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第四次世界大戦――剣と盾しか残らなかった世界で  作者: 竜太郎


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三つの評議会

北方グラウゼン、東岸エルデン、西岸ヴェルクから、それぞれ使者が河口のルーヴェへ来た。議題は大河の荷の通行だったが、三者の主張は違っていた。北は塩を運びたい。東は穀物を守りたい。西は橋に集まった避難民へ食料を届けたい。

町長イベラは、彼らを市庁舎ではなく修理中の堤防へ案内した。塩を積んだ荷車が来ても、潮が畑を荒らせば町は維持できないと示すためだ。

「町の道を使うなら、堤防に人手を出して」

北の使者は職人を出すと約束し、東は材木の提供を検討すると言った。西は兵を派遣できると申し出たが、町長は剣士が増えることを警戒した。

「兵は堤防を直せるのですか」

西の使者は答えに詰まり、帰って工兵ではなく石工を探すと約束した。

会議が終わる頃、河口には干潮が訪れ、堤防の傷んだ場所が露わになった。三人の使者はその長さを測り、それぞれ異なる数字を記録した。

イベラは同じ場所を再び測らせた。足した長さが違うのは、石の端をどこから数えるかが揃っていなかったからだ。

「修理が始まる前に、長さくらい同じにしましょう」

堤防の水位を見ていた老人が、潮の高い日はこの場所に立たないほうがいいと忠告した。使者は足元を見て、靴に海水がかかっているのに気づいた。イベラは会議を早めに切り上げ、潮が引く時刻を教えた。三つの勢力の立場は違っても、浸水すれば書類も地図も使えなくなる。修理費の負担を決める前に、まず乾いた場所で話せるようにする必要があった。

堤防を測る間、三人の靴は同じ潮に濡れていた。

使者たちは初めて小さく笑った。国同士の意見は割れたままだが、堤防の傷は一つだった。

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