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日本合身後 13年目 14年目

 13年目


 今年も無事正月を迎えられた。


 さて、近畿の大事業である琵琶湖放水路建設が3割程度進んだそうだ。琵琶湖放水路建設とは、結合後滋賀県の雨水は拡がった土地も含めてほとんどが琵琶湖に集まる。そして出て行く川は瀬田川1本。下流の京都府では宇治川、大阪府では淀川と名前が変わるが同じ川である。さらにそいつらには途中で流れ込む川がある。大雨が降ると琵琶湖の水位が危険水位を超えるのである。過去には沿岸が浸水したこともあったと。瀬田川の堰もダムも最大限に放水すると今度は京都や大阪で洪水が起きるのである。その水を最短距離で海に流そうと計画されたのが琵琶湖放水路。瀬田川拡幅は現実的ではないとして、滋賀県高島市マキノ町から日本海側の福井県三方郡美浜町の海岸まで総延長58キロの水路を建設することになった。分割前なら24キロくらいで済んだのだが県境が20キロ増えたのである。直線よりも長いのは山の低いところを選んだため。後は流れを曲げて流速が上がりすぎないようにするためもある。58キロで84メートルの琵琶湖から日本海までだから木曽川くらいの流速になる予定だそうだ。山はトンネルではなく切り崩して。つでに両岸に道路も作る。大事業であるが、これをやらないと琵琶湖が常に満水状態で危険な上に下流域も少し雨が降れば水害の危険性が上がるということで将来のためにもやらなければならない。

 2割方というのは、途中の道路や鉄道の高架化が完成したからだ。既に山は崩し始めている。膨大な残土は谷間の埋め立てに使うと。埋め立てても用はないが土石流の原因にならないように慎重にやるらしい。

 出来上がるのは護岸を含めて最大幅160メートルで琵琶湖の基準水位から水深マイナス2メートルから3メートルの巨大放水路だ。実際に常時水の流れる部分は幅100メートル深さ2メートル程度だ。両岸の道路部分を土砂崩れ防止のためなだらかにするので幅400メートル以上山を削る。福井県側では耳川を拡幅し利用する。耳川は最大幅200メートル、川底からの高さは堤防も含めると7メートルにもなる。水深が一定しないのは放水路全部をコンクリートで作るのではなく一部の護岸部分だけをコンクリートにして残りはそのままにするからだ。計算上では強烈な雨台風が1週間も居座らなければ大丈夫らしい。2025年に事業が始まり福井県が国の補助を受けて無職の住民の仕事になるよう手配をしていると。滋賀県側も同様だ。国庫が怪しいが、京都や人気が無いと言っても通過する道路の多い大阪が水浸しよりもマシだろう。


 問題は巨大プロジェクトの予算なんだが。

 予算は国家予算でその予算は税収の他、新しい土地や新領土の地下資源を担保とした債券を基本にしている。

 まあ、ハッキリ言って大きな税収は見込めないので予算額のうちかなりがこの債券頼りの予算だ。拙いんだけど一応取ったアンケートなどで「現状ではやむを得ない」「他に無いし」「税収だけだと無理なんでしょ」などという消極的な賛成を得られている。

 地下資源はある程度見つかっている。特にマガダンの金鉱脈は有望だ。順調にいけば年40トン50年間が見込まれている。さらに金の数%もプラチナが。建設中の放射性物質最終処分場はここから100キロは離れている。影響は無いということだ。

《 現在年間4トン産出している。副産品として銀やプラチナも含まれる有望鉱山である 》

報告書の要約だとこうなる。国内でも県境にかつて在った鉱山が有望かもしれないと調査はしている。きっかけは新潟と山形の県境で見つかった油田である。探査の結果、推定となっているが現在ならだいたい3年分に相当する。他にも見つかっている。探査は熊と戦いながら。だいたい熊王国なんだよな。在ったのが。

 例えば昨年、秋田県と青森県の県境でかつての十和田鉱山から新しい県境にかけてボーリングしてみた。熊とアレしながら。有望な複雑硫化鉱の黒鉱(くろこ)鉱床が見つかったということだ。けっこう有望らしいが問題は熊王国のド真ん中。開発に関して従事する人員の安全確保が難しい。そこまでの道路建設と共に。

 また神岡鉱山跡付近では過去同等以上の鉱脈が見つかった。ただ現地での精錬は過去の公害病(イタイイタイ病)によって現地では否定的である。採掘だけして精錬は別の場所でやることになるようだ。輸送の都合で大垣周辺になりそうだ。現在は高山本線に接続する鉄道を建設中。高山本線で岐阜駅まで岐阜駅から大垣駅の車両区で荷下ろしをする計画である。ひょっとしたら精錬工場まで専用線を作るのかもしれない。岐阜県の有望な産業として期待されている。鉱脈が新しい県境の富山側まで拡がっており富山県でも期待している。スーパーカミオカンデは生き残っていたが設備が使われないままノーメンテであり現在各大学や浜松ホトニクスの協力を得て再開可能か調査中。

 他にも各地で新鉱脈の探査は盛んで幾つか有望な鉱脈が発見されている。


 政治では第五十回衆議院選挙と参議院選挙と統一地方選挙が行われた。前回とだいたい同じ傾向だった。国土再構成に励んでいる現在、我田引水勢は足を引っ張る存在としてさらに勢力を弱めている。インターネット網が未だ再構築出来ない現状ではSNS頼りの****は当然出てこられないし、地域に根ざした活動をしている政治家が選ばれる傾向にある。良いことだ。行きすぎると以前のように癒着問題と後継者問題(世襲)も出てくるので難しいところではあるが。

 我田引水勢が足を引っ張る存在になっているのは、政府や国会の仕事を広報でしっかり伝えていることが出来ているからだった。限られている予算と人的資源の中で取捨選択を行うのに邪魔な連中でしかない。それを広報誌でこういう交渉があったと国民に向けて発表している。政府は全国向けに広報誌を発行しているのでそれに載せるのだ。当然無料でありスポンサーなどに気を遣う必要がないので開けっぴろげである。これは老害や旧弊にすがる勢力が大幅に力を落とした事で遠慮なくやっている。それによりただでさえ力を落とした老害や旧弊にすがる連中は虫の息である。この広報誌も恣意的な運用が可能で今は惨事から立ち上がり将来に向かっている状態だから皆真剣でいいものの、一息ついた時に隙が出来るのと暴走したり特定勢力に入り込まれてしまう危険性も考えないといけないのだろう。難しい。

 ちなみに総理は続投となっております。次回は確実に変わるからもう少しだ。遠いな。前総理の嘆きが分かる。




 14年目


 ようやく新世代の人材が育ってきて半導体関連の最新機材の整備がようやくまともに出来るようになったのだ。ノウハウを失う前で良かった。7年間の断絶を経てようやくだ。

 台湾や韓国で機械のメンテナンスを依頼されても困ったからね。もっとも機械だけ動いてもナノメーター単位の部品が揃わないので少ししか動かせないわけだが。

 半導体生産の本格的再開まで後三歩くらいか。アメリカで製造していた最先端微細部品がまだ作れないので、45nmくらいのプロセスルールの部品ならなんとか製造も可能になった。資料などが残っているのでそれだけでも助かっている。

 問題は蛍石が大量に入手できないことだ。フッ素関連製品が作れない。だから以前の在庫をちまちま使っている。特にフッ化水素は長時間保管できるものではないので使う時だけ定量を取り出している。需要が少なく後40年は持つというが、それまでに産地を探すのだ。七年分の在庫がいつまで引き出せるかなど保証もないし。まあ、地球さんの気まぐれという変化がなければ大丈夫だろうというのが一般的な見方だ。

 PC用CPUの調達が難しくなりつつある。インテルもAMDも無いのだ。幸いなことにAMDがTSMCに委託製造をしてたのでAMDのCPUやGPUなら手に入る。M/Bと周辺チップは台湾の得意とするところだ。もっとも新規設計は難しいので部品がある限りは延々と今までの製品を作り続けるしかない。インテル製は寿命になり次第無くなるのだろう。メモリ関連は韓国が得意なのでこれも問題ないだろう。


 作りたい代表の巨大ダムや長大トンネルなどの構造物は人材もノウハウも残っていないので新しく蓄積を始めるしかない。それでも電子部品同様過去の資料があるだけマシか。


 各地で道路建設が一息つき、他のことに目が向くようになってきている。道路建設が一息といっても重要な道路と比較的条件が良い部分だけだ。各地から道路建設の陳情は多い。しかし、人員と先立つものが揃わない。道路は優先順位を守ってじわじわと増やしていくしかない。


 自動車産業はようやく稼働が軌道に乗った。日本製電子部品の調達が可能になったので2020年水準とはいかないが2010年くらいの車から生産している。そろそろ在庫車も減っている。それにつれて税収も減りつつあるが。ヨーロッパの方でも自動車産業が復活し部品の生産も軌道に乗ったようだ。それで日本にもヨーロッパ車の部品が入ってくる。修理が出来るようになったヨーロッパ車の在庫需要が増え税収の支えになっている。


次回更新 6月6日 05:00


* 数世代前は2020年時点からなので45nmくらいです。プロセスルールが違えば製造設備は全交換だと思いますが機械は既存設備の改修で頑張っていることに。

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