橋の外の死者
大河の北側で、別の戦線から負傷兵が運ばれてきた。東岸にも西岸にも属さない小領邦の兵で、灰褐色の盾には細い輪の紋章があった。北部の峠で隣国と争い、隊列が崩れたという。
橋の医療所は彼らを受け入れたが、全員を寝かせる場所はなかった。医師テラは軽傷者を倉の廊下へ移し、血を失った者から先に診た。
一人の少年兵は、名前を言う前に意識を失った。持ち物には家の位置を描いた粗い紙があり、母親へ渡す小さな木札が結ばれていた。
夕方、少年は亡くなった。テラは木札を外し、出身を確かめる者を探した。東岸の戸籍にはなく、西岸の名簿にも載っていない。ハルヴァンは兵の紋章だけを見て、北方の集落へ照会するよう助言した。
遺体を運ぶ人足は、宗派の違う兵をどこに葬るかで迷った。医療所の裏庭にはすでに小さな墓が並び、空き地は少ない。
テラは村長たちに頼み、川を見下ろす丘の端へ新しい埋葬地を設けた。名前が判明するまで、木札の模様をそのまま墓標に刻むことにした。
数日後、北方から返事が届いた。少年は峠の村の出身で、母親はまだそこにいるという。テラはようやく名を記し、木札を届ける使者を手配した。
墓地の場所を決めるとき、東岸の村人には畑が減ることを心配する声もあった。テラは亡くなった人だけでなく、生きている村人の食料も考えなければならなかった。村長と土地を歩き、耕しにくい石だらけの斜面を選んだ。そこからは大河が見える。名も知らない死者が遠くから来ても、せめて道のある場所に眠れるようにと考えた。
第四次世界大戦の戦線は橋だけにあるのではない。そのことを、丘に増えた一つの墓が静かに示していた。




