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第四次世界大戦――剣と盾しか残らなかった世界で  作者: 竜太郎


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青盾の二つの命令

三市連邦の軍へ、別々の市から矛盾する命令が届いた。フェラト市は王領との峠を警備せよと指示し、井戸の修理を急ぐ小市は兵を戻してほしいと求めた。青い盾を持つ部隊は連邦に属するが、兵の給金は各市が払っている。

隊長の女性は、どちらの命令にも印があることを確かめた。命令を一つだけ選べば、もう一方の市が連邦を抜ける口実にするかもしれない。

彼女は兵を動かす前に、二市の使者を同じ小屋へ呼んだ。互いが何を恐れているか聞くためだった。フェラトは王領の奇襲を、小市は井戸の崩落を恐れていた。

隊長は盾兵を少数だけ峠へ残し、残りを井戸の崩落現場へ移す案を出した。峠に出す人数は減るが、道の見張りには土地を知る案内人を雇う。

フェラトの使者は反対した。軍の人数が減ることを王領へ知られたくないからだ。小市の使者は、井戸を直す職人を王領に借りるべきではないかと言い、さらに議論は荒れた。

夜まで話し合い、隊長は両命令を保留する権限を得た。その代わり翌朝に必ず人数を報告することになった。

兵の一人が故郷へ帰る便りを出そうとしたが、上官がどの市にいるのか決まらず、配達先を書けなかった。隊長は部隊名だけでも手紙を受け取れるよう、二市の宿場へ連絡した。行軍命令の混乱は兵の家族にも及ぶ。彼女は使者たちに、軍の動きを決める紙だけでなく、家族からの便りをどこへ集めるかも話し合わせた。その提案を笑う者はいなかった。

兵舎の若い盾兵は、今夜どこで寝るのか分からないと呟いた。隊長も知らなかった。だが兵を動かす紙が二枚あることだけは、全員へ隠さず伝えた。

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