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第四次世界大戦――剣と盾しか残らなかった世界で  作者: 竜太郎


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凍る街道

グラウゼンへ続く街道の一部が、夜の凍結で通れなくなった。赤環市からの塩商隊は峠の途中で止まり、車輪の下へ石を敷いたが荷車は進まない。隊商長ナゼルは荷を減らすか、暖かい日を待つか決めなければならなかった。

待てば食料と薪を消費する。荷を減らせば北の肉職人へ渡す塩が足りなくなる。護衛兵は荷車を捨てて進もうと提案したが、ナゼルは車輪を直して再び使える道を探した。

記録係は近くの村から来た少年に、凍る時刻を尋ねた。少年は太陽の位置と風の向きを覚えており、午後の短い時間だけ道が緩むと教えた。

一行は斜面へ木の屑を撒き、荷車を一台ずつ押した。盾を背負った護衛兵も車輪を支え、足を滑らせないよう歩幅を揃えた。

途中、空の車が転び、軸が曲がった。ナゼルは落胆したが、車輪だけは予備として運ぶことにした。荷を守ることと車を守ることのどちらが大事か、道によって答えが違う。

夕方、最初の荷が高台に着いた。塩の袋は凍った道で白くなり、商人の手は赤く腫れていた。

荷車を押した兵の一人が、冷えで指の感覚を失いかけた。隊商長は車を止め、布で手を包んで温めた。急ぐほど荷を傷め、運ぶ者も疲弊する。休憩に使った小屋には、昔の街道番が刻んだ距離の印があった。雪で半分埋もれた印を見た記録係は、地図に記された距離が平らな土地のものだと気づいた。冬の山では、同じ道の長さが違って感じられた。

その夜、記録係は配達予定の日を二日遅らせて書き直した。北の町では彼らが到着するものとして市場の準備が進んでいる。遅延を知らせる使者を先に送ると、食料を温存できる家もあるだろう。小さな予定の修正が、山の向こうの冬を少し変える。

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