↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第四次世界大戦――剣と盾しか残らなかった世界で  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
54/180

数字の違う冬

赤環市からグラウゼンへ、塩の価格に関する返書が届いた。市は減税によって輸送量が回復すると見込んでいたが、北の評議員アーネが計算すると、期待される量には届かなかった。

理由は簡単だった。赤環市は出荷した袋の数を数え、北方は無事に届いた袋の数を数えていた。途中で壊れた樽や、道に足止めされた荷が数字から抜けている。

アーネはセリアに手紙を書き、次の商隊へ記録係を同行させるよう頼んだ。兵が必要かどうかは現地で判断してよい。ただしどこでどれだけ失われたかを知りたいと記した。

ナゼルは記録係を荷車に乗せることを了承した。余計な人が増えるのは面倒だったが、道の苦労を数えてくれる者がいるのは悪くない。

記録係は最初の日、荷札の字を読み間違え、ナゼルに何度も訂正された。翌日は道のぬかるみに靴を取られ、荷車を押すことになった。

「帳面は軽いだろう」

ナゼルがからかうと、記録係は泥の付いた手で笑った。

道が一つ崩れれば、何袋もの塩が市場に届かない。税を減らすだけでは済まない事情が、数字とともに書き込まれていった。

記録係は途中の村で、荷を量る秤が赤環市と違うことにも気づいた。商人たちは同じ一袋と呼んでいても、少しずつ重さが異なる。帳面へ書く単位を揃えなければ、途中で減った量を正確に確かめられない。ナゼルは樽を空にして一度量り、木の重さを記録した。数字の食い違いの一部は盗みではなく、道具の違いから生まれていた。

雨の日の損失も別の欄へ書き分けるようになった。

北の評議会では、その帳面を使って道路職人の数を増やす案が議論され始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。