17王家は想像以上に気さくで家族のような温かい雰囲気
王家は想像以上に気さくで家族のような温かい雰囲気で、国王陛下は、緑の恵みについて質問攻めにする。よかった、理不尽に婚約させられたりしなくて。
「キャロル殿!この緑の恵みがあれば、砂漠地帯でも作物が育つようになるのか!?それから、この魔法の道具は、米も育てることはできるのかね!?」
目を輝かせながら次々と質問を投げかけた。
「工夫次第でどんな土地でも作物を育てられますし、米ももちろん大丈夫です」
笑顔で一つ一つ丁寧に答えた。王子様はミーチェやソフィアとすぐに打ち解け、公爵家の庭で飼っている動物の話やお気に入りの絵本の話題で盛り上がる。
「農業をぜひキャロル殿に指導していただきたい。もちろん、全面的に協力は惜しまない」
今後の農業改革について協力を求めた。
「はい。喜んでお手伝いさせていただきます」
国の農業がもっと豊かになることを想像して、ワクワクする。王城での謁見を終え、レモンピューレー公爵家が再び馬車に乗り込んだ時の心は新たな希望と期待で満たされていた。
「王様って本当に優しい方だったね!」
ミーチェが興奮冷めやらぬ様子で言った。
「ええ。とても温かいご家族でしたわ」
ユミスも微笑む。
「これで国はもっと豊かになるだろうな。お前のおかげだ」
お父様が優しい眼差しでキャロルを見つめた。
「みんなが協力してくれたから。それに、もっとやれることがあるよ」
次の目標を明確にしていた。
「次は農業技術を応用して、水不足の地域に安定して水を供給できる魔法の道具を開発してみよう」
家族みんなが「えぇぇぇぇ!?」って驚きの声を上げた後、満面の笑顔で大喜びし、のちに王家の人たちもキャロルの提案に目を輝かせていたとか。
これまでの農業改革で得た知識と経験を活かし、水不足に悩む地域を救う新たな挑戦に乗り出した。
前世で見た海水淡水化プラントや人工降雨技術といったアイデアを、魔法技術と融合させることを目指すことにする。
「水不足の地域って、作物も育たないし、人も住みにくくなっちゃう。まだ使われてない魔力や資源がたくさんあるかも?」
公爵家の書庫にこもり、水に関する古い文献や魔力の流れを研究した書物を読み漁る。
「水は生命の源です。循環を司ることは自然の摂理に深く関わることになります。非常に繊細な魔力操作と、環境への配慮が求められるの」
お母様は構想に真剣な表情で助言を与えつつ、水の魔術に関する知識も豊富で、研究を全面的にサポートしてくれた。考えたのは空気中の水分を集める方法だ。
「空気中には目には見えないけど、水蒸気がいっぱいありそう。効率よく集める魔導具を作れないものか」
冷気を生み出す魔石と、水分を吸収する特殊な魔力繊維を組み合わせた、魔導具天空の露の設計に取り掛かった。
魔導具を起動させると魔力繊維が空気中の水分を吸い上げ、冷気によって凝結させる。
きれいな水滴として集めることができるし、次に集めた水を効率よく必要な場所に運ぶ方法を考えていく。
「せっかく集めた水を、遠くまで運ぶのは大変。だから、水が自動で流れていく魔導具が欲しい」
水の流れを魔力でコントロールし、高所へと水を運び上げたり、分岐させたりできる魔導具水路の道標を急いで開発した。
地中に埋め込むことで、どこへでも水を供給できる魔法のパイプのようなものであり、水不足問題解決への挑戦には家族全員がそれぞれの得意分野で協力してくれる。
「集めた水が汚染されないようにきれいにする魔法の石が必要だよ。魔石はを浄化する力があるんだって」
ミーチェは水質浄化に関する古文書から、特定の魔石が持つ浄化作用について調べてきてくれた。水がきれいになるかどうか実際に試作機で実験を行い、水質検査も手伝ってくれる。
「ミーチェ、ありがとう……これで、どんな場所でも安全な水が確保できる」
目を輝かせたユミスは水不足に苦しむ地域の地理や人口、既存の水源に関するデータを集め、最も効率的な水の供給計画を立ててくれた。とても利口な姉妹である。
「水の供給は計画的に行う必要がありますわ。無計画な水の利用は、かえって生態系に悪影響を与えてしまう可能性もございますし」
ユミスは、環境への配慮を常に忘れず、持続可能な水資源の利用方法を提案し、ソフィアは集められた水を大切そうに眺め、透明な輝きにそっと触れていた。
生命の力を敏感に感じ取り、キャロルに状態を教えてくれる。お父様は水の魔術に長けた魔法使いの協力を取りつけ、水の魔力に関する詳細な知識や古代の水の儀式について学んできた。
知識は、魔導具開発に新たな視点と可能性をもたらした数ヶ月後、公爵家の領地にある、これまで水不足で荒れていた土地で、天空の露と水路の道標のデモンストレーションを行う。
天空の露を起動させると空気がひんやりと冷たくなり、目には見えない水滴が、魔法のように集められ始めた。集められた水は、透明な水槽にゆっくりと溜まっていく。
水路の道標に接続されると、水は意思があるかのように、地中を流れ、遠く離れた場所にある農地へと運ばれていく光景を見た人は、驚きと感動で言葉を失う。
「み、水だ……!この枯れた土地に、水が流れている……っ!」
「これで、水汲みに何時間も歩かなくて済むんだ!」
乾いた土地の住民たちは、涙を流しながら歓喜の声を上げた。
天空の露と水路の道標は、瞬く間に世界中に広まると、水不足に悩まされていた地域では、安定した水の供給が可能になり、生活は劇的に改善する。
乾いた土地は緑を取り戻し、新たな農地や居住地が次々と開拓されていき、水資源をめぐる争いも減り、平和な世界へと一歩近づいた。




