↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第四次世界大戦――剣と盾しか残らなかった世界で  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/228

三日目の橋

三日目の朝、橋の中央は濡れていた。夜の雨で白線はかすれ、東岸の兵士が足を滑らせないよう砂をまいている。エドランはその作業を見届けてから、西岸の伝令を迎えた。

「村々は、二万人全員の受け入れを決められなかった」

ハルヴァンの顔がこわばった。

「橋を閉じるのか」

「そうとも決めていない」

エドランは十九人の村長が署名した紙を渡した。傷病者と子どもを優先すること。食料は村の責任で分けること。兵士は東岸で武装したまま滞在できないこと。どれも十分な条件ではないと、書いた者自身が知っていた。

「家族を残して兵だけ西にいるのか」

「そのために、行き来する日も決めたい」

「通れば双方の兵が混じる」

「だから数を数える」

二人が話していると、避難民の列から小さな荷車が進み出た。老人が引く車には熱を出した子どもが三人、布をかけられて横たわっていた。

「医者に見せてくれんか」

老人はどちらの指揮官にも頭を下げなかった。疲れ切って、そうする力が残っていない様子だった。

エドランは門番に医師を呼ばせた。西岸の兵は盾を脇へ寄せ、車輪が通る幅を開けた。列の後ろには、まだ無数の荷車が待っている。

一人目の子が毛布で包まれたとき、ハルヴァンはようやく息を吐いた。救えた人数を数えれば三人にすぎない。しかし、その三人が今夜眠る場所はできた。

医師の助手は渡ってくる荷車に印を付け、患者の症状と付き添いの人数を記録した。最初は西岸の兵が監視していたが、病人の子を落ち着かせるのに母親が必要だと知ると、人数の数え方を変えた。門の規則は残り、目の前の必要に合わせて運用だけが少し変わった。

午後、西岸司令部には北方の灰色の盾についての報告が届く。三日間の猶予は終わっても、誰も橋から手を離せなくなっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。