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第四次世界大戦――剣と盾しか残らなかった世界で  作者: 竜太郎


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雪の足跡の主

北方の巡察隊は、峠へ向かう細道に十二人ほどの足跡を見つけた。盾の縁で雪を掻いた跡もあり、兵の移動と考えられた。セリアは足跡がミシュラの偵察隊なら、塩の道が危険になると警戒した。

斥候が追うと、足跡は途中で二つに分かれた。一方は谷底の小屋へ、もう一方は古い採石場へ向かっていた。小屋には老人と子どもが数人、採石場には男たちが身を隠していた。

彼らはミシュラから逃げた労働者だった。砦の石を運ぶ仕事を命じられ、食料を十分にもらえず逃亡したという。剣を持つ者はいなかったが、盾を一枚拾って雪かきに使っていた。

セリアの部下は軍の情報を得るため拘束するよう求めた。彼女は事情を聞き、逃げてきた人間を敵兵として扱わないことにした。ただし自由に北へ進めば、村の食料を消費する。

評議会は一時滞在所を設け、働ける者には道の修理を頼んだ。希望しない者へ剣を持たせることはしなかった。

採石場の男は、ミシュラ軍が峠の南だけでなく北の道も調べ始めたと話した。セリアは報告を信じきらず、別の斥候を出した。

逃亡者の中には、砦で石を運ぶ賃金を受け取っていた者もいた。彼らは自分たちを捕虜と呼ぶべきか迷っていた。雇われた先で帰る自由を失ったからだ。セリアは仕事の契約があるかどうかを聞き、持ち物を取り上げた兵の名を記録させた。全員の話が一致したわけではない。それでも食料を渡す判断を、呼び名が決まるまで遅らせることはしなかった。

逃亡者は熱い粥を受け取り、長い時間かけて食べた。谷底の小屋では、拾った盾を入口の前に置いた。雪を払うための板が、今夜だけ家の扉の役目を果たしていた。

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