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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第三章 危獣編
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197話 勢揃い

「ノインさん、いい方でしたね」


「そうだな」


 ダンジョンから脱出して戻ってきたシン達はルネイリアの会議室に集まっていた。


「彼に感謝せねばな」


「ええ。彼のお陰で真相により早く近付くことができました」


「殆どアイツの言ってた通りだったな」


「そりゃあアレだけの本の内容を覚えてるって言うんだから何かしら導き出せるだろうな。一体どんな頭してんだか」


「まあ、とにかくやるべき事は決まった」


「コナンさんと一緒に黒狼ゼルクのところまで行って討伐する。第一目標はこれだ」


「ああ。黒狼ゼルク。どれだけ強いのか分からないからな…確かフロリアは消えない黒炎を操るみたいに言ってたよな?」


「ああ」


「黒炎ってことは黒い炎だろ? それが消えないってことは…魔法か?」


 グラートが言うがゴウキが首を横に振る。


「魔法なんてねぇよ。あるのは神器か魔具ぐらいなもんだ。魔物で神器や魔具を使うなんて……サレサ以外に知らん。ということはゼルク特有の能力なんだろ」


「シャレイペル・スネークも異常な再生力を持っていた。ゼルクや他の危獣も何か特別な能力を持っていても不思議じゃない」


「フロリアの野郎ももう少し細かく教えてくれたっていいじゃねぇかよ」


「フロリアさんも色々大変なんだと思うよ。きっと」


(大変か。確かにそれはそうだろうな。世界が崩壊する可能性だってあるって言ってたし)


「ゼルクか……俺ちょっと作戦考えてくるわ。後は好きにしてくれ」


 ゴウキはそう言うと部屋から出て行った。


「全く自由なやつだ」


「いつもこうなので」


「だろうな。……ところで」


 と、エルフィンはそこである人物に視線を向ける。

 それはレイオーネだ。

 彼女はさっきから何も言わずにずっと複雑そうな顔をしていた。


「……レイオーネ」


「大丈夫だから。心配し過ぎだよ」


 レイオーネはこう言ってるが、明らかに落ち込んでいるのは間違いない。

 感情を表に出さないレイオーネだからこそ、その差がはっきりしていてサレサも不安になるのだろう。


 と、その時、


「アルヴェリスのことが気になるか?」


 エルフィンがレイオーネへ聞く。

 すると、彼女は顔を伏せたままコクリと頷いた。


「生まれた場所だからな。気にもなるか。今のところは大丈夫だろうからひとまず安心しろ。どうせ俺達で行くことになるんだ。その時に自分の実力をはっきりできるように今から体を動かしておくんだな」


「……」


「人一人ができることなんて限られてる。だから、気にするな。たが、その小さな力が集まればできないことは無い、と俺は思ってる。だから、やれることはやっておけ。俺から言えることは以上だ」


 そう言うとエルフィンは立ち上がる。


「俺もやりたいことがある。席を外す」


「分かった」


「ああ、そうだ」


 エルフィンは懐から新しく手に入れた神器を取り出す。


「これから先、こいつが必要になるだろう。お前が本当に心を改めて世界の為に働くならこれの使い方を調べておくんだな」


 そう言ってレイオーネに神器を渡す。


「一応、言っておくが変な気は起こすなよ?」


「分かってる……これを渡された意味を考えて行動する」


「ならいい」


 それからエルフィンは部屋から出て行った。


(エルフィンは今までのレイオーネを見て神器を渡したんだろう。俺も大丈夫だとは思うけど、少し不安もある)


「サレサ、私に付き合ってくれる?」


「っ! うん!」


「なら…」


 それからレイオーネとサレサは一緒にどこかへ行ってしまった。


「ワシも少し休もうかのう」


 そう言うとウォーマットも釣られるように部屋から出ていく。


「俺はどうすっかな〜」


「リネオスまでは長いしね」


「そうだな。時間はあるしせっかくみんなも居るんだから戦い方を学ぶいい機会かもしれないな」


「いつもゴウキにいいとこ盗られてる気がするからな。修行して出し抜いてやんぜ! そうと決まれば早速修行だ!!!」


「えっ、いきなり!?」


 グラートが走って部屋から出ていく。


「忙しないな」


「いつもだけどね」


「じゃあ、手合わせお願いしても?」


「勿論よ。じゃあ、私達も修行ね」


「ああ」


 それからリネオスに着くまでの一週間程度をそれぞれ自由に過ごした。




 一週間という期間は長いようで短く、何事もなくすぐにリネオスに到着した。


「戻ってきたな」


「ああ」


「俺はやるべき事がある。みんなは父上に報告を頼む」


「分かりました」


 それからエルフィンと別れたシン達は真っ直ぐ王の間へと移動する。


「待っておったぞ」


「お久しぶりです」


「うむ。では、何を知ったのか聞かせてくれ」


 それからシン達は手に入れた情報を国王へ話した。


「なるほど。危獣か…名前は聞いたことがあるが…」


「これから俺達はフィオラントへ向かおうと思っています」


「うむ。全てそなた達に任せてしまい済まないな」


「そんなことないですよ。私達にやれることをやるだけですから」


「そうか。そう言ってもらえるとありがたい。では、引き続きよろしく頼む。我々もアークとエドワードの行方を探す」


「分かりました」


 と、その時、


「ただいま戻りました」


 エルフィンの声がして振り返る。

 すると、そこにはエンドール・コナンが一緒に立っていた。


「皆様お久しぶりです。ご迷惑をお掛けしました」


「コナンさん!」


「爺さん大丈夫か!」


「くたばったかと思ったぜ」


「コラコラ」


「今はお陰様で元気ですよ」


「それは良かったです」


「うむ。何よりじゃ」


「よし、これで全員揃ったな」


「ああ」


「なんかワクワクしてくるな!」


「コナンさんには俺から事情を伝えてある」


「どうやら私が寝ている間に世界は大変なことになっているようですね」


「ああ。今危獣っていう獣が四匹この世界にいる。それを討伐しに行く。それが俺達の今の目標だ。コナン。お前は孫もいるんだろ? 七つの罪人と戦うところまで承諾してくれたが危獣と戦うことまでは何も言ってないだろ?」


 ゴウキはそう言う。

 が、コナンは首を横に振う。


「私はマナに平和な世界で暮らして欲しいのです。ですからどうか私を一緒に戦わせてください」


 そう言うとコナンは頭を下げる。


「爺さん…なんて熱いんだ!」


「そうか。アンタの気持ちは分かったぜ。なら俺達と一緒に戦ってくれコナン」


 ゴウキがそう言って手を差し伸べる。

 と、コナンはその手を取り、


「勿論です」


 そう言った。


 こうして、改めてコナンを仲間に入れた九人で危獣討伐の旅に出掛けた。

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