ミーズの独白、人としての生活
ご主人様の家に案内され、そこで掃除や料理などの仕事を任されることになりました。幸い使用人をしていた時に散々叩き込まれたことでもあるため、仕事に苦労することはなかったです。
また使用人として仕えているうちにご主人様が何をしているのかも知りました。死者を生き返らせる研究、恐ろしいことにも思えましたが、私のやることに影響はないので気にしないようにしていました。
死者の近くで仕事をするのは怖いように思えますが、私にとってはそうでもありませんでした。憂さ晴らしのために怒鳴られたり理不尽に叩かれたりすることがなかったからです。ご主人様は私にそうしたことは一切しません。むしろ私のようなものにでさえ礼儀を尽くしてくれるようにも感じました。
そんなある日、夜に突然ご主人様から部屋へ来るように呼ばれました。子爵の時のように相手をするのだと、覚悟しました。
ですがその予想は裏切られます。私を呼んだのは大量の書類を床にばらまいてしまったので、回収するのを手伝ってほしいというものだったのです。ご主人様と一緒にそれを片付けた後、礼を言われて部屋に戻るように言われました。
「何もしなくてよろしいのでしょうか。」と思わず私は聞いてしまいました。ご主人様は少し考えてから「あなたは私たちの使用人です。不要なことはさせませんよ。」といい、私をそのまま返しました。
それから私は使用人として暮らしていたのですが、ある日病に倒れました。昔であれば私を心配するものはおらず、「病気になりやがって」と文句を言われていたでしょう。母ですら私の病気を気にすることはなかったです。
ですがご主人様は違いました。私のために薬について調べたり薬草をとってきて調合してくれたりしました。こんなにも手厚い看病を受けたのは初めてです。ご主人様のおかげで私は無事に体調を取り戻しました。
その後改めてご主人さまに看病のお礼と謝罪をしました。ですがご主人様はお礼については受け取りましたが、「主が使用人のために最善手を打つのは当然のこと」と謝罪に関しては否定しました。




