ミーズの独白、絶望が救いとなるとき
当時の私は虚ろな日々を過ごしていました。そうした世界はある日突然終わりを訪れます。子爵様や先輩の使用人らと一緒に郊外にある屋敷に訪れた日の深夜のことです。
盗賊の襲撃だとわかったのは騒ぎに気づいて少ししてからです。子爵様は慌てていたらしく、まともな対応はとれませんでした。そうこうしているうちに盗賊たちは屋敷にいる者たちを切り捨て、金品など金目の物を奪っていきます。おそらく子爵様の命も、もう・・・。
私はとっさに見つかりにくそうなところに身を隠しました。ですが相手は盗賊。目利きがあるのか私はあっさりと見つかりました。
野盗はニタニタ笑っていました。そうして私に近づいて来ようとしたとき、突然倒れたのです。その後ろには使用人とも盗賊とも思えない人がいました。生きている様子すらありません。呆然としている私に対して「ご無事でしたか」と声をかけてきた人がいました。
それが今のご主人様です。私は突然のことで答えるができずに固まっていると、ご主人様は周囲を見渡して。「なかなかの荒れ具合、いい素材が集まりそうですな」と何かをいっていました。後で知ったのですが死者たちを率いて素材集めをしていたところ、運よく盗賊の襲撃を知ったみたいです。
そしてご主人様は死者に指示を出して野党や館の生存者を一人残らず殺害。研究の材料にもちかえりました。ただ私には手を出すことはありませんでした。それどころか「一緒に来ますか?」と声をかけてくれたのです。私は思わずその申し出を受け入れました。




