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幕間9 1943年頃のアメリカ軍 建艦・生産計画と日本の空母改装及び建艦計画

アメリカは「マニュファクチャリング・モンスター(大量生産の怪物)」として、職人技を極限まで排除し、未熟な工員でも組み立て可能な「使い捨て」を前提としたブロック工法や電気溶接による暴力的な大量生産ドクトリンを採用している。


1. エセックス級 正規航空母艦

建造発注数:32隻

概要:ワシントン条約の制限をかなぐり捨て、合衆国の工業力のすべてを注ぎ込んで量産される3万トン級の巨大空母群である。設計図の段階で完全に規格化・モジュール化されており、ニューポート・ニューズ造船所やベスレヘム・スチール、ニューヨーク海軍造船所など全米5箇所の巨大ドックにおいて、まったく同じ設計図面を用いたブロック工法により同時に起工・大量建造されている。「沈めば次を補充する」という、空母すら消耗品として扱うアメリカの恐るべき戦略の象徴である。タラワ沖で先行配備の8隻が鹵獲されたが、この世界線では過去の空母名を継承しないという方針のもと、1943年11月時点で『ボノム・リシャール』『イントレピッド』『オリスカニー』などがすでに就役済みであり、『キアサージ』『フランクリン』『シャングリラ』が西海岸で慣熟訓練中。さらに1944年春までに就役できる大型空母として、『タイコンデロガ』『ランドルフ』『ハンコック』『ベニントン』『ボクサー』『クラウン・ポイント』『レイク・シャンプレイン』『ヴァリー・フォージ』『フィリピン・シー』などが完成間近で艤装の最終段階に入っている。


2. 次世代大型空母および随伴護衛艦艇の建造計画

概要:タラワ海戦での空母8隻鹵獲という事態を受け、アメリカはエセックス級すら過去のものとする基準排水量4万5,000トン級の超大型装甲空母『ミッドウェイ級』の建造計画を新たにスタートさせた。さらに、来るべき巨大空母群の絶対的な防空網を担うため、完全自動装填装置を備えた『デモイン級』重巡洋艦や、対空火力を極限まで高めた『アレン・M・サムナー級』および『ギアリング級』駆逐艦が、新たな空母群の規模にふさわしい数で直ちに量産ラインに乗せられた。


3. 護衛空母群

生産数:50隻以上(ボーグ級、サンガモン級、カサブランカ級など)

概要:C3型規格の大型貨物船や商船の船体をベースに、甲板を電気溶接で強引に後付けした空母群である。大西洋の波間を24時間体制で監視し、太平洋の兵站輸送を担うために大量生産された。カイザー造船所などのフル稼働により、文字通り「毎週1隻」という信じがたいペースで次々と就役し続けている。


4. 戦時標準船 リバティ船(EC2-S-C1船型)

建造計画数:2,710隻

概要:Uボート等によって失われる輸送船の数を、工業的な「建造速度」だけで強引に上回るために設計された粗製濫造の貨物船である[357]。全米18箇所の造船所でリベット打ちを完全に廃止し、電気溶接と巨大なブロック工法のみで建造され、平均42日(最速記録4日と15時間)という驚異的な速度で次々と進水している。


5. 護衛駆逐艦(DE・大量生産型)

生産数:250隻以上(エヴァーツ級100隻、バックレイ級150隻など)

概要:安価なディーゼル機関と最低限の武装のみを搭載し、ブロック工法によってわずか数ヶ月で進水する使い捨ての護衛艦である。大西洋でのUボート対策として商船団の足元をハリネズミのように固める。


6. 水陸両用・揚陸艦艇

戦車揚陸艦(LST):150隻規模で大量建造。

歩兵揚陸艇(LCI):240隻規模で大量建造。

LVT(水陸両用装軌車):生産発注数1万8,620両。上陸時に破壊されることを前提としており、巨大なポンツーン(浮舟)にキャタピラを巻きつけただけの単純な構造を持っている。これらは、作戦で半数が沈んでも構わないという前提のもとに粗製濫造された使い捨ての揚陸プラットフォームである。


7. 新鋭戦艦および超弩級戦艦の建造計画

概要:タラワ沖で喪失(鹵獲)した戦艦群の穴を埋め、日本の『大和型戦艦』を正面から粉砕するため、アメリカは高速戦艦および超弩級戦艦の建造ラインをフル稼働させている。すでに大西洋から太平洋へ急ピッチで回航中、あるいは艤装・公試中のアイオワ級高速戦艦『アイオワ』『ニュージャージー』に加え、同型の『ミズーリ』『ウィスコンシン』『イリノイ』『ケンタッキー』の建造が加速している。さらに1945年以降の就役を見据え、16インチ砲12門を搭載する基準排水量6万トン超の超弩級戦艦『モンタナ級』の建造計画(『モンタナ』『オハイオ』『メイン』『ニューハンプシャー』『ルイジアナ』)も直ちにスタートし、圧倒的な艦砲射撃の質量を太平洋へ投射する準備を整えている。


8. 巡洋艦・駆逐艦・潜水艦の大量生産

概要:クリーブランド級軽巡洋艦やボルチモア級重巡洋艦、フレッチャー級駆逐艦、ガトー級潜水艦なども月産体制が完全に軌道に乗り、自動車工場のベルトコンベア方式を転用したラインから文字通り「湧き出している」状態で大量生産が進められている。


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豊栄大日本帝国海軍 鹵獲新鋭空母改装案および次世代超大型装甲空母計画

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1943年11月、ギルバート諸島タラワ環礁沖合において、アメリカ第5艦隊から一発の砲火を交えることもなく無傷で鹵獲(拿捕)された、基準排水量3万トン級の新鋭正規空母「エセックス級」8隻。そして、その屈辱に狂乱したルーズベルト大統領が建造をスタートさせた4万5,000トン級の超大型空母「ミッドウェイ級」。 大洋を挟んだ果てしない建艦競争において、豊栄大日本帝国は他国の技術を貪欲に収奪し、自らの職人技と規格化(堺公差)によってさらに強大な怪物へと錬成する「極限の技術アップデート」を開始していた。


Ⅰ. 鹵獲「エセックス級」空母の帝国仕様改装案(鷲型正規空母)

タラワ沖で降伏したエセックス級8隻は、浅野港湾や藤堂製作所のドック、あるいは多良加タラカンの軍港へと曳航され、帝国の技術者たちによってネジ一本に至るまで徹底的な解析が行われた。 その評価は、「電気溶接とブロック工法による粗製濫造の極みであるが、船体そのものの巨大な容積と鋼材の材質は極上品」というものであった。帝国海軍はこれらをただの戦利品としてそのまま使うのではなく、帝国の戦術ドクトリンと「堺公差(共通規格)」に合わせて徹底的に改造し、新たな空母の系譜「わし型」として自国の帳簿に組み込むことを決定した。


飛行甲板の重装甲化 アメリカ空母の最大の特徴である「木張りの飛行甲板」は、被弾時の復旧が早い反面、敵の急降下爆撃に対して極端に脆弱である。装甲空母を前衛の盾とする帝国のドクトリンにおいてこれは許容できず、越前松平重工業が製造する極厚の特殊装甲鋼板を甲板の主要部分に上張りする大改修が施される。重量増による重心の上昇を防ぐため、船体側面に巨大なバルジ(張り出し装甲)を増設し、防御力と復原性を強引に両立させる。


油圧兵装・射出機構の刷新 アメリカ製の油圧エレベーターやカタパルトの基本構造は優秀であったが、帝国の重量級艦載機を連続運用するためには強度が不足していた。これらはすべて撤去され、伊勢・藤堂製作所の高度油圧システムを用いた新型エレベーターと、鍋島家(佐賀精密機械)の削り出した「高圧油圧カタパルト」へと完全に換装される。


電子兵装および対空火網の帝国規格化 艦橋に備えられていたアメリカ製のSCレーダー等は徹底的にリバースエンジニアリングされ、その技術を吸収した上で、筑前・黒田精機製の最新型「電波探知機(電探)」に置き換えられる。さらに、アメリカの猛威である「VT信管」を無効化するための野戦電波妨害機(ジャミング装置)を集中搭載。対空火器も、アメリカの5インチ砲から、水戸徳川造兵工機製の長10センチ高角砲および20ミリ多連装機銃へと換装され、第一艦隊の防空巡洋艦に匹敵するハリネズミの対空陣地を形成する。


機関部および消耗部品の『堺公差』適用 巨大な出力を持つ主機関そのものは流用されるが、ベアリングやバルブなどの消耗部品は、和泉堺の商工組合が管理する「堺公差」に基づいてすべて帝国規格で新造・交換される。これにより、前線での修理にアメリカの部品を必要とせず、帝国の補給網だけで完全な稼働率を維持できるようになる。


かくして、アメリカの大量生産の象徴は、帝国の「質の暴力」を纏った鷲型正規空母『飛鷲ひわし』『翔鷲しょうわし』『蒼鷲そうわし』『猛鷲たけわし』等へと生まれ変わり、外洋機動航空艦隊の圧倒的な打撃力として再就役の時を待つこととなった。


Ⅱ. 米「ミッドウェイ級」に対抗する次世代超大型装甲空母の建造計画

ルーズベルト大統領がエセックス級すら過去のものとして、基準排水量4万5,000トン級の超大型装甲空母『ミッドウェイ級』の建造をスタートさせたという情報は、帝国にとって決して寝耳に水ではなかった。 なぜなら、江戸城地下の幕府最高臨戦評議場と外様財閥群は、すでにそのミッドウェイ級すらも凌駕する「化け物の系譜」の建造を、はるか以前からスタートさせていたからである。

改鳳型超大型装甲空母(第130号艦型)

予定艦名:『蒼鳳そうほう』『飛鳳ひほう』『天鳳てんほう

進捗状況:島津重工(西国重工)の巨大ドックにて基礎設計が完了し、起工準備中。1945年以降の外洋完全制圧を見据え、建造が本格化している。


概要およびドクトリン: 実戦投入された装甲空母『大鳳』および『鳳凰』のデータを基に、船体を基準排水量5万〜6万トン級という未曾有のサイズへと巨大化。飛行甲板の装甲厚を倍増させ、アメリカのいかなる大型爆弾や特攻兵器の直撃にもビクともしない次世代の「絶対不沈空母」である。 アメリカのミッドウェイ級が搭載機数という「数」を頼みとするのであれば、こちらは一隻で敵艦隊の全火力を受け止め、圧倒的な質量の航空機を空へ叩き出す「絶対的な盾と矛の融合」を体現している。


次世代航空艤装と搭載機: この巨艦は、旧来のレシプロ機を運用するためだけのプラットフォームではない。来るべきジェット時代を見据え、岐州重工(織田家)が極秘裏に開発を進めているターボジェットエンジン搭載の四三式艦上噴進戦闘機『焔風えんぷう』や、雷撃と急降下爆撃の両方を一機でこなし、巨大な爆弾を抱えたまま高速で敵空母を粉砕する四三式艦上攻撃機『迅星じんせい』といった、重量級の次世代機の運用を大前提としている。 それらの巨鳥を短い甲板から安全かつ連続的に空へ蹴り出すため、鍋島家(佐賀精密機械)の技術の粋を集めた新設計の「超高圧カタパルト」を複数基装備し、アメリカの防空網を閃光のように切り裂く準備を整えている。


アメリカがいくら工場のベルトコンベアを回して鋼鉄の津波を起こそうとも、豊栄大日本帝国は他国から奪った最新技術を咀嚼し、自国の職人技と極限の規格化によって、その津波を丸ごと呑み込むだけの「進化する巨城」を絶え間なく生み出し続けていたのである。

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