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日本合身後 19年目 20年目

 19年目。

 無事年を越えることが来た。そして新年、めでたい。


 はぁ~。

 ああ、このため息は今年の6月に国連が復活する事に関係する。

 NUN、ネオ・ユナイテッド・ネーションズ。新国連だ。その設立総会があるんだ。ロンドンで。憂鬱だ。外国人なんて20年まともに見たこともないんだぞ。正確には使者とか大使とかは見たが数人だ。大勢はな。引きこもってちゃダメかな。ロンドンは遠いんだよ。


 ダメ!


 そっか。行くしかないか。それでため息だ。

 ようやく復活した国際線に乗って。空路は成田発バンクーバー経由ロンドン着。バンクーバーで一泊する。復活した国際線でも旧ロシア+ベラルーシ+中央アジア・旧アメリカ合衆国・旧中華人民共和国・トルコを除く中近東とアフリカ上空は危険地帯として空路に指定されていない。万が一対空ミサイルが飛んできてもね。と言うことらしいが。


 やってきました。ヒースロー空港。これがロンドンロンドン、激写激写。

 白い目で見られた。若干離れるSPや随行者達。なんぇ~。特にSP。


 設立総会のついでに首脳会議も行った。新国連で一番の問題は中近東の安定とアメリカ合衆国の分割問題。やはりヨーロッパ中心の話題か。中華人民共和国の群雄割拠問題は関心が少ないな。アジアの協調国と共に勝手にやらせてもらおう。ロシアとベラルーシのうち、ロシアは既に脅威はなく援助をしているという。ただ距離がありすぎて援助の手も届かないと。道なき道を頑張って自力で運んでいるらしい。一応道路の建設は始まっているという。ベラルーシは崩壊したが、まだ油断ならないとして警戒対象になっていると。ロシア信奉の強硬派が生き残っている間はだが。そのロシアが既に崩壊して政権も無いんだがどうして頑張れるのだろうか。不思議だ。

 ついで通信網の構築。日本周辺とヨーロッパを結ぶ海底ケーブルの構築が議題になった。ヨーロッパのインターネット網はもう少しで再構築が終わるという。今は海底ケーブルをスエズ運河・紅海経由でソコトラ島まで延ばしたという。アフリカ沿岸とアラビア半島は情勢が安定しないので敢えてソコトラ島だと。インドまで延ばすという。日本は韓国と台湾まで延びている。今年中に香港へ届く予定。香港は中継基地だが、言われると情勢不安地域だな。万が一を考えないといけないんだろう。その先はフィリピン、ベトナムに延ばす予定。フィリピンからはオーストラリア・ニュージーランドを目指す。直接ベトナムまで持って行った方が良いのか?帰ったら会議だな。最終的にはシンガポール経由でインドを目指しているが、ヨーロッパからシンガポールまで敷設する方が早いかもしれない。

 あ、あと、領土の大幅な拡大は上手くやりやがってとか運が良かったなという反応が多い。ヨーロッパでは平地部分が増えているので農地の拡大も有り食料に不安は無いそうだ。日本なんて増えた大部分が農業に適さないツンドラや寒冷地だぞ。地下資源は膨大という予測だが。

 ヨーロッパでも地下資源は大幅に増えているらしい。アルザスロレーヌは石炭とか鉄鉱石がバンバン採れるという。スウェーデンも負けずに高品質で鳴らすスウェーデンスチールで市場に訴えていると。品質は大差ないらしい。やり方がほぼ同じなら似た品質になるよね。石油もルーマニアが復活した。北海油田は範囲を拡げているが、水深の深い油井はコスト面で太刀打ちできないので多くの油井を閉鎖していると。

 ノルウェーのシリコンは採掘量が増えている。精錬も順調で日本にも入ってきている。現在、日本のシリコン輸入先は多くがオーストラリアからだが分散という意味ではるばる輸入している。

 自動車は部品の調達が順調になりつつあり徐々に生産量は増えている。これは日本と同じだな。


 旧アメリカ合衆国の扱いが議題の一つになっているが、カナダがかなり新しい土地の権利を有している事が問題とされた。しかし、地球さんの警告によってこの問題で争うのは良くないとカナダの現状は黙認される。旧アメリカ合衆国から来た複数の地域代表が文句を言うが、軍事力も経済力も失った現状では相手にされていない。それに地球さんの警告を分かっているのだろうか?ただ、カナダは手を広げすぎて管理できない状態になっているので、旧アメリカ合衆国の再編に伴いある程度は手放す気でいるようだ。グアムとハワイ?何言ってるのかな。


 ヨーロッパでは、地中海の出入り口であるジブラルタル海峡が3倍近い45キロまで広がり水深も深くなったので影響が大きいという話も聞いた。大西洋からの海水流入量と地中海からの吐出量が増え地中海の環境が変わりつつあると。アドリア海やエーゲ海辺りはまだ従来の生物相が残っているが、サルディーニャ島から西は大西洋沿岸地域と変わらなくなってきているらしい。スエズ運河は拡がっていないと。「あそこは拡がって欲しかったんだ」と。

「ボスポラス海峡はどうしました」と聞くと「ボスポラス海峡もダーダネルス海峡も広がっていないんだよ。困っちゃうよ。スエズ運河同様、両岸が同じ行政単位だったんだ。あ~あ」だと。「バルト海はエーレスンド海峡が35キロくらいになったので地中海同様バルト海の環境も変わりつつある」と。


 国家間や地域間の紛争解決手段としての軍事力だが、ハッキリ言って各国とも常時海外展開できる兵力は無い。

 この総会で数少ない議論になった部分だが、現状で


1.他国に脅威となるような兵力を持つ侵攻性の高い勢力は無い。

2.弾薬の製造が出来ないと継戦能力が無いので勢力内で威張っているだけの武装勢力が多い。

3.派遣する時は一気に片を付けるつもりで容赦なく行動する。


 と、大まかに決まった。


 重要議題である麻薬勢力対策だが、


 弾薬の製造が出来ないので手持ちや在庫から出すだけであり継戦能力は低い。麻薬勢力なのか一般住民なのか区別が付きにくいので武装勢力のように一気呵成に殲滅まで持って行けない。地元警察と組んでじわじわとやるしかない。現状、国際貿易量が少なく監視がやりやすいがそれでも密輸は発生している。従来通りの水際作戦が重要である。


 と、これも大まかに決まった。


 ロンドンでも窮状はあった。バッキンガム宮殿でも見るための庭園を潰し積極的に野菜作りを行い、庭園のバラは見る影もなくなったが今はかなり戻っていると聞いた。アレでかなり戻ってきているのか。元の写真は確かに凄いな。園遊会に招待されて拝見したしましたが。


 多くの実りある会議と個別会談が実現した良い設立総会であったと思う。しかし先行きは不透明だ。





 20年目。

 今年もインフルエンザの猛威が無く落ち着いた年頭だった。

 花見の時に前総理大臣がはっちゃけすぎて大怪我をし入院するという事件があった。原因だが犯罪や事故に巻き込まれたのではなく自爆だという。いい歳なんだから考えて行動しなさい。

 埼玉で起きた大規模な下水道陥没事故から各地で下水道の点検と設備の更新が始まっている。こちらに人手が取られ思うように道路建設が進んでいないのだがこれは仕方がない。これが無ければもっと道路は繋がっている。シールドマシンが作れないので大型の配水管でも全て地上から掘り進むというやり方で行っている。引っ越しを余儀なくされる家は引っ越ししていただくが、人口の大幅減で引っ越し先に不足無く敷地面積の増大(元の面積による)もあり順調に進んでいる。

 問題はこの作業は永遠に続くということ。つまり、終わった頃には他が経年劣化しているのだ。もちろん研究機関では長持ちする建材や手法の開発を手がけているが、高価な素材が必要だったり手間がかかり工事費がものすごく高額になるとか、費用対効果の面で使えないものが多く上手くいっていない。


 コンピューター分野だがヨーロッパでWindowsに代わるOSを新規開発しようと頑張っているらしい。インドも協力していると。海底ケーブルがインドまで届いたので協力できるようになったようだ。日本からの海底ケーブルはまだインドまでとどいていないからな。飛行機で何日も掛けて遣り取りするのでは遅くなるのだろう。でも仲間はずれはないと思う。NUNの年次総会で文句の一つも言うか。

 この動きは研究開発元が無くなり将来性が無いインテル・AMD・NVIDIAのプロセッサをARMのプロセッサに置き換えようと動いている事から発生していると。実際の製造はTSMCだな。それまではTSMCで作っているAMDのプロセッサが主役だろう。台湾にはカニもあるし、周辺チップの不安も少ない。

 日本でも新型OSとCPUなどのプロセッサをと思うが実現できそうな企業の研究開発部門の人材はアレで消えてしまった。もうARMとヨーロッパ・インドに追いつくとこは出来そうにないな。

 コンピューターの土台となる基本構成はARMに合わせた新規格に変わるんだろう。そこで置いて行かれないようにしなければ。日本が素材生産だけの国になってしまう。

 そういえばアレの時、強引に接収した株式の中にARMの発行済み株式が9割入っていたな。NUNの年次総会でこれをネタになんとか交渉してみるか。


 遂に7年分の物資から新車の在庫がほぼ無くなった。税収もほぼ無くなった。財政を支えてくれた物がひとつ無くなった。時代の変わり目だろう。

 自動車メーカー各社は新型車の開発が低調だ。売れ行きも以前のようにないので頻繁なモデルチェンジには開発資金が不足しているらしい。これからはモデルチェンジが10年ごとになりそうという噂も。軽自動車の規格を変更したのも影響しているかもしれない。幅50ミリ全長80ミリの拡大をした。排気量は800ccに。これは衝突時の安全性を高めるためのもので室内寸法は長さ幅とも以前の車種同等と決められた。軽トラは荷台寸法の前後方向は以前のままとしている。必然的に重くなる車両に対応するために排気量も増やした。ギリギリで車庫や進入路になっている箇所は入れなくなる可能性が高いため政府が補助を付けて拡大出来るようにする。

 次に軽自動車の規格を変える時は軽自動車というものではなくなるだろう。1000cc車という枠になるかもしれない。


次回更新 6月27日 05:00


次回から5年置きくらいに代わる予定です。

最終話は100年後の世界を目途にしています。

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