白い布の境
東西の境にある水車小屋で、巡察隊の新しい決まりを確かめる会合が開かれた。双方の兵は盾を地面に置き、目印として白い布を小屋の外に掛けた。
エリンは西岸のルドと初めて長く話した。畑道で傷を負った部下の一人は、もう歩けるようになったという。もう一人は手の力が戻らず、療養を続けていた。
「謝れば済むことではないな」
ルドが言うと、エリンも頷いた。
「だから、同じ場所でまた剣を抜かないようにしたい」
二人は地図を開き、巡察の時刻をずらすことにした。道を完全に閉ざせば農民も通れなくなる。見張りを立てず、連絡役を一人だけ置く案が採られた。
会合の途中、村の水車が止まった。粉挽きの老人が外に出て、白い布が歯車の風を遮る場所に掛けられていると文句を言った。
両軍の兵は慌てて布を外した。誰も相手の仕業とは言わなかった。ただ置き場所を間違えただけだった。
老人は粉挽きを再開し、会合の者へ焼いた薄い麦餅を分けた。エリンとルドはそれを別々の皿で食べた。
会合の書面には、違反した兵の所属を確かめる欄も加えられた。紋章だけで相手を決めれば、盾を拾った者が別の軍を装うこともできる。エリンは負傷した二人のことを思い出し、急いで判決を出さない仕組みが必要だと考えた。ルドも同意した。すべての衝突を防げるわけではない。それでも、疑いだけで次の戦いを始めることは減らせるかもしれなかった。
粉挽きの老人は二人の後ろ姿を見送り、戸を閉めた。
終わりに二人は、次の連絡をいつ行うか確認した。握手はしなかった。けれど別れるとき、互いの名前を間違えずに呼べた。




