船を待つ橋番
ルーヴェから上流へ続く板橋で、見張りの老人が通行人を止めた。橋板の一本が潮で浮き、踏めば下へ落ちる。渡れない者は市場へ行けず、戻れば食料の交換日を逃す。老人は橋の端に座り、直す木材を待っていた。
船大工が来ると、材木は小舟の修理に回されたと告げた。海峡の税争いで船が減り、一隻でも早く動かしたいという。老人は事情を聞いて怒りをこらえ、橋を二本の縄で封鎖した。
そのうち、河口に住む親子が現れた。子は明日、東岸の医療所で傷を見せる予定だった。父親は板の隙間を跳べると言ったが、子の脚には固定具が巻かれている。見張りは首を振った。
ネイが港から運び出せる端材を探し、古い船棚を解体してよい許可を得た。船大工はその木なら橋の幅に足りるが、潮を吸って曲がりやすいと説明した。修理後も一度に一人しか渡せない。
夕暮れ、老人は橋の手前に板を立て、危険を示す大きな絵を描いた。字が読めなくても足の形と割れた板で意味が通る。父親は翌朝の一番に渡ると約束した。
船棚の解体を許した漁師は、棚に刻んだ息子の背丈の印まで削られることを嫌がった。ネイは印のある板を外して返し、残りだけ橋に使った。漁師は新しい棚を急いで求めなかったが、次の網を干す場所を借りねばならない。板橋を直しても、木を渡した人の仕事がそこで途切れてよいわけではなかった。
満潮になると橋は小さく軋んだ。老人は冷えた手をこすり、夜番を代わる若者へ危ない場所を教えた。船のための木と橋のための木。どちらも不足しており、海の近くでは一つの決定が別の誰かの足を止めていた。




