銃へ換装した老兵たち。長大な航路を不眠不休で走り回り、商船団の側面に張り付いている。


第2海防隊(量産型対潜艦):御蔵型海防艦12隻

※占守型をさらに簡略化し、外様財閥の各造船所で同時に起工された通商保護専用艦。対潜能力に加え、米軍の長距離偵察機を追い散らすための高角砲を備える。


特設巡洋艦隊(武装商船群):特設巡洋艦 赤城丸 / 浅間丸 / 報国丸 / 愛国丸

※財閥の大型優秀貨客船に、退役した巡洋艦の14センチ砲や12センチ高角砲をボルト留めした急造の武装巡洋艦。正規の軍艦ではないが、その圧倒的な航続距離と船体容積を活かし、護衛船団の臨時の旗艦、および対潜哨戒機の洋上補給基地として機能している。


豊栄大日本帝国海軍 建造・計画中艦艇一覧(1941年12月現在)

■ 幕府直轄(天領・徳川派)建造計画

第13号計画戦艦(大和型5番艦)

進捗:船体工事および主要装甲の汽缶据え付けが完了し、横須賀にて褤装工事中。1942年中期に就役を予定している。


第14号計画超弩級戦艦(超大和型)

1番艦:駿河するが

2番艦:美濃みの

進捗:51センチ巨砲を戴く怪物の系譜。1番艦「駿河」は呉のドックにて基礎船体の組立が進行中であり、2番艦「美濃」も資材の集積を終えて龍骨据え付けの段階にある。


第15号・第16号計画超弩級戦艦(超大和型3番艦・4番艦) 艦名:近江おうみ / 筑前ちくぜん 進捗:駿河・美濃に続く、51センチ巨砲を戴く第三・第四の怪物の系譜。1945年以降のアメリカ新鋭戦艦群の就役を見据え、横須賀および呉にて資材調達と専用ドックの拡張が極秘裏に開始されている。


超甲型巡洋艦(高速戦艦・2隻)

艦名:生駒いこま / 阿蘇あそ

進捗:31センチ砲9門を搭載し、33ノットの快速を誇る機動部隊直衛用の新鋭艦。大和型とは異なる航空艦隊の盾として、1942年中の就役を目指して島津重工のドックで艤装中。


秋月型防空駆逐艦(第2次量産分・4隻)

艦名:冬月 / 春月 / 宵月 / 夏月

進捗:大和型を護る防空駆逐艦の増産。舞鶴および長崎にて突貫工事が進んでおり、前線からの催促に応じるべく艤装員長らが送り込まれている。


次世代大型防空巡洋艦(改秋月型) 艦名:満月まんげつ / 清月きよづき / 大月おおづき / 白月しらつき 進捗:増大する航空脅威から超大和型戦艦群を物理的に護り抜くため、秋月型の船体をさらに大型化し、長10センチ高角砲と電波探知機レーダーをハリネズミのように増載した「空飛ぶ要塞の天敵」。1944年末の就役を目指す。


■ 海外領・財閥連合(航空主兵派)建造計画

鶴型大型正規空母(合計8隻計画・未就役分の5隻)

4番艦:千鶴ちづる

5番艦:真鶴まなづる

6番艦:若鶴わかつる

7番艦:栄鶴えいかく

8番艦:寿鶴じゅかく

進捗:外洋侵攻の主矛たる鶴型を計8隻体制へと拡充する大計画。毛利および島津の工廠にて、4番艦「千鶴」と5番艦「真鶴」がすでに船体構造の構築を終えて進水を間近に控えている。後続の6番艦から8番艦についても、豊秋津島から届く潤沢なボーキサイトと鋼材を用いて、専用ドックの確保と龍骨据え付けが順次開始されている。


鳳型重装甲空母(4番艦・5番艦)

艦名:瑞鳳ずいほう / 祥鳳しょうほう

進捗:前衛で敵の爆撃を弾き返す盾の増強。島津重工の佐世保工廠などで建造が進められており、1942年末の戦線投入を目指す。


龍型中型快速空母(追加建造分・3隻)

艦名:神龍しんりゅう / 海龍かいりゅう / 翔龍しょうりゅう

進捗:発展期の傑作である龍型の増産分。各財閥の工廠にて、佐賀精密機械が主導するブロック工法により急速建造中。1942年末までに竣工し、新編成の機動部隊へ編入される予定。


改鳳型超大型装甲空母(第130号艦型)

艦名:蒼鳳そうほう / 飛鳳ひほう / 天鳳てんほう

進捗:装甲空母『大鳳』の実戦データを基に船体をさらに巨大化し、飛行甲板の装甲厚を倍増させた次世代の「絶対不沈空母」。ジェット戦闘機や次世代大型雷爆機の運用を前提とした超高圧カタパルトを備え、1945年以降の外洋制圧を担うべく、島津重工で基礎設計が完了し起工準備中。


新設計・最上型発展型多目的航空巡洋艦(2隻)

艦名:石狩 / 十勝

進捗:12機の烈風を運用可能な次世代航空巡洋艦。南太平洋の戦訓を盛り込み、長崎にて船体製造が進行している。


島風型超高速駆逐艦(第2次量産分・4隻)

艦名:北風きたかぜ / 高風たかかぜ / 大風おおかぜ / 清風きよかぜ

進捗:40ノット超を誇る高速直衛兵力。島風の血統を受け継ぐ快速の風として再命名された。浦賀の分工廠にて、高圧高温缶の組み込みが急ピッチで進んでいる。


島風型超高速駆逐艦(第3次・第4次超量産計画)

進捗:次世代の航空戦・水雷戦において、艦隊のベース巡航速度そのものを「40ノット」へと引き上げるための壮大な計画。鍋島家の佐賀精密機械が主導するブロック工法により、1944年以降、十数隻規模での大量建造・順次進水が認可された。


新造重巡洋艦および旗艦用軽巡洋艦

艦名:重巡 伊吹いぶき / 鞍馬くらま 、軽巡 大淀おおよど

進捗:利根型・最上型の設計を発展させた重巡群と、竹中数理演算所の通信・索敵設備を集中搭載した旗艦用新鋭軽巡。1942年中の就役を目指し建造中。


次世代機動部隊旗艦用 軽巡洋艦(改阿賀野型) 艦名:仁淀によど / 吉野よしの / 剣埼つるぎざき 進捗:時速800キロに達する次世代航空機や、40ノット超で駆け回る新鋭駆逐艦群を最前線で統率するための「高速電脳巡洋艦」。竹中数理演算所の最新型電子算盤を中核とした洋上管制室を持ち、1944年の就役を予定している。


潜特型潜水艦(第十八号型特型潜水母艦)

艦名:伊号第四百潜水艦 〜

進捗:長距離潜水艦の建造を独占する島津家(西国重工)が、極秘裏に建造を進める世界最大の「潜水空母」。耐圧格納筒を備え、開発中の特殊水上攻撃機『晴嵐』を搭載してアメリカ東海岸やパナマ運河の直接打撃を企図する。


高速強襲揚陸艦(第一号型 / 第百一号型輸送艦)

進捗:浅野港湾と藤堂製作所が開発した「油圧バウ・ランプ(道板)」を大型の艦艇に直接組み込んだ次世代揚陸艦。鎮撫兵団の装甲車や陸戦隊を海岸へ直接吐き出すための強襲プラットフォームとして、瀬戸内の各ドックで大量起工されている。


■ 海上護衛総隊 関連建造計画


量産型海防艦(日振型・鵜来型)量産計画

進捗:占守型・択捉型・御蔵型に続く、シーレーン防衛の猟犬の究極の量産モデル。佐賀精密機械が主導する「完全ブロック工法」により、艦首・機関・艦尾などの区画を別々の工場で製造し、船台で一気に溶接結合する。1942年以降、驚異的なペースで大量進水する予定。


特設護衛空母の追加改装計画

艦名:神鷹しんよう / 海鷹かいよう / 瑞鷹ずいよう

進捗:日本郵船などの優秀商船や、欧州からの引き揚げ豪華客船をベースとした特設空母群。大鷹型に続き、飛行甲板の設置と対潜哨戒機運用能力の付与が急ピッチで進められている。


次世代兵器・次期開発計画(1943年以降稼働予定)

1941年12月現在、帝国は開戦と並行して「その先」の兵器開発をすでにスタートさせている。

次期主力戦闘機『天風てんぷう』の開発着手 進捗:液冷エンジンの性能限界を見据え、2500馬力級の超大出力空冷星型発動機を搭載する究極のレシプロ艦上戦闘機の開発命令が、海軍から岐州重工(織田家)へ下された。

次世代推進機関(ジェット / ロケット)の基礎研究 進捗:立花飛行機や岐州重工の極秘施設において、プロペラを持たない「ターボジェットエンジン」および「ロケットエンジン」の基礎研究がスタートしている。数年後の実用化を目指し、莫大な資本が投下されている。

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