↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第四次世界大戦――剣と盾しか残らなかった世界で  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
150/240

橋脚の地下室

旧鉄道橋の橋脚で、工事の人夫が石板を踏み抜いた。下には小さな空洞があり、錆びた梯子が暗闇へ続いていた。かつて橋を修理するための部屋だったらしい。人夫は古い機械が残っていると騒ぎ、守備隊長エドランを呼んだ。

エドランは兵を降ろさず、先に空気の流れを調べさせた。地下へ入った者が戻れなくなれば、橋の通行どころではなくなる。火をかざすと弱く揺れ、奥へ風が抜けていることが分かった。

梯子を下りた石工が、壁際に重い鉄箱を見つけた。開けると中には修理記録らしい紙束があり、大半が湿気で崩れていた。一枚だけ橋脚の形を描いた図が残っていたが、印の意味は誰にも読めない。

人夫の一人が、図に亀裂の位置が示されていると気づいた。今も橋脚の外側にある傷とよく似ていた。古い事故の記録かもしれない。石工は慎重に槌を当て、鈍い音がする場所を確かめた。

橋はその日の午後だけ通行を制限された。西岸のハルヴァンは待つ人々へ説明し、急ぐ薬だけ別の小舟で運ぶ手配をした。

地下室から出た石工は、鉄骨に触れた手を見せた。赤い粉が指に付着し、振ると落ちる。橋の表面が丈夫に見えても内部では錆が進んでいると説明した。エドランは兵が立つ場所も確認し、特に振動の大きい中央部から重い荷車を外した。修理前の見張りにまで危険が及ぶなら、通行量だけで安全は測れない。

夕暮れ、石工は補修が必要だと結論した。戦争のために建てられたわけでもない橋は、争う両岸に使われ続けている。エドランは橋脚の修理を共同負担とする書状を書いた。相手が受け入れるかどうかは、まだ分からなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。