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閑話:同期を想う
訓練場の中央。
あいつが、後輩たちに指導している。堂々とした立ち姿。迷いのない剣。
……強いな、やっぱり。
遠くから眺めながら、そんなことを思う。羨ましいとは思う。でも、不思議と嫉妬はなかった。もともと、あいつは素質があった。俺よりずっと早く、隊長になったのも納得だ。
――けど。
あいつは、ある時を境に一気に強くなった。
何があったのかは知らない。死ぬほど自分を追い込んだのか。それとも、何かを掴んだのか。
聞いたことはないし、たぶん聞かない。ただ、分かっていることがある。あいつは、強くなったあとも、手を抜かない。獣との戦いでもそうだった。今もこうして、当たり前みたいに剣を振っている。
……すげえよ。
小さく息を吐く。剣を手に取った。あそこまでは、いけなくてもいい。
せめて――足を引っ張らないくらいには。
そう思って、訓練場へ踏み出す。
自然と、握る手に力が入った。




